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JIROの独断的日記
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2011年10月29日(土) 【音楽】The Guard--女王陛下の軍楽隊。

◆ロンドンで近衛兵の交替を見たことがありますか?

実を言うと、私はロンドンに4年いたのに、見たことがありません。

余りにも見物人が殺到するので、見えないのです。

近衛兵の交替は4月から6月までは、毎日11時半から約45分を要する「儀式」です。

それ以外の季節は、どうやら定期的では無いようです(交替はしてますが、

観光名物になるような、儀式としては毎日はやらない、という意味です。

何しろロンドンは、「9月から3月までは冬」と極論出来るぐらい曇天若しくは雨天が続きますから。


近衛兵は、Foot Guards (近衛歩兵連隊)と言いまして、今アンチョコで調べたのですが、

陸軍歩兵師団に属する部隊で、近衛擲弾兵連隊(the Grenadier Guards)、コールドストリーム近衛歩兵連隊(the Coldstream Guards)、スコットランド近衛連隊(the Scots Guards)、アイルランド近衛連隊(the Irish Guards)、ウェールズ近衛連隊(the Welsh Guards)の五つの連隊を指す。

のだそうです。それぞれがマーチング演奏を行う吹奏楽団を有しています。

彼らの演奏を録音したCDを発見しました。Changing the Guardです。

これが、なかなか良いのです。


◆王室儀式のファンファーレから、「イン・ザ・ムード」まで。

近衛兵軍楽隊は、当然、マーチング(行進しながらの演奏)もやりますが、

私の知る限り、マーチング・バンドというのは、「ショー」としては

華やかですが、音楽的には感心しません。

自分で楽器を吹いていた頃に試して分かったのですが、人間があるくと

どんなに気を付けても身体が上下動します。トランペットなどはマウスピースを

唇に当てているだけですから、本の少し揺れても音が乱れます。

それを避けようとすると、楽器を強い力で口に押しつけることになり、

それをやると、絶対に音色が犠牲になるのです。

このCDはしかし、スタジオ録音ですから、ステージ演奏と同様、

座って演奏してます。


想像していたよりもずっと音楽的です。技術も確かですし、音が柔らかく、

バランスがよく、決して荒々しい感じ、乱暴な音、がありません。

むしろやや控え目で品の良い演奏です。

この「やや控え目」というところが如何にも英国流だと思います。

レパートリーが広く、本来の英国王室式典用の音楽から、

なんと、グレンミラーの"In the Mood"や、ルロイ・アンダーソンの

「トランペット吹きの休日」まで色々です。とにかく耳に優しい、

それでいてある時は厳かで、品が良く、あるときは適度にスウィングして

全体として楽しいCDです。

いくつかお聴かせします。


まず、The British Grenadiersという曲名なんですが、文字通りの意味は

5つの近衛連隊の一つ、近衛擲弾兵連隊のことです。Grenadeって「手榴弾」ですね。

驚いたことに、編曲はフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディだそうです。


The British Grenadiers



The British Grenadiers (arr. F. Mendelssohn)



次は、スコットランド民謡、日本語では「ある朝早く」という歌に、ややビッグバンド風というか

ラグタイム風というか、何だか珍しいアレンジを施した演奏です。



Early One Morning



Early One Morning



なんと、スウィング・ジャズのスタンダード・ナンバー、グレンミラーの「イン・ザ・ムード」です。



In the Mood



In the Mood



お馴染み「トランペット吹きの休日」ですけど、イン・ザ・ムード同様、

英国近衛兵軍楽隊が演奏してるのが不思議です。コルネットで吹いているので音が柔らかい。

しかし、すこーしだけ、「おっと」という危なっかしいところがあります。

それをそのまま収録しているのが何だか暢気で可笑しいのです。


トランペット吹きの休日



Bugler's Holiday



最後です。英国国家は“God Save the Queen ”ですが、

“God Bless the Prince of Wales”という曲があるのですね。

初めて聞きました。


God Bless the Prince of Wales



God Bless the Prince of Wales



他にも色々収録されていますが、英国の吹奏楽、独特です。

先に書いた通りトランペットではなく、コルネットという柔らかい楽器を使っていますが、

なんとなく、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルに共通する音楽性も感じることが

あります。

気が滅入ることが続いております。昔ながらの伝統を誇る、

「女王陛下の軍楽隊」の落ちついた演奏や楽しい演奏を

心地良く聴きました。

お薦めします。

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