ジンジャーエール湖畔・於
目次


2002年08月31日(土) ね・む・ら・ず・に・朝・が・ キテ


映画館をでると きっと朝焼けがしみるから

あらかじめうす目を用意しておくのがよいことをオレは知っていた。

届いたばかりのホヤホヤ日光に照らされた

「のぞき小屋」「エマニエル」「花びら回転」たち夜の住人は

暴かれた墓のようにひっそりとしていた。

化粧を落とさないで眠ってしまった女のよごれた顔にさす朝日だ。

いずれにせよこの新しい空気の中では輝きを失う退屈な真実だ。

「ニュー常磐」からでてきた男と女もきっと目をつぶるんだろう。


 『ゲッ!』


あれは、「バイト募集!明るくて元気な人求ム!!」だ。

あいつ女と一晩中いたのか。

しかしあいつにはこんなピカピカの朝の光が似合うンだよな。

あいつはきっと朝焼けに目が眩むことなんてない人間だろう。

オレとちがって。

頭にバンダナなんか巻いっちゃってさっ。ばーか。

どーせオレは「暗くて陰気な人求ム・・・」

あいつみたいにピカピカの朝の光なんて恥ずかしいだけだよ

「ぬかりや病院」はそんなオレと仲良くしてくれてるけど

本当は「ぬかりや病院」も「バイト募集!明るくて元気な人求ム!!」

と仲良くしたがってるの、知ってるんだ

だから最近あいつをさけてしまう

オレにだってプライドがある

べつに「ぬかりや病院」だけが友達なわけじゃない

「どもり・赤面症は治る!」や「ラーメン梅太郎」や「にこにこ学生ローン」

っていう愉快な仲間たちがいるじゃあないか

ただ

「ぬかりや病院」がやつらとちがっているのは女の子っていうことだけだ。

けれどオレと「ぬかりや病院」は友達なんだ

以前オレは彼女にキスをした

そしたら彼女はとっても困った顔で『ごめんね』と謝っていた

そのことがあってからオレはせめて彼女の友達になろうと決めた

そういえば、この前「どもり・赤面症は治る!」とかと生まれて初めて合コン

というものに行ったんだけどそこで会った「合カギ3分」という女の子が・・・


(つづく)



2002年08月29日(木) 秋ちかし八月の夜なかに思うことなど

最近思うのは、童貞のこと。
童貞ものって多いなーってこととか処女ものってないなーとか。
童貞は静かなブームになっている気すらする。
すでにマイブ−マ−みうらじゅんさんが童貞をポップにすべく
「DT」という愛称をあたえたり、
小田原ドラゴンさんの「おやすみなさい。」だとか
古泉智浩さんだとか睦月影郎さんの「Gのカンバス」だとかがすぐに思い浮かぶ。
文学や漫画などには古典的なものにもすでに童貞物は存在している。
けど、処女ものはあんまりないなー。思いつかない。
童貞みたくマヌケというか滑稽であるがゆえの哀愁、は
処女にはない。
処女ものがあるとしてもきっとそれは可愛い女の子による
キュートな物語りでしかないのではないか。
みてないけど「デルフィーヌの場合」とかさ。
哀愁せつない系の童貞に匹敵するようなみっともない処女の奔走劇は
ないのか?(トッド・ソロンズの「ウェルカム・ドールハウス」が近い?)
それも童貞とちがって処女の場合はただいかんともしがたいだけだと思う。
男性は童貞だった頃の自分に思い入れが強く、感情移入がしやすいから
童貞もの多いのかもしれぬ。
でもそう考えてみると、女性はもちろん処女にこだわりがないわけではないけど、いったん経験してしまうと男性のように処女だった頃の自分のことなどは
振り返らないように思う。
男性がなぜ童貞に深い思いを寄せるのかは、性への憧れや欲求の強さが
女性より激しいからかしらね。

「童貞」「処女」はまだ可愛いモンで「セックス」だとか「フェラチオ」だとか「べネチオ・デルトロ」だとかという過激な言葉を必要以上に盛りこんで
そんな話を飼い猫に話しかけている今日このごろ。


2002年08月27日(火) うつしよはゆめ よるのゆめこそまこと

ドラマ「江戸川乱歩VS怪人二十面相」をみてあーだのこーだの。
これ見るために高円寺の阿波おどり早めに切り上げてきたっつーのに。
期待はずしすぎです。
クールな二十面相にたけしはミスキャストだと思った。
月光をバックに走られてもなんだかドタバタしてて危なっかしかった。
でも無気味っぽい演技はよかったので二十面相じゃなくって
「吸血鬼」の鼻がないやつとか他の作品だったらよかったのかも。
明智と二十面相の因縁が火サスみたいなオチだったのにもガックリ。
ふたりの戦いに動機や感情はいらないのです。
ただお互いをだしぬくことを楽しむ知恵くらべであって欲しい。
女性を巡って怨んだりなんてしないでー。


 乱歩原作映画マイベスト
 1位 屋根裏の散歩者・・・ロマンポルノの。宮下順子・石橋蓮司主演。
 2位 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(石井輝男)
 3位 盲獣(増村保造)
 4位 押絵と旅する男(川島透)
 5位 双生児(塚本晋也)


2002年08月25日(日) パワーパフガールズが蛾にみえたりフクロウにみえるのこと




科学化学物理学生物学に地球科学。

いわゆる理系の学問は

世界の真理をしっている。


 顕微鏡で宇宙をのぞく者の眼に金の薔薇がうつるんだって!!



「ウッソー!」

「まじスカ?」

「ぶっとびーッ」


ハッと閃く文系のレディース&ヂェントルメン

こうなったら殴りこもうぢゃないか

青臭い小説を書くのはやめて

インチキめいた政治を語るのはやめて

舌っ足らずにブルースを歌うのはやめて

空飛ぶ理科教室へ。

アインシュタイン先生は呼びかける

おさないで、かけないで、しゃべらないで

慌てなさんな

顕微鏡はだれにでもやさしく微笑んでくれるから

赤いリボンでできたあの娘の染色体みつけたら

すかさず数をかぞえて分類し給え

あとはきみの好きなように・・・




2002年08月21日(水) 赤い水玉模様をつくりましょう。


「さあさあ、みなさん。レッツ・メイク・人工いくら・トゥデイ。」
おおきな栗の木の下で化学のクマ吾郎先生はバリトンの声でいった。

イクラの目玉はβカロチン+サラダ油
イクラ本体は紅茶で色付けされます。


色をつける前の人工イクラ(マイクロカプセル)は透明でキラキラしてて
とっても き れ い
トイレの芳香剤みたいだよ。

原材料:アルギン酸ナトリウム+アラビアゴム(1)
    塩化カルシウム+水(2)
(1)を駒込ピペットにとって(2)の溶液に一滴づつ垂らすと
粒粒にゲル化するのだ。

先生が「食べてごらん」というので
ひと粒食べてみたら、先生驚いた顔で
「去年もおととしもこの実験やったけど本当に食べる子ははじめてだよ。」
自分が”不世出のいやしんぼ”といわれたような気がして恥ずかしかった。
塩っけがつよく思わず、「マズ〜っ!」と言ったら
みんなが笑ってた。キラキラした笑顔で。
みんなイクラみたいだよ。

 おまけ

人工イクラのみわけ方(寿司やにて)
 *ひと粒とって上から落としてみる。
  弾んだら人工。天然は弾まない。
 *お湯にいれてみる。
  お湯が白くにごるのは天然。
     にごらないのは人工。


2002年08月14日(水) ハロー 夜。ハロー 静かな恋人たち。ハロー カップラーメンの海老。




夜、近所の神田川沿いを散歩していると奇妙なものを発見する。

ちょっと先をいったところに小さく光るモノ。

暗がりにぽわぁ〜っと光ったと思えば少しづつ闇へと消えてゆく。

そしてしばらくするとまた、ぽわぁ〜。


「OH!コレは螢?デスカ!?」


近くにいた、小さい男の子とおばあさんにたずねると、

理工学部卒のその男の子のお父さんがこしらえた螢を模した豆電球だった。

男の子の小学校の宿題だって。只今実験中。

なんだなんだ。

よくよくみると虫のゴム人形にまめ電球がつけてあって、スイッチでついたり

消したりできるように細工されていた。ほえ〜〜。すごい。



螢がおしりを灯すのは恋人への求愛信号である。

彼らは静かに密やかに睦言を交わしあうのです。

けれど「愛」を知らない者は、わたしみたく

こうやってふらふらと豆電球のニセモノ求愛信号に誘われてしまうんです。

気をつけないと。

まがいものの愛には。

でもさー、わ.た.し.

いかんせん本物みたことってないんの。



 どっちの話してんの? ってあなた、 「勿論、蛍の話だよ。」


2002年08月07日(水) 潜在的「同・棲・時・代」

ふと視界の隅に感じるもの。
 でた・・・
都会の嫌われ者・GOKIBURI氏の登場。

CMで見ていいなあ、と思い購入しておいた
泡で固めるゴキブリ退治スプレーを噴射。
御臨終です。
スプレーすると泡が固まってゴキブリを包み
窒息死させ、そのままペロッとはがして捨てられる。
便利なもんだね。

ネットで猫の耳切ったりしてた奴が捕まった、という話を友人がしていた。
友人はそいつのことをしきりに罵倒している。
「なんであんな可愛い猫チャンにそんなことするかね?」
をしきりに連発。
猫という芸術に魅入られているわたしとて同意見。
しかし、猫いじめの話なんてわたしにとってはこの世にあっては
ならないこと、おぞましすぎて口にも出したく無いこと。
そんな話わたしはしたくないのだ。
「猫じゃなかったらいいの?何ならいいの?」
なんていってみた。いじわるで。
すると友人即答
「ゴ・キ」
そーかそーか。ゴキブリならひきちぎられめためたにしてもいいのか・・・
わたし、なんだかゴキがかわいそうになっちゃった。
部屋にゴキがいたらなんの迷いもなく「殺!」となるわたしの思考だけど、
猫の耳を切るような奴に、いくらゴキだからといって
いたぶりいじめ殺されていいとは思えない。

嫌われ者のゴキブリに対してなんでわたしがこんな慈悲深くなってるかというと、「ジョーズアパート」というゴキブリが活躍するミュージカル映画の所為だ。きっと。
主人公ジョーが買ったアパートはゴキブリたちの占領地となっていたことから
おこるジョーとゴキブリたちの友情物語。
ジョーの恋をゴキブリたちが応援したりネ。
なんとも汚らしくなんとも楽しい話だった。
ゴキブリたちが歌っておどるミュージカルってことがもうバカすぎて。

だからといってゴキブリ殺さないこわくないわけではないんだけどね。


2002年08月01日(木) 稲妻よ その瞬きに捕まえてパンツ脱がせて臍かくさないで

 
「前略
  Mr.Thunder(和名を神鳴り様)
  今宵輝けるユ−に恋しております。
                     かしこ

 追伸
  わたくしのおヘソよかったら差し上げます。」


びゅーちふる。びゅーちふる。
ゴロゴロ鳴っていたら怖いけど、
昨日のも今日のも音ナシでピカッとするだけだから
なんだか凄みのある美しさ。
花火も負けるわ。


大林宣彦監督「ふたり」の、第九を聴きにいくシーン思い出した。
第九鳴り響くなか「姉は死にました。」と告げ
なぜか失神してしまうエキセントリックな石田ひかりよ。
尾美としのりに抱かれて目覚めたいと暗がりで夢みるスクリーン


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