英国留学生活

2003年04月30日(水) 我が声は剣に在り

キュレイターのリズと、ボランティア・オーガナイザーのブリジットの
2人とミーティングがあったためか、奇妙に疲れた。
今、各オブジェクトごとに、そのバックグラウンドや、
オーラルヒストリー(口伝?)、
ハンドリングに際しての注意点などを記入した、カードを作っている。
その、バックグラウンドのリサーチも中々に時間がかかるのだが、
それ以上に、やはり情報の取捨選択と、どのように書くかが難しい。
私の英語力は矢張り偏っていて、子供が知っているような単語を
知らないことも勿論多いのだが、専門分野に引っかかる単語は、
難しい言葉を使っているらしい。
ただ、それを平易な文章で書けといわれるのも、意外に難しい。
違う単語への置き換えが、上手くできないというか、意味が違って
きてしまうような気がするのだ。

ブリタニア、というイギリスの守護女神の説明文が、趣味の分野
だったので、つい力が入ってしまって、アテナから説明してしまった。
ギリシャの女神アテナがローマ神話のミネルヴァになって、
バースの泉の女神スリス(ケルト神話の湖の貴婦人や、泉の守護女神の
名残の総体的な神格で、確固とした一個の神格ではないと思われる)
と融合して、ローマが去ったあとに、ブリテンの守護神になったのだけど。
こういうのは、突っ込みだすと面白いからきりが無い。

友人が持っていた、左に古英語、右に現代英語で書かれた
シェークスピアシリーズの
「真夏の夜の夢」と「マクベス」を買った。(アメリカの本らしい)
勿論、日本語で読んでいるから内容はわかっているけれど、
以前は古英語はわからないところは適当に読み流していたので、
ああ、こういう意味だったのかと思うところも多々ある。
しかし、現代英語にしただけでなく平易にし過ぎな気がする箇所もあって。
例えばマクダフの
"I have no words, my voice is in my sword."が
"I have no words for you. My sword will speak for me."
になっているとか。
いや、そこまで言わなくてもわかるし。



2003年04月26日(土) ダンス・オブ・デス

ロンドン出稼ぎ仲間とともに、ダンス・オブ・デスを観てきた。
アンジェラが、「ロンドンにいる間にミュージカルかオペラに行かない?」
というので、
「私、ダンス・オブ・デスという芝居(にでているじいさま)が
観たいんだけど」
といったら、快く一緒に行ってくれたのだ。
結局来られないと言っていたアラスダー(←ショーン・ファン)も
来た。
今日は、席が空いていたらしく、
バルコニーのチケットだったのに、ストールの
O列にまわしてくれた。結局、スタンバイよりもお得なかんじだ。

感想は、別枠にかくつもりなのだけれど、とりあえずマクベス夫妻よりも
ある意味いっちゃっている夫婦でした。さすがじいさま。
後味がいい話ではないけれど、最後のエドガーの台詞には妙に感動した。
人生ってそんなものなのかもしれない。
ふと、マクベスの「私は血の中へ、かくも深く踏み入れてしまったからには、
渡りきるより仕方あるまい。今更、行くも戻るも道程は、
うんざりすることに変わりはない。」を思い出した。
一応、一緒に行った二人も面白いといってくれたし。
ただ、観光客が観るには余りお勧めしない。
一日楽しく観光して、夜にこんなもの観たらどっと疲れるわ、という感じだ。

ところで、パンフレットに載っている若き日のサー・イアンのマクベスが、
かなりかっこいいと思うのですが。観たかった。無理だけど。
それから、パンフレットについてきた"theatregoer"に、
"the starcatch"というタイトルで、ソニア・フリードマンという人の記事が
載っていた。彼女はアンバサダーシアターの一部門の人で、
「マドンナ、ウッディ・ハレルソン、ショーン・ビーン、そして
ジリアン・アンダーソンをウェスト・エンドに連れてきた人」らしい。
つまりカイルの"On an average day"やショーンの"Macbeth"を観られたのは、
多分に、この人のおかげという−。
ありがとうございます、これからも頑張ってください。
それにしても、
"..., a sexy Macbeth with Sean Bean"って、相変わらずセクシーという
枕詞が付くのね、ショーン・ビーン。



2003年04月24日(木) O, horror, horror...

明日で、スクール・オーガナイザーのジャックが辞めるので、
今日は仕事帰りにパブに行った。
イギリス人は、一気にビールを飲み干さない→
ゆっくりちびちび呑む。とガイドブックなんかに書いてあるけど。
1時間で2パイント飲み干すのは、速度的にのんびりかな?
(1.14リットル)
自分があまり飲むほうじゃないから、よくわからないけど。

むかーし。「酔っ払う」という単語がわからなくて、イギリス人に
「ほら、例えば10パイントビール飲んだら、貴方はどうなる?」
ときいたら、
"? Nothing happen."(どうもならないけど?)
と言われた。あっそう。

今日のメトロ。
"Patient's Patience"(患者の忍耐)
「私が担当医の病院に、予約を取る為に電話をして話したことといえば、
5月8日までは何もできないということだけ。つまり、15日待ち。
これって記録的?」 モーリーン・モリス、ロンドン、SE1
"O, horror, horror, horror!"(←マクダフ風に)



2003年04月23日(水) Intelligence giant

メトロのUrban Life というコーナーで
読者の意見のリサーチをするらしいのだが。
「ジョージ・ブッシュは世界の意志を驚異的に掌握した、知的な巨人だ。
トニー・ブレアは、明らかに国内問題に関心を抱いている。
(中略)
テレビ番組フレンズは、遥か昔に打ち切られているべきだった。
完全に的を射た議論だと思わないか?
そうだな、OK、おそらく誰も思わないだろう。」
という書き出しにちょっと笑った。ブッシュよ・・・。

それと、60才の英国人女性が17時間のシンガポールでのストップオーバーで、
Sarsにかかったそうだ。
彼女は「ロード・オブ・ザ・リングス・ニュージーランドツアー」に
参加していたのだとか。お大事に。
そう言えば、私は12月にウォーターストーンズのニュージーランドツアー
の懸賞に応募していたのだけれど、外れていたんだね。忘れていたけど。
因みに質問は、「ボロミアの兄弟は誰か?」だった。
こういうのは、もうちょっと捻りを入れた問題にすべきだと思うわ。
「エオサインの妹は、誰か?」とか。



2003年04月22日(火) Far away

週末に、クラスメートと共にダンス・オブ・デスを観に行くので、
今日は人に会うついでに、窓口でチケットを買ってきた。
一番安いチケットを、というので12.50ポンドのを頼むと、
「スタンバイ・チケットで、多分当日に20ポンドで、
J辺りの席に座れると思うよ。」
「わしを誘惑せんでくれ!」
(スタンバイ=開演一時間前に買える学生割引チケット。
運がいいとかなりいい席に座れる)
とりあえず、誘惑に打克って当初の予定通りに買う。
窓口のおじさんが、なぜかとってもフレンドリーで、
サインをしたら名前の全部の漢字の説明をさせられた。

昔のクラスメートにあって、夕飯を食べる。日本食。
彼女は今は英語コースにいて、来年ファウンデーションコースに行く。
元々広告代理店に勤めていて、デザインを勉強しに来ている。
今は、勉強がさほど忙しくないので、ばりばりバイトしているらしい。
がんばるなあ。
メインの目的は、学校の勉強よりもむしろ、こちらでのデザイン関係の
バイトで経験値をつむことらしい。
でも、例えバイトであっても中々難しい。こっちで仕事するのは。

彼女は今は、ニュークロスというところの大学の寮に入っているのだが、
中々、キングスクロスよりも危険かもしれない地域である。
「でもね、ニュークロスって言っても、みんな余りわからないでしょう?
だから、グリニッジの近くって言っているの。」
Kちゃん・・・それは嘘ではないけど・・・詐欺っちい。

しかし、ロンドンでは本当に隣り合わせの駅が高級住宅地と
危険地帯だったりするので、侮れない。
ハイゲートは閑静な住宅街だけど、
隣のアーチウェイはドラッグエリアだったり。
ハムステッド・ヒース周辺はセレブ達も住む高級住宅街で、
駅としてはハムステッドや
ベルサイズパーク、フィンチリーなどが相当するけれど、
ちょっと北に行った、キルバーンは危ないという。
ついでに日本人とユダヤ人が多く住む、
ゴールダーズ・グリーンは安全な住宅街だが、
ゾーン3とは思えないほど、家賃が高い。
それプラス、セントラルに出てくる交通費を
払えるのだから、駐在員は待遇がいいのだなあと思う。
彼女が寮を出るらしいので、そんな話を延々していたけど。
私たちも思えば遠くに来たもんだ。(←中学一年の時のクラスメート)



2003年04月18日(金) グッド・フライデー

修論のため(多分)、レスターへ帰還。
朝、理論上は30分でつくキングスクロス・セントパンクラスへ
1時間前にでたら、40分でついた。
おお、なんだどうしたんだ、Good Job!と思っていたら、
セント・パンクラスで、私が乗る一つ前のシェフィールド行きの
列車が既に遅れていた・・・やっぱりね。
(レスターへはロンドンからシェフィールド行きにのる。
約半分の道程)

あれほど頻繁にエンジニアリング・ワークスのチェックをしていて、
なぜ毎回遅れるんだろう?
今、キングス・クロスはRedevelopmentの最中で、
以前、ロンドンでの家探しに出てきたときは、
ディストリクト、サークル、ハマースミス&メトロポリタン、
ベイカールーがそのために止まっていて、(1週間)、
それとは無関係に更に、シティ&ウォータールーとセントラルが
止まっていた。
もうそりゃあ眼を見張るばかりに、再開発されるんだろうな、
と思っている。
ドックランズレイルも、地球の歩き方なんかを読んでいると、
近未来の全自動制御みたいなことがかかれているが、
よく変なところで止まっては、職員がコンソールパネルを
開いて、動かしている。

それはともかく。
レスターの博物館で働いている台湾人のクラスメートに会って、
夕食を食べにでる。
本当に外食するところないな・・・レスター。
基本的に、パブとファーストフード系である。
結局、ヌードルバーに行った。
と言うよりも、中華大衆食堂という感じで、
どうみても店のキャラクターが、出前一丁の男の子である。
彼女は収蔵品のコンディションチェックをしている
らしいのだが、矢張りボキャブラリーが貧困で苦労しているらしい。
大変よね、色々。




2003年04月17日(木) イベント二日目

イースターイベントの二日目。
今日も大変いい天気。一体どうしたのだ、ロンドン。
例年と比べて破格に降水量が少なくないだろうか?
矢張り天気がいいと、旅立ちたくなる。
天気があまりに良いと、逆に博物館の集客率が落ちるので、
善し悪しなのだけれど。

そして朝のうちは本当にビジターがこなくて静かだった。
11時ごろから、団体客が入りだして、そりゃあもう。
今日のワークショップは、春の絵を描こうというもの。
やっぱりインクを使うので、子供らにエプロンを着せてやるのだが、
何なんだ、この複雑怪奇な固結びは。
もうちょっと、後のことも考えたほうがよろしいかと。
そして、足りなくなった画用紙を切ったり、水を取り替えたりしている
私の傍らで、子供と一緒に絵を書いているボランティアのコリン。
一緒になって遊ぶなー。手伝えー。

お昼に15分だけ休憩。
同じく、ワークエクスペリエンスできている、ウェストミンスターの
学生と一緒に食べる。
彼女の専攻は、ヴィジュアル・カルチャー。
修論はデヴィッド・リンチらしい。
「知ってる?」
「ツイン・ピークスの監督でしょ?
私去年、カイルのお芝居をウェスト・エンドで観たわ。」
「カイルねー。信じられる?彼が42歳だなんて。
何時までも若くてハンサムよねー。」
でも一時期ゴシック・ホラーな顔していたよ。
あの黒ずんでいた涙袋はどうしたんだろう?
舞台に立つに当たってまた若返ったような気がするよ。
友人は、「彼の美容法(涙袋除去)を売ったら、絶対儲かるって!」
と言っていたけど。

午後に、イベントの合間を縫って、メールチェック。
ヴィクトリア時代の写真捜索依頼を出していた、
ロンドン博物館写真部のチーフから、返事が来ていた。
「来週は、私バケーションなの、手伝えないわ、ごめんね」
なにー!休暇に当たって、他の人に業務の引継ぎとか、
しないのか!?
・・・しないんだろうな。

帰りに、ガーベラを貰った。
花瓶が無いので、ペリエの空き瓶に挿して飾っておく。



2003年04月16日(水) 庶民派マクダフ

博物館の帰りに、買い物をしようとセントラルに出て行き、
プレタ・マンジェで、コーヒーを飲んでいると。
・・・どうも、目の前の窓際のカウンターに座って、
レモンジュース飲んでいる人の横顔が、マクダフに見えるのだが・・・。
振り向いた彼と、眼が会った。あ、やっぱり。

"Is something...?"
"Are you MacDuff?"
いや、落ち着け自分。
"Did you play MacDuff?"
"Yes, Yes. Anyway, I'm Mark, nice to meet you."
すごく嬉しそうに頷いて、わざわざこっちのテーブルに来てくれた。
気さくだな・・・。なんと言ってもプレタ・マンジェだしな・・・。
劇場のこととか、ショーンのこととか、
今の仕事のこととかを少し話して去っていった。
"I'm really glad to meet you."
と何度も言ってくれたが、いえいえこちらこそ。
マクダフ嫌いだった私が、
「まあ、そんな主君だけどこれからも頑張って。
むしろ簒奪してもよくってよ。」と思ったのは、彼の
"He has no children!"のおかげだと思うし。

マクダフのインパクトで薄れてしまったが、
今日はイースター向け特別イベントが、博物館で開始された日で、
すごく忙しかった。
最初の子供たちがきたときに、傍らでスタッフ達が、
"They're coming.", "So, it begins."
と言っていて、おいおいどこかで聞いた台詞だな、そんなに大変なのか、
と密かに慄いた。
目がまわるほど忙しくは無かったが、やはりなれない仕事なので、
かなり疲れた。
ワークショップの手伝いがメインだったのだが、
今日はチャイニーズ・カリグラフィー(習字)だった。



2003年04月14日(月) じゃじゃ馬慣らし

朝、ガスマスク使用の問題点が発覚。Asbestus(石綿布)が、
Safety&Healthに引っかかるらしい。キューレイターのリズに
聞いてみたが、彼女も専門のコンサベーター(保存家?)ではないので、
帝国戦争博物館に問い合わせをしたところ、
矢張り除去作業が必要と言うことで、
ロンドン博物館のコンサベーターに連絡、するとシニア・コンサベーター
聞いてみるという。はっきり言ってポイントはコストだ。

今日は、午前中に博物館の近くの図書館に再び行ったら、
ローカル・ヒストリー部門は今日はお休みだった。
今回は自分の担当のプロジェクト用の、Blitz(ロンドン大空襲)や
ガスマスク装着や、ドック・ワーカーたちの写真をスキャンしようと思って
いたのに。
今週は、イースターの子供たち用のイベントがあるから、
余り時間が取れないのだ。
普通の書架で、ローカルヒストリーの調べ物をしていたが、
余りはかばかしくないので、電話で許可を取って、
大英博のリーディングルームに向かった。

途中、偶然にクラスメート(日本人)に会う。
偉い僻地に行ったと聞いていたので、どうしたのかと聞くと、
土・日に出勤したので、振替休日だからロンドンに出てきたという。
「村にはねえ、ガソリンスタンドと、食料雑貨屋とパブしかないのよ。」
そりゃまた見事な。
どんな仕事をしているのかを互いに少し話をして、
「私の所は、割と地域の皆様に慣れ親しんでいる感じですね。」
と言うと、
「私のところなんか、野生馬に慣れ親しんじゃっているわよ。」
・・・いいじゃないですか、じゃじゃ馬慣らしということで。
きっと得がたい英国生活の思い出となるでしょう。なんて、人事。
乗馬したいな、真面目に。

コーヒー屋の前で、麻のような小さな袋にいれて豆を売っていたので、
ふと思い立って、中に入ってお店の人に聞いてみた。
「店頭の小さい袋入りの豆っていくら?」
「あれは売っていないの。袋は大きいのしかないわ。」
大きいのは買えん。実はハンドリング・オブジェクトのティーサンプラーの
実演に使えないかと思ったのだ。要は、袋だけ欲しい。
「大きいのは、買えないと思うんだけど。」
「もしかして袋が欲しいの?」
「そう。袋だけ売ってくれる?いくら?」
「あらやだ、ただでいいわよ。」
貴女、いい人ね、今度豆買いに来るからね。

お馴染みのリーディングルームで、今日は素材別のハンドリングの際の
注意点を調べる。
ついでに石綿布についても調べたのだけど、防火素材ということぐらいで、
リスクについてはわからなかった。
それと、写真!色々な種類があって、それぞれ留意点が異なるのだが、
私には、鑑定ができん・・・むー。
閉館後に向かいの、古書屋に行って、修論用に19世紀の展覧会の
本やカタログを見てみたんだけど、やっぱり良さそうなものは高いなあ。



2003年04月12日(土) ヒーロー症候群

今日は、大英博に調べものに行ったら、また反戦デモが行われていた。
というより、日本語でメール出したい人がいたので、
(一度彼に英語で出して、誤解を生じさせたことがあるので)
ピカデリーのジャパン・センターのネットカフェ
(とても高い。1時間4ポンド)に行ったら、遭遇したのだ。
カールトン・ハウスの方から、ピカデリーのエロスの像の角を曲がり、
グリーンパークの方へ向かっていった。

数多くの民族が参加していて、日本人も日本語で参加していた。
イスラム教圏の人が参加しているのは、当然なんだけれども。
両手を無くしたアリ君の写真が、矢張り目立っていた。
あとは、社会主義とか、労働党は戦争に反対しろ、とか
政党関係の横断幕も見受けられた。
面白いと思ったのは、"No, Sick of Heroism"
確かに、現実世界でヒロイズムに酔うのは怖いことだ。
そもそも、民主主義とヒロイズムは余り並び立たないと思うのだが。
まあ、私は虚構の世界でヒロイズムに酔っているけど。

警察官に事前に聞いた所、1時から2時ごろの予定だ、といっていたが、
少なくても、3時ごろまではピカデリーの辺りで行進が行われていたので、
予定より多くの参加者がいたのだろうか?

ウォーター・ストーンズ(本屋)で、指輪物語の詩集を買った。
アラン・リー氏のイラスト。私はこの人のイラストを、持っていなかったし。
Man in the Moonの挿絵がすごくかわいい。
やっぱり、馳夫さんの謎歌とビルボの歌が好きだ。
"Walking Song"の、"Still around the corner there may wait,
A new road or a secret gate,"を読むと旅立ちたくなるし、
映画を見た後だと、ボロミアへの哀歌も泣ける。
「ゆきてかえりし物語」の中で、彼は故郷に帰れなかったんだね、と思うと。
ロンドン大学の敷地内、Gower Streetのウォーターストーンズの
指輪関連の品揃えは、中々よいと思います。

因みに、現在のウォーターストーンズのベストセラーの第10位は、
"Sharpe's Havoc"、ハードカバー、作者サイン付き、£3引き、です。



2003年04月06日(日) ムショ帰りな彼

今日は、ボンド・ストリートの日系の美容院に行って、髪を切りすぎてきた。
いつも思うのだが、
「カット、これでよろしいですか?」
「あと1cm長くお願いします。」
とか、言われることは無いのだろうか?

その後、大英博物館に行く。
友の会の更新をして、
リーディングルームで調べ物をしようとしたのだけれど、
丁度、250周年記念の特別イベントで、
ハンドリング・オブジェクトセッションが、
行われていたので、見に行った。
ギリシャの黒絵の壷とか、ソロモン諸島の貝の釣り針とか、
ウルのタブレットとか、さすが大英博物館。
ハンス・スローンのコレクションではないが、
初期のコレクションから出してきているらしい。"Cabinet of curiosity"
ウルの専門家らしい人やってきて、
連れにタブレットの説明をし始める辺りも、大英博らしいというか。

しかし、私が鑑賞者にどんな注意をしているのかを聞いている時に、
一人がギリシャのコインをぼとり、と落とすのを目撃してしまった。
スタッフが、ぎゃああという顔になった。
まあ、勉強になりますな。

友人と落ち合って、ハーゲンダッツでお茶をしていた時に、
日本に送る某俳優の写真を、彼に見せた。
「あ・・・っ。ムショ帰り。」
コノヤロ。
そうですか、やっぱり人相悪いですか、悪人面ですか。
確かにテロリストだったり、誘拐犯だったり、貧民街上がりの兵士だったり、
マクベスだったりしたけど!

そのあと、一人で、大英博の「飾り」という展覧会を見た。
安土桃山から、江戸にかけての装飾品の展示だ。
日本関係の展示は、それ自体と共に、キャプションの説明文が、
気になるのだ。
今回は「遊女」をWomanと訳している部分と
Courtesanと訳している部分があって、
何でだろう?と思った。
あと、新興大名は、New Militaly Eliteか。
展覧会ではないけれど、V&Aで買った俳句の本で、
陰陽師が、Fortune Teller になっていたのをみて、そりゃ違うだろう、
と思った。


 < auld lang syne  INDEX  retro future>


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