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JIROの独断的日記
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2012年07月15日(日) 【音楽】【お薦め】DVD「ドキュメント・カラヤン・イン・ザルツブルク」16日はカラヤンの命日です。

◆7月16日はヘルベルト・フォン・カラヤン(1908〜1989)の命日です。

命日なんです。以前、書きましたが、カラヤンが心臓発作を起こしてから亡くなるまで、

なんと、偶然、カラヤン宅を訪問していた、ソニーの故・大賀典雄さんが一部始終見ていたのです。

あまりのショックに、大賀さんもちょっと具合が悪くなり、カラヤンの死亡診断をしたドクターに

「あなたも少し、横になって休んだ方が良い」と言われたなどと、数ヶ月後、大賀さんが、

目撃した一部始終を、(月刊)「文藝春秋」に書いていました。

国立国会図書館に行けば確実に読めるはずです。

カラヤンは、勿論、コンサートやオペラの映像が沢山ありますが、

あれだけ観てると、自己陶酔的なイヤな奴、と勘違いします。


◆絶対、お薦め。「ドキュメント カラヤン・イン・ザルツブルク」

カラヤン=ベルリン・フィル或いはウィーン・フィルの本番映像も良いのですが、

あれだけを観ていると、カラヤンが、関西弁で言うところの「ええカッコしい」にしか

見えないと思うのです。


カラヤンの日常(趣味のクルマや飛行機の話を大賀さんとするところとか)や

何よりも、リハーサル風景を収めた

ドキュメント カラヤン・イン・ザルツブルク

を観ると、「何となく癪に障るから」アンチ・カラヤンという方も、元々カラヤンが好きな方も、

ほぼ間違いなく、印象が変わると思います。

蛇足ながら、いつも同じ事をかいて恐縮ですが、

弊日記・ブログを以前から御愛読くださっている方々は「またか・・・」と思われるかも知れませんが、

何しろ、毎日必ず、「一見さん」がいらっしゃるので、良いものは何度でも「お薦め記事」を

書きたくて書いております。ボケて、以前書いたことを忘れているわけではありません。

悪しからず。


◆ほんの一部だけですが・・・。

今ではすっかり「大物歌手(ソプラノ)」になった、韓国のスミ・ジョーですが、

彼女の今は、カラヤンに認められたことが、かなり影響していると思います。

その、「スミ・ジョーがカラヤンに気に入られた瞬間」です。

バッハのロ短調ミサを演る前にカラヤンがスミ・ジョーを気に入って、

次は何の仕事をするのか尋ねたら、スミ・ジョーは「魔笛」の夜の女王を

演る、と言います。カラヤンが、それじゃ、今歌ってみろというシーン。

第二幕の「復讐の心は炎のように胸に燃え」では、勿論なくて、

第一幕の「恐れずに,若者よ!」というアリアの後半です。


Bach Mass Hmoll.BWV 232







カラヤンの真価を最も分かっているのは、オペラで世話になった歌手たちである、

という話があるそうです。このDVDでは他に、ジェシー・ノーマンが登場しますが、

カラヤンは、直前の仕事で喉を酷使したばかりのノーマンを気遣い、

「今日は、歌わなくて、聴いているだけで良い」といいます。非常に神経が細やかです。


続いて、ザルツブルク音楽祭に向けて、ウィーン・フィルと「タンホイザー」序曲のリハーサル風景。

練習する部分の楽譜です。オーケストラスコアをワーグナーの弟子のハンス・フォン・ビューローが

ピアノ譜にしたのですが、音の動きの細かさがわかります。






この部分のリハーサル風景です


TannhauserOvertureRehearsal








練習を始めてわずか6秒後、早くもカラヤンが問題点を発見し、説明します。
1拍目の前に既に弾き始める人たちがいる。

その結果まだ弾いていない他の人といっしょになって全体がグリッサンドのようになってしまう。

もう一回弾かせても、まだ合いません。カラヤンの言葉。
どの小節でも最後の二つの音を速く弾く人がいて1拍目に早く入ってしまう。

これははっきりいている。

その結果1拍目にアクセントがついてしまうが、これは誰も 全く要求していないことだ。

あとで練習しよう。ここは全く正確に演奏されなくてはいけない。

カラヤンは岩城宏之さんなどによると、皆、その基礎的能力のすごさが分かっていないそうです。

カラヤンと同じような指摘は、他の指揮者でも出来るらしいのですが、カラヤンの耳の良さは

群を抜いていたそうです。

ウィーン・フィルは元々、ウィーン国立歌劇場管弦楽団で、オペラのオーケストラです。

タンホイザーなど、何度やったか分からないでしょうが、それでも合奏で「合わせる」というのは、

難しいことなのですね。


それはさておき、このような風景を見ると、あの目を瞑って、棒を振るカラヤンの本番の

映像だけ観ていては分からないことが沢山、あります。


「ドキュメント・カラヤン・イン・ザルツブルク」はVHSビデオ時代に一度発売されたのですが、

その後DVD化までに10数年かかりました。

廃盤にならないうちに、入手なさることをお薦めします。

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