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JIROの独断的日記
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2012年06月16日(土) 【音楽】6月18日、山本直純さん没後10年です。「青少年の為の管弦楽入門」。直純さんの「天才の本質」。

◆「没後10年」の記事は見かけますが、直純さんの「天才の本質」を理解していません。

これも、何度書いたか分からない、というほど繰り返していますが、

再び書きます。明日は、山本直純さん(1932年12月16日 - 2002年6月18日)の没後10年だ、ということを

取り上げている記事を、新聞や雑誌でポツリポツリと見かけますが、

書いている記者が若くて、生前の直純さんを知らないのではないか?と

思われるような、如何にも「資料で調べて書きました」というのが多いです。


直純さんの棒で弾いたオーケストラ・プレイヤーのコラムなどもありますが、

要するに「懐かしい」というレベルです。


ウィキペディアで山本直純を読むと分かりますが、

直純さんの父上も音楽家で、正確には分かりませんが、殆ど物心付くか付かないか、の幼少期から、

ピアノをはじめ、音楽の訓練を受けて、大変な才能が明らかになっていました。


それは、先日13日が命日だった、芸大学生時代から直純さんの親友だった、岩城宏之さん(1932年9月6日 - 2006年6月13日)の本、

森のうた―山本直純との芸大青春記を読むと明らかです。


全然、音楽の早期教育を受けていなかった岩城さんが、

直純さんが、小学二年で書いた日記を読んで愕然とします。その内容は、

ぼくはきょうはおとうさまにつれられて、やまだかずおせんせいのおうちにいきました。

せんせいはベートーベンのだい一こうきょうきょくが、どうしてこのようなハーモニーではじまるかを

おしえてくださいました。らいしゅうはどうにゅうぶ(引用者注:「導入部」)ぜんぶのことをおしえてくださるとおっしゃいました。

そして、だい一がくしょうのおわりまで、ピアノでひけるようにしておいで、とおっしゃいました。

いっしょうけんめいべんきょうしよう・・・・

この中で、
「どうしてこのようなハーモニーではじまるか」

というのは、多分実際と少し違っていて、「どうして」このハーモニーで始まるか?は、

ベートーヴェン本人に聞かないと分かりません。

但し、交響曲1番冒頭の和声進行は、教科書どおりではなく、

ハ長調の交響曲ですから、ハ長調の主和音(ドミソ)で始まるのが普通ですが、いきなりヘ長調の属7の和音から、

ヘ長調、ハ長調の属七の和音からイ短調。ト長調属七の和音からト長調主和音・・・でハ長調の主和音が出るのは

曲が始まってから八小節目、という非常に「凝った」手法なので、その和声進行の特殊さを、

ヤマカズさんは説明をしたのだと思います。


いずれにせよ、小学校2年で、オーケストラスコアをピアノで弾くということ、

更に山田一雄先生に、ベートーヴェンの交響曲第一番、第一楽章冒頭の和声進行の説明を受けて理解できる

というのは、いくら早期教育を受けていても、誰もが出来ることではなくて、

直純さんに天賦の才があった証拠です。これほどの才能は、滅多に世の中に存在しない。


しかし、直純さんが天才だというのは、その音楽的な基本的能力の高さそのものに加えて、
自らは天才なのに、才能がない(とは勿論、直純さんはただの一度も言ったことはありませんが)一般人は、音楽の基本的なことが、如何に全く分かっていないか?を正確に理解していた。

と言うことです。

天才的な音楽家は、結構いますけれども、大抵素人を小馬鹿にするか、しなくても、

「何がわからないのか?どうしてわからないのか、が、分からない」人が殆どです。

山本直純さんの類い希なる天才の本質とは、そういうことです。


◆青少年の為の管弦楽入門(N響)を指揮、解説する、直純さん。

この映像は貴重です。アップして下さった方、ありがとうございます。


青少年の管弦楽入門1/4







青少年の管弦楽入門2/4







弦楽器の中でヴィオラに関して最も時間を割いて説明していて、

「ヴィオラの使い方を見れば、大体、その作曲家(の才能。レベル。力量)が分かる」と

言っているのが、大変プロの視点だと思います。


青少年の管弦楽入門3/4







青少年の管弦楽入門4/4






これよりも、更に手がかかる、毎週30分の「オーケストラがやってきた」を、

1972年から1983年まで続けた、山本直純さんの功績は尋常ではないのです。

私がこのブログでオーケストラや音楽に関して知ったかぶりで書いていることの殆どは


「オーケストラがやってきた」で覚えたことです。当時はビデオなんかありませんから、見逃したらおしまいだし、

一度しか見ることができない。そういう状況で、一番音楽に興味を持ち始めた時期に「オーケストラがやってきた」を

直純さんが続けて下さったのは、好運でした。必死で見ました。一生忘れません。

DVD化するという案も浮上しているようなことを朝日新聞が書いていましたが、30分番組ですが、

11年分を従来のDVD(ブルーレイではない)にすると130枚を超える筈で果たして実現するや否や・・・。

優れた才能は必ずしも正しく評価されず、同じ斉藤秀夫門下の小澤さんや、

基礎的・音楽的素養が全然無かった岩城宏之さんの方が、世界で活躍したのに、


などと書く人がいますが、そう言うことでは無い。

今、山本直純さんのように、音楽のことを完全に分かっていて、

音楽自体を大衆のレベルに引きずり降ろすのではなくて、

大衆に、なんとか芸術を理解させようという音楽家はいないし、

出来る人もいません。

山本直純さんが、如何に傑出した才能と努力の人だったかが分かります。


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2008年06月16日(月) 日本にも、昨日書いた中国のような医療崩壊寸前地区があります。よろしければ署名を。
2006年06月16日(金) FT紙社説翻訳「福井日銀総裁の謝罪」/今晩、NHKで岩城さんの番組があります。
2005年06月16日(木)  中国「反日デモ、謝罪問題は存在しない」 ←後で、必ず吠え面をかくときが来るのです。それは・・・。
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2003年06月16日(月) 「オーケストラがやってきた」 山本直純氏の功績

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