恋文
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2011年06月30日(木) 夢のなかで

こんなところで
出逢えたのね

語り合う
一瞬のあいだの

永遠


2011年06月29日(水)

花の傍らを
通り過ぎる

風と一緒に
歩く道


2011年06月28日(火) 熱気

ゆらゆら
揺れるひかり

街の
ざわめきに

押されるように
過ぎてゆく


2011年06月27日(月)

雲に
すっかり
覆われて

山は
そこに
ないかのようだ

普段どおりの
朝が
始まる


2011年06月26日(日) どこかへ

短い夢に
しばし留まり

今のなかに
歩き始め

どことも
しれない
ところまで


2011年06月25日(土) 自然

一喜もすれば
一憂もする

その姿の
自然


2011年06月24日(金)

群青の空

見えない
風は
音ばかり

誰かの声が
きれぎれに
聞こえている


2011年06月23日(木) 風の中

押されたり
戻されたり

よろよろ
歩く


2011年06月22日(水) 夏至

光が溶けて
ぼやけた空

木陰は
ゆらゆら

眠たげな


2011年06月21日(火) 枝毛

枝毛の
分かれる

まっすぐに
落ち着かない

自分の
そのまま


2011年06月20日(月) 朝顔

朝顔が咲く
曇り空のした

青空のように


2011年06月19日(日) 夢に

夢のなかの
あなたに
逢いにゆく

きっと
わたしではない
わたし


2011年06月18日(土) 戸をあけて

薄いカーテンの
向こう

風も 音も
ゆっくり
たゆたう

暗くなった
空のした

灯りも
たゆたう


2011年06月17日(金) 思い出

あちこちに
置いてきてしまった

思い出は

順番に
消えてゆくとしても

まだ
身近なような

その町、森や川


2011年06月16日(木) ひとり

交差点を
すれ違ってゆく

たくさんの
ただひとり


2011年06月15日(水) 変わるもの

同じ景色のなか

季節は
少しづつ
変わる

わたしは
どんなに
変わるだろう


2011年06月14日(火)

霧の朝

何の予感もない

今日に
立ち向かう


2011年06月13日(月) 夜の風

夜の風に
浸っている

ときに
静かに
拒まれるとしても


2011年06月12日(日) 明け方

明け方に
さまよう

夢の
奥のほうへ


2011年06月11日(土) 朝顔

今朝の 雨の
この風のなかで

うなだれたような
花びらといえ

伸びてゆく 枝の
どこにでも

まだ 堅いままの
小さな蕾


2011年06月10日(金) 雨の前に

夜を過ぎて
風が冷たくなる

そのまま
雨を連れてくるだろう

街の音が
くぐもっている


2011年06月09日(木)

窓を
開け放す
夜の街に

声を
聞いている

世界が
生きていること


2011年06月08日(水) 混沌

外からの
風と音

生活も
自然も
ないまぜになって

眠る前の
ように


2011年06月07日(火)

暮れてゆく
空は

細い
隙間の向こう側

窓に映る
中と外と


2011年06月06日(月) 不安な一日

どんな不安な
一日も

過ぎてしまう

眠りに
帰ってゆく


2011年06月05日(日) ふき

ふきを切る

香りに

今日を
終えようとする


2011年06月04日(土) 明け方

もういっかい
眠ろ

いい夢
見たいのん

怖い夢は
いやなん

うとうと
朝のひかり

ぼんやり
いつか

また
夢のなか



2011年06月03日(金) 捨てる

手紙を 捨てる

そんなにも 遠い
ところ

もう戻らない

いま ここに
いるだけで


2011年06月02日(木) 曇り空

つまらない日々
空の色のまま

彼方まで
続いている


2011年06月01日(水)

どこにも
行かない

そのまま
夢の内に

はいりこむ


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