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JIROの独断的日記
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2012年05月20日(日) 【音楽】5月21日はモーリス・アンドレの誕生日です。もう一度、K.314を載せます。

◆今年の2月に亡くなりましたが、生きていたら79歳です。

モーリスアンドレは、1933(昭和8)年生まれです。

残念ながら今年の2月25日に亡くなりました。

それから追悼を6回組みました。


それで分かったことがあります。

全然、新しい意見ではなく、むしろ、あまりにも言い古されていることですが、

ある音楽家の演奏を生で聴いたことがないと、その真価が分からない。

ということです。

モーリス・アンドレが天才的なトランペット奏者である、ということは、

クラシック好きのかなりの人が「観念的」には知っていますが、

本当に、あの人はすごい、と。分かる人はやはり、私と同世代以上でアンドレの生のラッパを

大阪のフェスティヴァルホールとか、東京文化会館などで聴いた人が多いのです。


アンドレのトランペットの音というのは、どなたかコメントに書いて下さいました。

アンドレが吹くと、ホールが、あまりにも豊かなトランペットの音で満たされて、

もはや音源(すなわち、モーリス・アンドレ)の位置が分からなくなるほどだ、

というその方の師匠のお言葉ですが、誠に言い得て妙だと思います。


一度でも、あの音をじかに聴いた事があるか、ないかによって、その後、録音を聴く時にも

イマジネーションの膨らみ方がことなるのです。


言い方を変えると、生を聴いたことがないのに、録音だけでアンドレの並外れた非凡さが

分かる方がいらっしゃいます。

そういう方は、大変豊かな想像力と、繊細な感受性をお持ちの方だと思います。


若い人がどうして、「一番上手いと思うトランペット奏者」に

「ガンシュ」(元ウィーン・フィル首席)とか

ハーセス(元、シカゴ交響楽団首席)とか、ウィントン・マルサリスや、セルゲイ・ナカリャコフ(ロシアのソロ奏者)

ばかりを挙げるのかと思ったのですが、

多分、若い方々は、こういう人達の「生演奏」は聴いたことはあるけれど、当然、アンドレは

もう、物心ついたときには引退してましたから、聴いた事がない。という違いかと思います。

(それだけではないかもしれませんが、明らかに一因だと思います)。


◆モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314のトランペット版

アンドレの録音はフランスのエラートというレーベルが最も豊富です。

かつてはバラで替えましたが、しばらく廃盤になっていたのが、数年前に復刻されて、

少々高いのですが、幾つかのCDボックスにまとめられています。

結局これが、一番整理されていると思います。

モーリス・アンドレ・エディション第1集〜協奏曲編1(6CD)



モーリス・アンドレ・エディションは、第4集までありまして、こうなると相当のラッパ好きの方以外には

お薦めし難いのですが、うーん。第1集と第2集あたりは、長い目で考えると損ではない、と思うのです。

トランペットに限りませんが、クラシックは世の中全体から見ればやはりかなりのマイノリティーでして、

それは、レコード屋さんにしてみれば、モーリスアンドレなんか売るよりもAKB48の方が余程儲かります。

はっきり言って、クラシックはレコードの時代もCDになってからもそうですが、いつでも買えるとおもっていたら、

知らないうちに廃盤になっていて、後悔することがよくあります。勿論、常識の範囲内で、買える時には買っておくべきものなのは、

本もレコードも同じようです。


前置きがながくなりました。


モーリスアンドレ以降、上手なトランペットの才能が大勢現れていますが、アンドレを超える

才能の持ち主は、私の知る限り、まだ、いません。モーツァルトのオーボエコンチェルトを

ピッコロトランペットで移調せずに吹いてしまうなど、誰でも練習したら出来る、ということではありません。

通常、この音域のトランペットの音は金属的になり五月蠅くて仕方が無いし、そもそも、このような細かいニュアンスを

表現する余裕がなくなると思います。この音域で吹き続けるということだけで、既に大変なのです。



モーツァルト オーボエ協奏曲(トランペット版) ハ長調 K.314 第1楽章 アレグロ



Mozart Oboe Concerto K.314 1st Movement Allegro apert



モーツァルト オーボエ協奏曲(トランペット版) ハ長調 K.314 第2楽章 アダージョ



Mozart Oboe Concerto K.314 2nd Movement Adagio



モーツァルト オーボエ協奏曲(トランペット版) ハ長調 K.314 第3楽章 ロンド




Mozart Oboe Concerto K.314 3rd Movement Rondo



以前、某掲示板に「モーリス・アンドレこそ不世出の名手だ」と書いたら、分からなければ辞書を引けばいいのに、

不世出?モーリス・アンドレ、滅茶苦茶有名ですよ?

と言ってきた人がいます。若い人です。「不世出」を「世の中に出ていない」=「無名である」と思ったのでしょうが、

分からない言葉をそのままにしてはいけません。

不世出(ふせいしゅつ)とは「めったに世に現れないほどすぐれていること。」(広辞苑)です。

正に不世出のトランペットの天才。それがモーリス・アンドレです。

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2010年05月20日(木) 【音楽・映像】毎度お付き合い頂きます。5月21日は不世出のトランペット奏者、モーリスアンドレの誕生日です。
2009年05月20日(水) 「東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人−新型インフル」←「マスクで万全」じゃないですよ。
2008年05月20日(火) 「米国、四川省内の核関連施設の状況注視」←実はこれが一番おっかないわけです。
2007年05月20日(日) 「点字毎日」を知っていますか?創刊85周年。これは立派だ。
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2005年05月20日(金) にんげんドキュメント 「N響チューバ奏者38年ぶり交代の舞台裏・若き挑戦者」 ←涙が出てしまった。再放送25日深夜
2004年05月20日(木) やんごとなき人々のご苦労。昭和天皇、美智子さま。
2003年05月20日(火) 「校長が「ドはどくろのド」 授業で替え歌、注意処分」公立小中学校の教師のレベルは確実に低下している。

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