英国留学生活

2002年11月29日(金) 失敗

シリアルを買ったら、オーウェンのトレーディングカードが
付いてきた。
去年の今頃は、指輪物語のカレンダーの応募券を集めていたけれど。
因みに今月は、森の奥方。
今年も二つの塔でやってくれないかと思っていたけど、
やってくれないようだ。

午前中は講義、午後は実験。
2週間前にやった私のグループの実験は、失敗していた。
本当は相対湿度が23パーセントになることを想定していたのに、
実際は60パーセント。
結果、何も起こらなかった。
飽和溶液になっていなかったらしい、あんなに掻き混ぜたのに。
もう一度飽和溶液を作り直して、休暇前に確認することになった。
その他に、4つほどタスクを行う。
実験は、掻き混ぜたり、振り回したりするのは好きだけど、
元々理数系が苦手で、慣れない単語が多いから、
次々とタスクのプリントを渡されると、辛い。
読むのが間に合わないんだ・・・。



2002年11月28日(木) きょーれつ・・・

日本に帰るのであれば、年賀状などというものも書いたほうが
よいのだろうかということに気がついた。
こちらでクリスマスカードを買っていく、というのも手だけど。
The Lord of the Ringsとかね。(受け取り手の好みは考慮しないらしい)

今日はまた、ゲストの先生が、セキュリティーについて講義した。
ウェストミンスター宮殿や、バルモラル宮殿のコレクションの
セキュリティーを担当しているらしい。
講義内容よりも、レクチャラーが・・・。
アメリカ人が発言したら、
「ああ、アメリカン。すまないがイングリッシュに翻訳してくれないか。」
その後、オーストラリア人が発言したら、
「君も、アメリカ人か?」
「いえ、オーストラリア人です。」
「ああ、別の植民地からか。」
東アジア訛については何も言わないのは、含む所が無いからなのか、
眼中にないであってそれ以上でも以下でもない、のかは不明。
最後に、植民地発言について謝罪したが、
「あれは、ドイツ人のユダヤ人に対する発言のようなものだった・・・
このクラスにはドイツ人が3人いるね。」
最後まで一言多い、しかも確信犯かい。



2002年11月27日(水) 帰郷

クリスマス休暇に日本に帰ります。

時期的に飛行機が混雑してたり、後色々合って、
昨日ようやく引き換えの書類が届いた。
12月16日に今ターム最後のエッセイの提出があって、それで終了。
ああ、エッセイ。まだ、何を書くかも決めていない・・・。

日本に帰ったら京都に遊びに行って、友人と従妹に会う予定。
一日は、下鴨周辺に行くことは決めているが、
もう一日はどうしようか、考え中。
やっぱりまた、嵐山・嵯峨野かな・・・。
そう言えば。10年前には境内に人影もなく、むしろ写真をとったら、
変な影が映ってしまった晴明神社も、今ではお札のバラエティも
豊富に取り揃えて、駐車場まで作ってしまう勢いだが、
嵐山の晴明の碑も、綺麗になったのだろうか?
数年前は、枯れ果てたお花が供えられていたが、
今では、もしかしたら壬生寺のようなのりになっているのかもしれない。
あと、鍵善の葛きり・都路里の栗ぜんざい・六盛茶庭のスフレ。
どれにしようかなあ。

授業にて。
"Nearly extinct Peregrine - ."
と言われて、(ぜ、絶滅に瀕したピピン・・・!)
と、一瞬思ってしまったが、Peregrine falcon = 隼のことだった。



2002年11月20日(水) BRったら・・・

今日また電車が止まっていた。
深刻な信号トラブルらしい。
昨日も止まっていたと、ロンドンから来た先生が言っていた。
先月末には、強風で北部方面全滅していたし。
いい加減にして欲しい・・・、BR。
この一ヶ月の間に、一体何度止まれば気が済むのだ。



2002年11月19日(火) 今日は満月?

午前中はキングス・カレッジから講師をお招きしての講義。
参加型博物館における、人間行動学かな。
専門はSocial Anthropologyらしい。
隠しカメラ、じゃなくって多分セキュリティーカメラだと思うのだけど、
それで録画された人々の動きを見ていると意外に楽しい。
科学博物館で、タッチパネルで質問に答えるという機械の前で、
奥さんがやっているのに、横から画面を押し捲って怒られる
旦那さんとか。
子供が間違えたら、本気でばしばし叩くお母さんとか。
おかあさん・・・いいじゃないの。

午後は「IBM講習システム入門−3日間8万5千円」という感じの
講義だった。
画像ファイルとか、CPUとか、ヘクサダンプとか
・・・ちょっと、つまらない。
昨日、疑問に思っていた、4番目のMeta Dataの質問をした。
結局、異なるタイプのDBにまたがってアクセスできる仕組みかな。
24Hours Museumのようなウェブページの場合もありうるし、
個人のPCのプログラムの場合もあるとか。(どんな言語だ?)
英国政府による基準は、博物館のDBはXMLで共有できるようにとのことで、
直接、読み込めないDBを持っている場合は、ミドルウェアを
構築しなければならないらしい。

日本はどうなっているのかな?




2002年11月18日(月) データベース構築

今日は、深い霧が立ち込めていて、一段と冷えた。
いよいよ、本格的な冬の到来か。
葉の落ちた木々のシルエットが霧の合間に透けて見えるのは、
綺麗ではあるのだけど。
4時半頃に暗くなり、5時過ぎには真夜中のような濃い闇だ。

CVの提出だったのだが、提出しに行ったら、
「ここ、アメリカン・イングリッシュになってるわよ。」
と言われた。
しまった。フォーマットをアメリカ人から貰ったから、
ワードの設定が、US英語になっていたので、一ヶ所気付かなかった。
お昼休みに、一旦家に戻ってプリントアウトしなおし。

今日の講義はITとミュージアムに関して。
主にデータベース構築。
4種類のデータベースの紹介があって、
1. Flat File
2.Relational
3,Logical Object
4.Meta Data

AccessでRelational DBを作ってみせてくれたのだけど、
アクセスでDBは作ったことがあるから、できれば他のが良かった。
4番が、良くわからないのだけど。
RDBの作成については、以前、
「−このように容量計算の結果、これとこれの情報は持たせられません。」
「そんなことないでしょう、何とかならないの?」
「ですから。物理的に不可能だと言っているじゃないですか。」
「その情報は必要なんだよ、何とかなるよ、頑張って。」
「・・・。」
(なら、ホスト・コンピューターでも背負って歩け。)
というやり取りをしたことがあり、忘れがたい思い出だ。

Logical Objectsは、例えば「Art Words 現代美術用語集」
http://www.dnp.co.jp/artscape/reference/artwords/index.html
みたいなものだと思うのだけど。
(いつもお世話になっています、このサイト。)
ちょっと作ってみようかな。



2002年11月17日(日) 遅れてきた反抗期

今日は、バゲットを買ったので、ポトフ。
でも本当は、おでんが食べたい。

本屋にて。
"The Two Towers Photo Guide"
"The Two Towers Creatures Guide"
"The Lord of the Rings: The Making of the Movie Trilogy"
が、並べておいてあったので、満遍なく立ち読み。
最後の一冊の中のアルウェンが、伏目がちな立ち姿で、
気品があって綺麗だった。
しかし、重量と金額の問題で、フォトガイドを入手。
その中に、アルウェンとエルロンドが室内で向かい合っている写真が。
「そなたにとって、ここには何もない・・・死以外には。」
というシーンなのに。
背を丸めてベッドに腰掛けて、エルロンドを見上げている為、
「夜中に説教に訪れた父親に、余裕を持って反抗する娘」みたいな、
そんな感じが。
姫様、お父上は立ってお出迎えなさいませ。
せめて、背筋は伸ばして。

来年の春に、2ヶ月博物館で働くのだが、
そのためのCV(履歴書)を書く。
アピールすることがなくて困るな・・・。
データベース構築とウェブデザイン系の仕事をする所に、
申し込もうかと思っている。
うまく、決まるといいのだけど。

壊したテーブルは半分だけ修復完了。



2002年11月15日(金) But he will not return.

今日は午前授業だったので、午後自習室へ。
金曜の午後は授業がない学生が多いのか、結構混雑していてうるさい。

FotRのEEを見て、一番感じたのは
馳夫さんとストライダーは、矢張り別人だということ。
そして、ホビットはかなり愛しいということだ。
追加映像の感想を以下、つらつらと。
Extended Editionのネタバレですので、
気にする方は回避してください。


まず、ビルボの著作から入る。「Concerning The Hobbit」
彼がホビットの説明をするのに合わせて、
ホビット庄の日常生活が映し出される。
"Wise"と書いている所で、自分で書いてて笑っている辺り可愛い。
平和と静かな生活を愛するホビットの性質がわかる。
そして、ちゃんと庭師らしいことをしているサムが見られる。

サックビル・バギンズの名がちゃんと出てきた。
訪れてきた時と、パーティーでビルボを追いかけていて、
フロドがビルボを匿う所で。
ビルボ:「本当にいい子だ、お前は。」
ええ本当にいい子ですよ、もう33だけどね。
もっときちんと別れを暗示させている(あれ、日本語が矛盾してるわ)
バギンズはUnderhillに長年住んでいて・・・と偽名の由来も出てくる。

緑竜亭で、飲んで騒ぐホビッツの様子がちゃんと出てくる。
ピピンとメリーがテーブルの上で歌う。
フロドも周りをまわりながら歌ってる?
(周りがうるさくてよく聞こえなかった。)
カウンターの向こうのロージーをおずおずと見るサム。
可愛いやつだ。

ブリーへ向かう途中で、サムが食事の支度をし、
(トマト・ベーコン・カンバーランドソーセージ。
まさか、サマセット・モームが言うように、3食イングリッシュ・
ブレックファーストなんじゃないだろうな)
フロドが木の上でパイプをふかしている所で、
フロドがWood Elfを発見。ええと、この一行は
ギルドール・イングロリオン込みということでいいのでしょうか?
その場合、ギルドールはWood Elfで良いのでしょうか?
ノルドリンのハイエルフでしたっけ?
うーん、エルフの区分は全くわからない。
サム「何故かわからないけど、彼らを見ていると哀しい」
やや、サムのエルフ好きが出ている。

ブリーから裂け谷への道程がやや長い。沼沢地帯を越えたりしていて、
丈の短いホビット達がちょっと不憫だ。
しかしメリーとフロドの会話に、原作の躍る子馬亭での会話が
アレンジされて付け加えられているが、
ストライダーに筒抜けだってば。

あれだけ、アモン・スールまで距離があると言うことは、
ストライダーがずっとホビット用の剣を持ち歩いていたのではなく、
画面に写らない所で、塚人の剣を奪ってきた感じなのだろうか?
野営で見張り番をしているらしいアラゴルンが、
ルシエンの歌を歌う。ここ周りがうるさくて聞こえなかった(怒)
アルウェンを重ね合わせていて切なげ。
基本、原作はむしろ戦闘よりも歌っているほうが多いので、(推定)
指輪物語らしいシーンだ。
「どんな女性なのです、貴男が歌っているそのひとは。」
「ルシエン、ベレンと出会い・・・」(どの程度説明してたか忘れた)
「それで、彼女はどうなったのです?」
「彼女は。亡くなった。」

アセラスを探しに行く直前、石化トロルがアップに。
泣きながらサムが、「ビルボのトロルですよー」
と慰めるようにフロドに言う。フロド、それどころじゃない。
これは言ってもらわないと、初見で気付くのは難しい。

裂け谷にて。
エルロンド会議の前日にストライダーとボロミアが挨拶している。
これは、前回のDVDの特典映像にあった部分。
「貴男は・・・エルフではないな」(そりゃそうでしょう)
「ようこそ、南からの客人」
などと無難に挨拶を交わしている割に、ストライダー
何故にそんな睨み続けてプレッシャーを与えているのでしょう。

エルロンド会議にて。
ボロミア、いきなり「It's a gift!」と興奮するのではなく、
イムラドリスの夢の話をちゃんとしている、でも、
指輪をいきなり掴もうとしている。
ガンダルフが「アッシュ・ナズグル・・・」と黒の言葉で話し出し、
彼を留める。エルロンド、しょっぱなから疲れている。
emeny →foe、use →wieldと微妙な変化か。

出立前、アラゴルンがギルラエンのお墓参りをする。
ここで、原作とのキャラクターの違いを強烈に実感。
原作の馳夫さんが大好きだったため、どうしても画面に写らない所で
野伏としての役目を果たしているような気がしていたのだが。
エルロンド:「エルフには折れたる剣を打ち直す力がある、
だが、その剣を振るえるのはそなた一人だ、血族最後の一人。」
アラゴルン:「そんな力を欲したことはなかった・・・。」
馳夫さーん!しっかり・・・っ。
TTTの予告を見ると、エルロンドが頭固い舅な感じだが、
ちょっと無理もないかも、と思ったり。
まあ、映画では成長していく英雄と言う感じなので、
それはそれでいいのだけど。ボロミアとの絡みも活きてくるし。
翌朝、エルロンドと裂け谷の皆様で、お見送り。
切ないストライダーを抑制の効いた演技で、演じるモーテンセン氏。
どことなくあさってのこと、考えていそうなアルウェン。
二人とも、噛み合ってませんよ。
アンデュリルをもっていく決意を、密かに固めているのだろうか。
ところで、貴女のお兄様方はどこですか?

クリバイン襲撃前のボロミアとホビッツの剣の稽古風景。
大好きなシーンだが、実はストライダーも参戦する。
「もう充分だ。」とか言いつつ、二人を引き離そうとして、
ひっくり返される。馳夫さん・・・以下略。
そんな貴男もいとしいですが。

さ、雪山越えです。ここで、削られてとても惜しかった一言。
元々、原作から削られて残念だった台詞TOP10にランクインしてた一言。
ボロミアが、メリー・ピピンの肩を抱いて
「山を下らなければ。このままではホビット達が死んでしまう。」
本当は、Little onesの方が良かったですが、十分満足です。
瀬田訳では「このままでは小さき人達が死んでしまいますぞ」
だったかな?小さき人たちに優しい人なのにね。

モリア入り口。開けられないガンダルフに、可愛い顔でピピンの突っ込み。
トロルとオークの襲撃では、戦闘時間が長く取られていた。
ギムリが本編よりも健闘していて嬉しい。
だって従兄弟の敵なんだから、レゴラスよりも彼に見せ場を
作って欲しい。
階段が崩れるシーンも、結構長かった。

ロスロリエン。シャイア以外では一番削られていたようだ。
ハルディアが奥方たちの元に案内する前に、ちゃんと一悶着ある。
レゴラス・スランデュイル王の息子。
アラゴルン・デュネダインの息子。
と、2人には挨拶、ギムリには喧嘩腰、その他は無視という方向で。
アラゴルンが一人、必死に説得。レゴラスはあんまり、協力してない。
その辺、原作のレゴラスの惚けた感じを彷彿とさせて嬉しいかも。
ハルディアが「The realm of Lord Celeborn and Galadriel, Lady of Light.」と言った時には、良かったですね、ケレボルン、
「The realm of Queen Galadriel and Celeborn, Prince consort
とか、言われなくって。
と思ったけれど、劇的に台詞が増えていた。
さすがに水鏡のシーンがあるため、ガラドリエル以上ということはないが。
ちゃんと、妻と一行の会話にも口を挟んでいるし。
奥方、ちゃんとギムリにも労わりの言葉をかけてます。
「カザド−デュムの大いなる虚無のことで、そなたの心を満たさぬよう。
世界は迫りくる危険に満ちている、そしてあらゆる地における愛情は、
いまや悲嘆と混ざり合っています。」
ここで、ボロミアに視線を流すんですね。
そこで、故国の危機を見せる、と。絶妙のタイミングです、奥方。
でも、ギムリへの共感と贈り物のシーンで、きちんと奥方の
両面が出てきたと思う。

水鏡の場面で、自分のネンヤを見せるシーンあり。
だから、指輪所持者が孤独なものだと知っている、と。
贈り物のシーン。マントにブローチを留める手。
ストライダーとのアルウェンに付いての会話はちょっとわからなかった。
??どういう意味なんでしょう、我が君。
ケレボルンは何故か、ボロミアにマントの説明をしている。
ボロミア、ちょっとボケています。
個々人が、自分が貰ったものを小船の上で回想。
アラゴルン、メリー、ピピンは短剣を貰い、
サムはロープ。・・・ロープだけなの?
レゴラスは白の長弓。それまでは確か黒の短弓。
回想するレゴラス、妙に嬉しそう。
ギムリが照れまくりながら、「愚かな願いですが・・・
出来ますれば・・・」と言う所で、一旦切れる。

船の上、レゴラスの前に座るギムリが
「一番美しいものを頂いた・・・」(うろ覚え)と呟くのに、
微かに微笑んでいるような柔らかい表情でレゴラスが、
「何を頂いたんだい?」
「御髪を一房お願いしたら、三房下さった。」
優しく笑うレゴラス、この人綺麗だなあと(実は始めて)思った。
このシーンかなり気に入ったかも。
本編だとギムリは、猪突猛進武骨タイプなだけなので、
彼のロマンチストな一面をちょっと出して欲しかったし、
ちゃんと二人が仲良くなってきてるのがわかったし。

あと、話は前後するが、レンバス。
色々矢とか大小の荷物を小船に積んでいるが、
レゴラスがふと、小さ目の袋の紐を緩めてレンバスを出す。
一口小さく齧って、「これはエルフの行糧、君達よりも
大きな人でもこれで十分持つ」(これも曖昧)とかピピンとメリーに
説明をし、微笑んでレンバスを戻し(それもどうかと思うが)去る。
奇妙に神妙に聞いているなあと思っていたら、
メリー:「それでピピン、何個食べた?」
ピピン:「4個」げぷー。
このピピンの神妙な顔とげっぷが可愛い。
歯を梳いてる辺り、メリーも同罪らしい。

アンデュインを下る途中、洞窟での一休み。
サムがフロドの不眠と断食を咎めて、何とか助けたいと申し出るが、
フロド、お前には助けられない、今は。と言う。二人共に、痛い。
ぼーっと、河に浮いているゴラムを見てるボロミアに、
話し掛けるストライダー。二人が言い争う。
ボロミアの死の場面に繋がる、シーン。(重要なので、一部引用)
「ミナス・ティリスは安全な路だ、貴男はわかっている筈だ。
我々はここで再編成できる。力ある土地からモルドールへと
赴くことができるのだ。」
「我々に役立つ、如何なる力もゴンドールにはない。」
「貴男は、相応に速やかにエルフたちを信用した。
何故、貴方自身の民にそれ程に信をおかないのか。
そう、確かに弱さはある。誘惑され得る弱さが。だが、勇気もまたあり、
人の中に貞潔さも見出せるだろう。
それなのに、貴男は見ようとはせぬ!怖れているが故に!
全ての貴男の人生は影の中に潜んでいた、自分が何者なのか、
何なのか、それを怖れて。」
「私は、貴男の都の100リーグ以内に、指輪を持ち込みはしない。」
この期に及んで、ミナス・ティリスを貴男の都だと言うストライダー、
ボロミアの指摘が正しすぎて、痛いです。
ここでの、人の"Strength"、肉体的、精神的な力の他に、兵力という意味も
ありますが、人の強み、と言う意味も含む。
ボロミアの今際の際の誓いで、"Strength"と言う言葉を、
アラゴルンが使うのは、ここの台詞を受けてなんだなあ。
去年のCMのアラゴルンのキャッチフレーズ、
「His strength will protect them.」も、こういう意味でか、
と思うと一年来の疑問に答えが、と言う感じ。
(一年もそんなこと考えていたのか、私。)
ほんとに、ボロミアに背中押されてんだね、映画のストライダー。
だから、戴冠するときは、彼のこと思い出してね。
あ、因みにフロドがこれを実は聞いてしまっていて、
密かに一人旅立つ決意を固めている模様。

オークに追われる、メりーとピピン。本編より奮闘中。
足手まといなんかじゃないよ、二人とも。
でも、ボロミアに矢が刺さった所で、メリーが石をぼろりと取り落とす。

アラゴルンが、流れる涙をそのままに顔を上げる所で、
「彼らは、白の塔から彼を捜し求めるだろう。
だが、彼は戻ってはこない。」
・・・ボロミアー!そして、ミナス・ティリスの皆様ー!
すみません。今日の午後に時間を捻出する為、
昨日あんまり寝てないんです。
はー、この言葉とカラズラムでのボロミアの言葉は、
短いんだから本編に要れて欲しかったな。

ああ、あと1ヶ月(約)で、二つの塔だ−!チケット取れるのかな?
それより、なんて長さの日記だよ。・・・寝よう。明日も学校だ。



2002年11月14日(木) 撃たれたマリア

ショックだ。
世界で一番好きな絵、レオナルドの
「聖母子と聖アンナ」のカートンのマリアは、一度撃たれて
修復されたらしい。
当時の写真を見ると、胸元ど真ん中を撃たれている。
Good Job!(怒)

今日は相対湿度のミニ実験。
飽和溶液をひたすらかき混ぜてて、腕が疲れた。
かき混ぜている時に、昨日とある寮で急患が出たと聞いた。
「昨日、生物学部の子が毒物摂取で倒れて。」
「えー。」
「監督生が、ERに連れて行ったんだけど、
"I have no idea"って言われたんだって。」
「なんですって!?毒物事典でも見れば何かわかるでしょう。
死ぬとか、すぐ死ぬとか、速攻死ぬとか。」
・・・メグ、殺したいのかい?
因みにこれは又聞きの又聞きなので、信憑性に関しては
責任持ちません。
(どうも、英国医療の権威失墜にちょっぴり貢献しているようなので。)



2002年11月13日(水) まつとし聞かば 今帰りこむ

友人たち(そう、複数)が、最近利家の浮気に怒っていて、
ちょっとおかしい。
「利家とまつ」では、まつ一筋の設定なのに、
侍女に手をつけたらしい。
「その後激怒りしたまつが、結局なんとなく許す辺り、
そういう時代と思いつつ、男の脚本家だなあと思ったり」
しているらしい。
男の脚本家だなあと思ったのは、吉宗の時の大奥の描き方だなあ。
でもあれは、加納久通と有馬氏倫がいい味だしてたので良しとする。

この時代で、愛妻家って誰だろう。
佐々成政と小百合はちょっと違うしな・・・
浅井とお市とか?
永井路子の「山霧」と「元就、そして女たち」は面白かったけど。
あれはあれで、女らしい視点なのでしょう。
幕末物を読むと、男性作家と女性作家で、人物像が随分
違っていて、楽しい。特に沖田とか。

全然、英国とも留学と関係ない話が続く、今日この頃。
ええ、現実逃避です。



2002年11月12日(火) きたー!

The Lord of the Rings Extended のDVDが。
でも、まだ観られない・・・。
早くて、金曜日の午後かなあ?



2002年11月11日(月) サイドテーブル

最近、日照時間が頓に減退してきたので、
窓辺(と言っても私の部屋は屋根裏のような感じなので
天窓との中間のような窓だが。)に置いていた、机を、
電灯の下に移動させた。
ついでに他の備え付けの家具を移動させていて、
サイドテーブル(のようなもの)をへし折ってしまった。
どうしよう。デポジットから引かれる・・・。

今日から、マネージメントとマーケティングの
クラスが始った。
今日は、著名な経営学の教授のタイプ分けテストで、
彼の解説ビデオによると、
「カリスマにはあまり価値をおかず、
組織内での調和は尊重するが、ポジションは重視せず、
仕事内容への責任が最優先事項。
チームは成長する為の場ではなく、
必要なスキルを収集するための場として捉える」タイプ。
とかいう、わかったようなわからないような結果が出た。
カリスマって結構自分では好きだと思っていたんだけど。
それとも、自分の職場には要らないーと思っているのかな。



2002年11月09日(土) 市場

唐竹割りした豚の頭、見ちゃったよ。
肉の市場にて。

ロンドンからレスターに移って来て、殆ど唯一良かったと思うのが、
家の近所のマーケットの存在。
早朝から、肉・魚系(屋内)は4時ごろまで、
野菜・果物系(露天)は5時ごろまで、やっている。
スーパーマーケットが近所にないため、便利。
(マークス&スペンサーという高級スーパーは在るけど、
高いので、あまり買いたくない。)
肉・魚はスーパーよりもずっと新鮮だと思う。
ただ、それでも魚は生で食べられるようなものはないけど。

今日の買い物;
ハムの切っ端、1ポンド(450グラムくらい?)−£1.10(200円)
豚肉、1/2ポンド − £1.25(250円)
卵6個入り − 26p(50円)
バター − 99p(200円)
マッシュルーム一山 − 50p(100円)
サツマ(蜜柑のこと)8個 − £1(200円)
キャベツ 1玉 − 50p(100円)
じゃがいも 6個 − 42p(80円)
葱(スプリングオニオン)6束 − £1(200円)
じゃがいもパン6枚入り − 99p(200円)
これで、大体1週間分の食料かな?(え?多い?)

お肉はこの場で解体しているのだろうか?
頭を見たのは初めてだったけど、大体足も内臓も尻尾も売っている。
内臓は、無造作に銀の巨大ボールにてんこ盛りにしている。
解体ほやほやな感じで、多分、だめな人もいると思う。
頭なー、半分に割っているとはいえ、誰が買うんだろう。
そして、調理方法は?
日本ではあまり見ない・・・ですよねえ?
そんな感じの市場なので、普通のお肉も結構血が滴っちゃっている。
でも、スーパーのパック肉の場合、一度冷凍したのを解凍したら、
水と血が混じっちゃったよという感じの液体に浸されていたり、
解凍しすぎて、肉が茶色になってたりとかしているので、
新鮮な分、市場の方が良い。(スーパーの肉にも毛が生えているし)

卵も、スーパーのものは黄身がかなり白くて、
攪拌するとかなりしろしろしてくるけど、
肉屋で買うとちゃんと黄色くて、黄身も立っている。

今日は、ガイ・フォークスデーのパーティーが学部であったのだけど、
仮装しなきゃいけなかったので、不参加。
コスチュームなんか持ってないよー。人の仮装は見たいけど。
あ、一人日本人学生が着物持っているとか言ってたけど、
すごいな。引越しのときとか大変そう。
本当はアメリカ人から、ハロウィーンパーティーをやろうという案が
出ていたのだけど、英国では、ガイ・フォークスデーと
一体化してしまって、こちらの方が盛んらしい。
でも、私はフォークス人形燃やしている所とか見たことないけど。
1週間ぐらい、花火を毎晩上げていた。毎晩雨だけどね。



2002年11月07日(木) エスキモーとか、インディアンとか。

今日は、Museum Societyのイベントで、オックスフォードへ
行ってきた。
大学のソサエティは大別して3種類に分けられると思う。
学部に属するものと、それぞれのナショナリティーのもの、
そして、趣味のもの。
Museum Studies Societyは勿論、学部に属するもので、
多分大概の学生は、所属している。
以前レスターの博物館のレクチャーに団体で参加したが、
今回は遠足。

オックスフォードとは、妙に相性がいいらしく、
今回を入れて4回目の訪問だが、いつも晴れている。
そのためもあるだろうが、このゴシック建築を基調とした街が、
私はとても好きだ。

参加者は、殆どが外国人学生だった。
ネイティブは別に参加しなくてもいいや、と思うのだろうか。
メンバーの一人が、英国最古といわれるアシュモリアン博物館で、
以前ボランティアをやっていたということで、
そこのMuseum Educatorに話を聞く。
コレクションは多岐にわたっているが、
最初期のコレクションの部屋は、いかにも異国趣味という感じだ。
私はギリシャ彫刻の間とミケランジェロの素描が好きだ。
墓石のギリシャ語をギリシャ人が読んでくれる。多国籍って便利。
エジプトのコレクションでは、神殿が丸ごと展示されていて、
いかにも根こそぎかっぱらってきましたという感じだ。
地方都市の博物館に少なからずミイラが展示されていて、
一体どれほど、エジプトから取ってきたのか、想像もつかない。

お昼に、以前ここで勉強していた人に教わった、
ターフ・タバーンというパブで日本人学生とお昼を食べる。
今日のお勧め・チキンとベーコンのパイ。
パイ生地が結構おいしかったけど、中身のクリームソースは、
ちょっとくどい。でもこのパブは総体的においしいと思う。
裏道を入っていくような、雰囲気も好き。
そのクラスメートが、デレク・ジャーマンの元実家が、
ドーバーの側にあって、現在公開されているといっていた。
行きたいらしい。・・・行くのならば、付いて行くのは吝かではない。
(←行きたいらしい。)
食後。側のおじいさんに「その食事、美味しかったですかね?」
と聞かれて、曖昧に笑う。
「あなた!行きますよ、ほんとによっぱらって。」
とおばあさんに、引きずられていく様が微笑ましい。

午後は、ピット・リバース博物館へ。
自然史博物館と一体化している。
建築的にロンドンの自然史博物館と似通った建物を抜けて、
ピット・リバースへ抜ける。
3階吹き抜けで、入って正面にトーテムポールが。
昔の民博のようだ。国別ではなく、目的種別で括られて、
みっちり展示されている。(お守りとか、火事とか)
鯨の牙を連ねた首飾りとか、でっかい石斧とかを見て興奮する連れ。
・・・貴女が、カーンとチラベルトが好きな訳がわかった気がする。
日本の展示物もかなりある、能面とか根付とか。
ほんとにこの国の人、根付好きだなー。
古いタイプの展示であることは確かだが、面白い。
色々な文化を取り混ぜて、ある意味無邪気に展示しているのは、
興味をそそる。
ただ、いまだに、「エスキモー」「インディアン」
という表記はどうかと思う。

ミュージアム・ショップで、日本展示の小冊子を買う。
帰りのバスの中でそれをみせたら、考えることは同じらしく、
カナダ人のクラスメートは、カナダ・”エスキモー”のを買っていた。
なんで、そんな話になったのかは忘れたけど、
国旗の話になって、日本では国旗を良く使うか、と聞かれたので、
使わない、第2次世界大戦を想起させて、アジアの人は良く思わないし、
とか、説明をしていたら、
「旗のデザインを変えられないのかい?僕の国(カナダ)の国旗は
新しいものだよ。前は英国植民地だってことがはっきりわかるもの
だったから、僕達は変えたかったんだ。」
ちょっと、新しい視点を教えられた気がした。


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