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JIROの独断的日記
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2004年07月15日(木) 「逆風の中、よく頑張った」(小泉首相)←久々に笑ったよ。ありがとう。

◆記事:小泉首相:「逆風の中よく頑張った」すり替え発言連発

小泉純一郎首相は参院選での自民党敗北を受け13日、「逆風の中でよく頑張った」との発言を連発した。年金問題や自衛隊の多国籍軍参加など政府自身の対応が逆風を生んだことを無視して健闘を強調するすり替え論理だけに、「典型的な詭弁(きべん)」(民主党幹部)との批判も出そうだ。

 首相は同日の閣僚懇談会や政府与党連絡会議で「逆風の中でよく頑張ったと思う。改革に取り組む考えは変わらない」と強調、自民党の49議席獲得は善戦とアピールした。

 閣僚からも「強気論」が飛び出している。公明党の坂口力厚生労働相は同日の記者会見で「年金への批判があるなら、私のところが一番(票が)減って共産党が一番にならねばならないが、逆だった」と強引な論理を展開し、年金問題が逆風を生んだとの見方を否定した。

 ただ、さすがに謙虚に反省を述べる声も一部の閣僚にはあり、金子一義・行政改革担当相は「構造改革の3年間の評価が必ずしも理解されていないという意味で負けは負け」と指摘。亀井善之農相は「イラク、年金など説明不足であったという点は十分考えられる」と述べ、政策課題をめぐる政府・与党の説明不足に言及した


◆コメント:何でも「プラス思考」ならば、いいってものではない、という見本。

 

巷の書店には、必ず「自己啓発」(私の大嫌いな言葉・・・)のコーナーに「プラス思考のすすめ」という類の本がたくさん、並んでいる。いつも見かけるということは、売れるのだろう。

 人生においては、過度に悲観的だったり、過去の失敗に拘泥するのは、確かにあまり、生産的ではないし、何よりも本人が、いつも不安や後悔にさいなまれていて、損だ。しかし、だからといって、世の中なんでもプラス思考すればよいというものではない。

 本日、冒頭に掲げた小泉首相の言葉は単純バカのプラス思考のはた迷惑がどういうものかをよく表している。「逆風」を招いたのは、他ならぬ小泉首相自身の思慮不足の言動や政策、強引な国会運営が招いた結果であるにも関わらず、この人は、あたかも、自然災害に遭ったかのような口ぶりである。自民党員は全員、「負けたのはおまえの所為だろ!」と思っているはずである(でなければ、バカだ)。

 人間、失敗したときには、反省して、しかし、ただ無闇に落胆するだけではなく、何故失敗したか、を分析することによって経験を積み、思慮深くなっていくものであるが、小泉純一郎内閣総理大臣は、可哀相に、還暦を過ぎても、この基本的な人生の知恵を学んでいないようだ。そういう人をいつまでも日本の宰相にしておくのは、恥ずかしい。


◆郵政3事業民営化のギャグ、いい加減にしなさい。

 

小泉政権の次の「改革」の目玉は、郵政事業の民営化である。郵政3事業とは、郵便、郵便貯金、簡易保険のことである。つまり、これらを民間企業にするということである。

 郵便事業はさておき、郵便貯金と簡易保険はいずれも金融業である。従って、民営化されれば、市中銀行や、民間生命保険会社と同様に、金融庁による特別検査を受けなければならない。

 金融業を営むに当たっては、国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会が決め、主立った国々の金融監督当局が合意した、国際的な基準(BIS規制)をクリアしなければならない。それは、国際業務を営むのであれば、自己資本比率が8%、国内だけで営業するのなら、自己資本比率が最低4%に達していなければならない。

 昨年、りそな銀行が国有化されたのは、銀行が決算書を作成して、それを監査法人(公認会計士がたくさんいる会社で、企業の経理が正しく計算されているかどうか点検する)が調べたら、自己資本比率が4%に達しているとは認められない、と、判断したからである。

 その結果、銀行を監督する役所である、金融庁が公的資金(税金)をりそな銀行に注入して、自己資本を増強して、つぶれないようにし、その代わり、あとはりそなに任せられない。国の銀行として常時監督する、という決定がなされたのである。

 何故、銀行はつぶさないのか、というと、銀行は銀行間取引で他の銀行(海外も含む)から資金を借りたり、貸したりしているので、りそながつぶれると、海外の銀行が資金繰りに窮してつぶれてしまうかもしれない。また、銀行は国内経済においても、決済機関としての役割があるから、うっかりりそなをつぶすと、りそなに当座預金を持っている会社は、不渡り手形を出すことになる。このように、一つの銀行がつぶれると、ドミノ式に、日本と世界が大混乱におちいるのだ。


 

さて、郵政事業民営化に話を戻そう。郵貯と簡保が民間金融機関になったらどうなるだろう?郵貯と簡保が国民から預かったおカネは、財政投融資といって、国の事業に貸している。最も大がかりなのは、道路公団への融資だ。その金額は40兆円にものぼる。全然返済されていない。不要な高速道路を建設し続けている所為だ。

 返済されない債権であるから、不良債権だ。すごい金額である。そして、注目すべきは、郵貯、簡保の自己資本比率は0.8%しかない、という事実である。

 りそなは、自己資本が4%に少し満たなかったということで、公的資金注入→国有化という経緯をたどったのは、今述べたとおりである。郵貯・簡保は0.8%。ここに、金融庁の検査が入る。あっという間に、公的資金注入→国有化。

 なんだよこれは、すごろくか?「ふりだしにもどる」か?

 小泉改革とか云っているが、まじめにやってくれよ。公約にギャグを入れるのは止めてください。


2003年07月15日(火) 「嫌な事があったら、何か人に親切なことをしなさい」(小学校の担任の先生)

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