恋文
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2011年10月31日(月) 一日の終わり

一日が
無事に終わる

暗い道を
帰る
急ぎ足


2011年10月30日(日) おしっこ

ためてね
ためてね

わぁー、って
だすと

とても
気持ちいいの


2011年10月29日(土)

友達と逢う
それが楽しくて
一日は
もう 過ぎてしまった

どこからか
音が聞こえている

なんだろう


2011年10月28日(金) 日当たり

日のあたる窓辺

ここから
抜け出してゆく

気持ち


2011年10月27日(木)

鳶が
空を舞う

扇のような
尾羽が

くるり


2011年10月26日(水) 木枯らし

風に向かって
歩いてゆく

街灯の光も
揺れる


2011年10月25日(火) 夕暮れ

ブラインド越しに
洩れてくる
日差し
徐々に翳る

また 想う
遠い地の夕暮れ


2011年10月24日(月) 秋深く

日に日に
冷めてゆく光

かの地では
なおさらに

傾いた
日差しを思う


2011年10月23日(日) 午後

風がやわらかい
道端に
コスモスが揺れる
通りには
音もわずか


2011年10月22日(土) とんび

雲が
降りてくる

空を
とんびが旋回する

風を
捉えた羽が上下する

とんびは
空高く行ってしまう


2011年10月21日(金) 夜の雨

突然の雨

地面に
点々と映る光

目を上げれば
行方にも光


2011年10月20日(木) わたしの場所

仮想でも
遠く離れていても

わたしの生きている
世界の一部


2011年10月19日(水) 夕焼け

ちらりと見た
窓の外の夕焼け

惜しむ間もなく
すでに暗い空


2011年10月18日(火)

髪を梳く
はりはりと
小さな音
冬支度


2011年10月17日(月) 一日

味気ない一日を
終わらせる

夢に戻るために


2011年10月16日(日) 平和

なんにも
変わったことはない

杉林の匂いのなかで
息をする


2011年10月15日(土) 影に

雨にかすんで
影になって
誰でもない
わたしになっていよう


2011年10月13日(木) 一日

一日を 過ごし
終わろうとする

それだけの
一日


2011年10月12日(水) だとしても

生きている世界
生きてゆく世界

行く先は
ときどき 霞む

足元も
薄暗がりの

おぼろげな
わたしたちの世界


2011年10月11日(火) その季節

ありありと
感じる
夜の冷気

思い出の中に


2011年10月10日(月) 小さな不安

付かず 離れず
いっしょにいる

ときに ふと
姿を現す


2011年10月09日(日) 夕暮れ前に

葉しょうがの
かおり

夕暮れ前の
台所で

薄く刻む
きょうの時間


2011年10月08日(土) 箱庭のような

刈り取られた 田
畦には 彼岸花

風の音もない
陽射しの午後




2011年10月07日(金) あちらもこちらも

カーテンの
向こう側の時間

そこで過ぎてゆく

眠るわたしの時間

ここで過ぎてゆく


2011年10月06日(木) 香りのなか

公園の暗がりを
足早に過ぎるあいだ

思いがけず
出会う

街灯の光の
陰になって

たくさんの
小さな花


2011年10月05日(水) 不安だとしても

あんまり
漠然としているので

不安も
どこに居座ればいいか
わからない


2011年10月04日(火) 明け方

肌に感じていた
明け方の冷気

温もりがもどる間に

眠りのなかを
浮き沈みする


2011年10月03日(月)

思い出のなかに
入っているうちに

逃れられなくなる
風の冷たさ


2011年10月02日(日) 金木犀

そこは
いつもわたしの
変わらない場所

また
帰ってきたよ


2011年10月01日(土) 群れ

すずめの群れが
飛び交う

川面が光る
午後

刈り取りの
真っ最中の田に

彼岸花の群れ


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