英国留学生活

2003年03月25日(火) V&A再び

2日目
午前中は、再びヴィクトリア&アルバート美術館へ。
ハンドリングのプロジェクトに関係しているということで、Reminiscence box
(Renaissanceと、すぐにスペルが混ざる・・・)というものを、ボランティアの人と見に行く。
古い写真をボードに挟んだものを、箱に入れているわけだが、(寄贈者の話や写真も込み)
結構ボランティアの年配の方は、楽しそうに昔話をしていた。
ただ、やっぱり「写真の表面には触らないでください」と言っても、
触っちゃうんだね。
プロジェクトを推進した人と、レストラン奥の小部屋でコーヒーを飲みながら、
話を聞く。
この部屋、壁の絵がフェイクになっていて、絵の額縁を立体に見せようとするのは、
良くあるけれど、笑ったのが、非常口(Fire door)の対の部分にもう一つ、
扉の絵があって、"False door"と書かれていたこと。
こういうこと好きだよな、この国の人たち。

午後は、過去の来館者のコメントや行動曲線の資料を見る。
かなり見事にばらけていて、まとめ辛い。
そして、今日はフランスの学生が団体で来ていた。
またショップの手伝いをしたのだけれど、
"Can I ask xxxxx xxxx xxxxxx ?"
あの、殆どフランス語なんだけど。わかりません。
一緒にいた博物館のスタッフも苦手らしく、
「イギリスの外国語教育は実践的でなくてだめなんだよね。」
「うちの国もそうですよ。」
という話になった。どこの国でも同じことを言うものなんだろうか?

彼の専攻は、アングロ・サクソン時代の考古学だというので、
「もしかして、サットン・フーの発掘に参加しました?」
と聞いたら、
「いや。でも、大英博のサットン・フーの遺物を見て、
考古学を勉強しようと思ったんだよ。」
おお。
「アンジェラ(この研究の第1人者)は近所に住んでたよ。彼女の子供と
同じ学校に行っていた。」
ローカルだなあ。



2003年03月24日(月) new devilry

初日。

まずはこの博物館(The Ragged School Museum)でメインに行っている、
教育プログラム見学。
ここは、ヴィクトリア時代に篤志家がストリート・キッズに
教育を施したところから、始まっているので、
ヴィクトリアから現代までの地域の歴史がメインテーマだ。
とにかく、貧しいらしいので、ボランティアが重要ポイントだ。
しかし、ここはイースト・エンド。
地元ボランティアの方にまくし立てられると、
コックニーが聞き取れなくて、正直辛い。笑ってごまかす。
(←ごまかすな。)

ヴィクトリア時代の服装をした、ミス・パーキンス(偽名)が、
ヴィクトリア時代の
授業を行う。細い眼鏡に、ひっつめ髪、当然手には鞭。
ジェーン・エアとか、赤毛のアンとかが思い出される。
子供らも何人かは、ヴィクトリア時代のこ汚い衣装を着て授業を受けている。
ホームズのイレギュラーズはこんな感じなのだろう。
そのあと、ヴィクトリア時代のキッチンを再現した部屋に移り、
ボランティアの人にヴィクトリア時代の話を聞く。
勿論、生きていた人はいないが、
自分の小さい頃の話や、祖父母に聞いた話なども織り交ぜて話すので面白い。

午後は私のプロジェクトの説明を、ディレクターのターラ
から受ける。名前といい、赤毛緑眼の容貌といいアイルランド系かな?
小さいギャラリーで行う、ハンドリング・オブジェクトの計画と、
そのボランティアスタッフへのトレーニングが、
この2ヶ月の私のメインの仕事だ。
ギャラリーの展示品のテーマをざっと把握して、幾つかのテーマを立てる。
収蔵品の確認は後日、キューレーターのリズから
ドキュメンテーション・システムの使い方を聞いてから。
午後は最後は、ミュージアム・ショップの手伝いをした。

台風一過・・・。What is this new devilry?



2003年03月23日(日) フライパンと毛布

先週は体調を崩していて、口頭試験を受けなかったので、
留年するかもしれないと言うことで、日本に帰ってしまおうかなーと
まで思ったが、授業料を全期前納しているので、やめた。
グループワークも自分のパートは終わらせていたが、フィードバックに
参加しなかったので、本当にみんなに悪かったなと落ち込んだ。
やれやれ。
結局、担当の先生が今、ホリデーでウィーンに行っているようなので、
どうなるのかがわからないのだけれど、気が重い。
何とか今年度中にリカバーできればよいのだが。

で、今日はロンドンへ引越し。
毛布や鍋や食料担いで歩いているとサムみたい!と自分を慰めておく。
2ヶ月間イーストエンドの博物館で働く為。
ジャパンセンターという所の掲示板で、見つけた物件に決めた。
2ヶ月借りるなんて、普通は無理だ。
去年、ロンドンの寮に入る前に1ヶ月住む所を探したが、
日系の不動産屋さんなんかは、軽くあしらわれた。
しかも、一軒紹介されたところは1ヶ月だったら、
2か月分家賃を払えといわれた。さようなら。
今回はキングスクロスの更に東、テムズのリバーサイド再開発地区だ。
ちょっとお台場に似ている感じかな。金融や新聞社の高層ビルで名高い、
カナリー・ウォーフの近くだ。
そう言えば、ドックランズ・レイルはユリカモメににているかも。
またしばらく、ネットが使えない日々だ。



2003年03月07日(金) ボロミアの横顔

この一週間は本当に映画どころか、
お花畑が見えちゃうくらいの忙しさだった。
しかも、自分に負けたりして、自己嫌悪もまたひとしお。
日々、2〜3時間睡眠だった為、昨日は思い切り寝過ごしたし。
それはもう、信じられないほどに、ええ。
朝4時にベッドに入って、起きたら昼の2時だった・・・。

とりあえず、今日のミーティングで一旦の目処はついた。
今は、グループワークでレスター市の博物館で、
地元のコミュニティーが展覧会を行う際のマニュアルというか、
ツールキットを作っているのだけれど、
どの程度アカデミックにするのか、実践的にするのかの
兼ね合いとか、博物館自体の制限とかを考慮するのが、
意外に難しくて難航した。
一応、その部分はほぼ出来上がり、来週はそれのサポート部分
として、思い切り専門的な補記をつけるのだが、
そのことは今は考えたくない・・。

で、先週から日本の友人に頼まれていた、
"The Lord of the Rings Roleplaying Game Core Book"
というのを買ってきた。(←日本ではまだでていないらしい)
私には、これの遊び方はさっぱりわからないけれど、
映画の画像がふんだんに使われていたので、つらつら眺めていた。
アップのギル=ガラドとかエレンディルとか、
ゴンドールの皆様とか、ロリエンのエルフとか
結構美味しい?と思っていたが。
"Good Words and True"というページで、
口元に手を当てて、少し濡れたような目でひたと前を見つめる
ボロミアの横顔と、半ば伏せた顔の額に拳を当てたアラゴルンが
載っているページを見て、
この見開きの為にこの本を買おうか、と一瞬血迷った。
どうも、あのシーンらしい。
"Have hope!" said Boromir,
"I am weary, but I still have some strength left,
and Aragorn too. We will bear the little folk."


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