*
No-Mark Stall *




IndexPastNew
設定メモ。 | 2008年01月31日(木)
自分メモ。外見とか性格の話。

・アマーリエ。
薄い金色の髪。栄養状態悪いので髪の量は少ない方。赤にも青にも寄らない淡い紫の目。
前述の理由で小柄で痩せぎす。つまり貧乳。
顔立ちは良くも悪くもといった感じですが目の色が印象的なせいか評価はそこまで悪くはない。
珍しい目の色を興味本位で眺められるのが嫌なので基本俯きがち。しかし好奇心は強いので一度目が合うとじーっと覗き込んでくる。
内弁慶な上にこうと思ったら他のことが目に入らなくなる猪突猛進型。理解力がないわけではないというか単にテンパりやすい性質。
諦めは早いけど気に障る言い方をされると途端に強情になる。

・ツィレル。
黒髪。肩につくかつかないかくらいの長さで後ろで結ってることが多い。特に前髪は伸ばしっぱなしで半ば簾。海のような群青の目。
どちらかといえば細身。重い本をよく持つせいか腕力はそこそこある。背丈はちょっと小柄気味。
童顔だけど目に力があるので初対面だと敬遠されがち。わざと相手に理解されにくい話し方をすることがある。
自分はひねくれてると思ってるけど思ってるほどひねてはいない。面倒見も悪くない。けど意地悪で実は悪戯好き。

*

・ライヒアルト。
肋骨終わりくらいまでの長さのほぼ白髪本人曰く銀髪。赤いリボンでよくひとつに結わえている。琥珀色の瞳。
中肉中背。筋肉はあんまりないというか虚弱体質の気がある。
ちょっと女性的な顔立ちのえらい美人さん。ついでに美声。自分の顔の使い方はよく知っているがそれが身内に対しても有効なことは忘れている。
傲慢マイペース、皮肉で俺様な物言いをする上やたら頭が回るぶっちゃけ嫌なやつ。足元をすくわれることはないがしかし身内には甘い。子供も好き。冷血人間と思われていて自分でもそう思っているがそうでもない。根に持つとしつこい。

・ヨルハ。
腰ぐらいまでの深緑の髪を白いでかいリボンでポニーテールにしている。瞳は灰色。
標準的な身長体重、胸はそこそこある。顔立ちはそれなりに良いが性格のせいか友達止まりが多くてモテてはいない。
責任感は強いけれど自分の大事なもの以外に対してはドライ。どうでもいいが故に人当たりは良い。人間関係の構築については半ば諦めている節もあり、ある意味「強くて脆い」の典型。

*

・コーネリア。
焦げ茶を少しだけ明るくしたような色の波打つ髪。腰くらい。瞳は金色がかった翠色。
中肉中背、胸はヨルハよりちょっと少ないぐらい。Cかなぁ。田舎育ちなので体力とか筋力の数値は結構高い。
容貌は上の下。街中にいたらときどきナンパされるレベル。
若干人見知りの気があるものの、基本的には女の子らしい女の子。ただし自分の大切なひとに対しての執着心が強くその辺の地雷をつつくと大変なことになる。怒らせるな危険。

・エシィ。
若干緑がかった薄茶の髪。肩辺りで紐でぐるぐる縛って鎖骨すぎくらいまである。目の色は今ちょっと出てこない(…)。視力が失われているせいもあって両目はぐるぐる包帯巻きされてる。
背は高い方で筋肉もしっかり。しかし最近現場から離れているせいで若干衰えている。
あっさりした顔立ちだけれども立ち居振る舞いや雰囲気などの言動が良いので結構モテる。
穏やかな好青年と書いて本音と建前を使い分ける名人。けれど基本的に善人。怒らせると怖いひと。恋人に対しては少しやきもち焼き。
律。 | 2008年01月07日(月)
「律という言葉を聞いたことはある?」
「そういうのにあたしがまっったく縁がないって知ってて言ってる?」
机の上に積まれていた本と紙の山をぞんさいに寄せて空間を作っていた彼はその言葉に肩を竦めた。
「まぁ言ってるけど。何ていえば良いのかな、僕なんかは教えられる前に感覚で理解してるから説明しにくいんだけど、要はモノの方程式みたいなものだよ。一に二を足したら三になるとか、水をかければ火は消えるとか、そういう世界の『法則』を僕らは『律』と呼んでる」
「頭の良いひとたちって難しい言い方好きよね」
手渡されたカップに口をつけながら、アマーリエは軽く唇を尖らせる。噛み砕かれたのであろう言葉は理解できないわけではないが、学問と無縁の生活を送ってきた身としてはどうしても拒否感を拭いきれない。
そんな彼女に呆れるでもなく慰めるでもなくツィレルは説明を再開する。
「続きいくよ。で、僕らの使う魔法……まぁ普通は印術って言うんだけどその辺の違いは今はおいといて、っていうのはこの律を弄ることだ。ここまでは問題ないよね?」
「うん」
紅茶をくーっと一息で飲み干し、隣に控えていた妖精にお代わりを要求しながらアマーリエはぞんざいに頷いた。
「勿論人間にもこの律は存在する。基本的にはだれも同じ律だ」
「まぁヒトによって違ったら神殿は商売上がったりよね、それぞれに合わせてお守りとか作るわけにもいかないし」
「微妙に現実的な視線からのご意見ありがとう。で、ここからが問題だ。人間は基本的にには同じ律。ということは?」
「例外があるって言いたいのね? 正直まわりくどい」
「……まぁ当然、人間を構成する要素は肉体だけじゃないからね。物質的な律の他に、目に見えない精神としてのかたち――律が存在する」
自分の手元のカップを揺らしつつ、ツィレルは淡々と説明を続ける。
「律って複数持ってたら矛盾したりはしないの?」
「君って頭良いんだかバカなんだか分からないよね。肉体と精神、両方でひとつの人間を形作るわけだから影響はしあうけど、作用するモノが違うから心配は要らない」
「で、その精神の方の律がどう問題なのよ?」
「基本的にこっちの律――特別にこれには『心律』って名前が付けられてるんだけど、これは個人で違うのか、それとも肉体側の律と同じように皆同じなのか正直なところ分かってない。今のところ一番有力なのは基本形の心律があって、それを微妙に変形させた個々の心律があるんじゃないかってところかな」
お茶請けのクッキーを手に取り、彼女はふぅんとやる気のなさそうな相槌を打つ。面倒なのはこちらもだと言わんばかりのしかめ面でツィレルも菓子をかじった。
「そういうわけで、心律は下手に弄ると何がどうなるか分からないという理由から基本的に精神に作用する術は禁止されてる」
「基本的に?」
「基本的に。僕も心律弄るのは嫌いなんだよね」
「ツィレルの好みはどうでもいいけど、それで本題は?」
ぱきんと小気味の良い音を立てて割れるクッキーをむさぼる少女に、彼は胡乱げな眼差しを向けた。

「……君、自分が何されたか分かってる?」
「えー? 売られて買われてしつけられて放り出されて拾われた?」
「またあっさり言うね。じゃあもう一度説明します。君は精神を弄られてここにやってきました。心律は下手に手を加えると何が起こるか分かりません。さて、この二つの事実から推測できることは?」
澄ました顔で紅茶をすする彼にじっと視線を向け、心底嫌そうな顔で彼女は呟いた。

「……それってつまり、あたしの心律とやらに異常があるってこと?」
「よくできました」

******

設定煮詰めてますぐつぐつ。
図形を使って術を云々という設定は失敗したなーと思いますが他の世界での魔法とあまり被らせるのも嫌なのでこのまま突っ走る気でいます。どこまでいけるか。

後日談の話もまとまりつつあるんですが前の話に手直ししないとどうにもならない状況です。ああああ自分のアホ。
唐突な宣告。 | 2008年01月03日(木)
「……結婚、ですか」
書斎机の向こうに見える優しげな相貌の父を渋い顔で見返し、彼女はその言葉を静かに反駁した。そうだとも、と微笑みを崩さず老いた父は頷く。
「……今更嫁き遅れの私をもらってくださるようなものず……寛大な方がいらっしゃるとも思えないのですが」
「嫁き遅れといってもまだ二十だろう、心配はいらない」
のんびりとしたその口調に苛立ちを隠せないのか、彼女は指先で机をこつこつと叩く。
「弟のことはいかがなさるおつもりですか。まだ三つでしょう」
「大丈夫、あの子が成人するまで私は長生きするつもりだし、万が一の際はお前の夫となる方が引き受けてくださると仰っていた」
「ですが」
「これで私も安心できる」
更に言い募ろうとした彼女の言葉をそう遮り、穏やかな眼差しが娘をじっと見つめる。
その見透かすような鳶色を前には何を言っても無駄だと悟ったアデルは小さく溜息をついて「分かりました」と頷いた。
「そうか。よかった、よかった」
にこにこと笑う顔を前に、これで良いのだと彼女は自分に言い聞かせる。
突然の縁談に対する動揺は未だ収まらない。
一生を独り身で過ごす覚悟を決めた途端のどんでん返しだ、神に恨み言のひとつでも言いたくなるのももっともなことだろうと扇でさっと口元を隠して父に半ば背を向け、彼女は自らが知る限りもっとも酷い罵言を唇だけで呟いた。
そうして気を取り直して振り返り、出来うる限りの笑顔で彼に問いただす。
「夫となる方がどのような人物なのかお聞きしても?」
「うむ。気になるだろうと思って今晩の食事にお招きしておいた」
伸ばし始めた白いあご髭を撫ぜ、父はそんなことを笑顔でのたまった。
ぴきりと一瞬固まった彼女は、しかし三つ深呼吸をする間に先ほど以上に澄ました微笑を浮かべた。

「……そう、そう、そうですか。分かりました。ありがとうございます。相手の方のお名前とお年とだけでも教えていただけますか」
「相変わらずアデルはせっかちだ。お隣のヴェストベリのご長子殿だよ、あとはお前も分かるだろう」
「ええ。私よりも幾つか年上の、金髪の方でしたわね」
それでは支度を致しますので失礼しますと優雅に礼を述べて退席を果たしたアデルは、自室に戻って扇で机を思い切りぶったたいた。

「ああもうあのタヌキ……! 女が戦装束調えるのに一体どれほど時間かけると思ってるの! 数時間で済むわけないじゃない男とは違うんだから! 何よ当日いきなり夕飯に婚約者招くとか! 婚約者の存在すら今日初めて知らされたっていうのに!知らないよりはマシだけどそういうことはもっと早くに言え! あああああもう!」
きいいいい、と叫びながらびしばし壁を扇で打ち据える令嬢を、しかし部屋付きの侍女は平然として見守る。
「お嬢さま。お怒りももっともですが、ご夕食まであと三時間ほどですが」
途端ぴたりと音は止み、父によく似た優しげな微笑を口元にたたえてアデルは振り返る。
「そうね。エリー、この前仕立て上げたばかりの服があったと思うのだけど、あれに合わせる髪飾りは何が良いかしら?」
「それでしたらこちらや、あとこちらの新しくおつくりになったものなどがよろしいかと」
主人の行動をよく理解している彼女は、既に準備してあった飾りの幾つかを冷静に指し示す。
「さすがはエリーね。着替えるから手伝ってちょうだい」
「かしこまりました」

*

前に書いたツンデレ夫婦、出会い編冒頭。
written by MitukiHome
since 2002.03.30