外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2011年01月10日(月) 「自殺者数、13年連続で3万人超」←何と翌日、社説で取りあげたのは「琉球新報」だけ。

◆記事:自殺者、13年連続3万人超=昨年3万1560人―高止まり続く・警察庁(時事通信 1月7日(金)18時27分配信)

昨年1年間の自殺者数(速報値)は、前年比3.9%減の3万1560人だったことが7日、警察庁のまとめで分かった。

統計をとり始めた1978年以降では12番目の多さで、自殺者が3万人を超えるのは13年連続となった。

同庁によると、男女別では男性が2万2178人(前年比5.5%減)、女性が9382人(0.1%増)だった。

月別の自殺者数は、昨年6月まで10カ月連続で前年を下回ったが、7、8、11月は上回った。

都道府県別では、三重(117人減の359人)、青森(94人減の449人)、福島(85人減の541人)などで大幅に減少。

一方で、滋賀(30人増の356人)、香川(21人増の240人)など11府県では増加した。

警察庁などによると、自殺者数は、大手証券会社の破綻などをきっかけとした金融危機の余波などを受け、

98年に3万人台に増加。2003年に過去最高(3万4427人)を記録して以降は、

3万2000〜3万3000人台で高止まりの状態が続いている。


◆コメント:この問題を社説で取りあげた全国紙がなかったのです。

冒頭に転載した時事通信の記事だが、「記事」は事実を客観的に報ずるものであり、

そこに、記者のコメントを差し挟むものではない。

しかし、記事の書き方が如何にも、冷徹である。

特に最後の部分。

自殺者数は、(中略)2003年に過去最高(3万4427人)を記録して以降は、3万2000〜3万3000人台で高止まりの状態が続いている。

ウソを書いているわけではないが、自殺者数が「高止まり」という書き方は感心しない。

あたかも株式や為替市況を書いた記事のようで、「情」が無い。

この統計は、7日(金)に警察庁が公表した、
平成22年の月別の自殺者数について(12月末の速報値)

という一枚の表である。

一番上段に「自殺者総数 合計」という欄があり、確かに「31,500」と表示されている。

この統計は、金曜日の夜遅くに発表されたものではないから、

新聞各紙は、社説で取りあげようと思えば、論説委員には十分な時間が有ったはずである。


ところが驚いた事に、新聞社説リンクから、まず全国紙の

社説をみたら、朝・読・毎・日経、いずれも取りあげていない。

地方紙も全国紙と同様で、警察庁発表の統計(自殺者数)については取りあげているクセに、

多くの新聞は、全くこの話を顧みる事もない。

全ての地方紙の社説を読むことは(何しろ数が多いので)出来なかったが、

ひときわ目を引かれたのは、琉球新報であった。

1月10日付同紙社説を転載させて頂く。
社説 自殺者3万人超 地域力で希望ある社会へ

2010年の1年間の自殺者は3万1560人。警察庁の速報値だが、1998年から13年連続の3万人超だ。県内は前年より48人減り358人だった。

毎年3万人以上の命が絶望の中で絶たれている。何と悲しいことか。自殺の原因は、借金や失業、病気苦、うつ病による衝動など一様ではない。個人の問題にせず、社会の問題として捉え、対処することで自殺の多くは防止することができる。「自殺者を生まない社会」の構築に向けて官民一体の取り組みが不可欠だ。

「命を大切にする政治」を唱え民主党が政権に就いて1年4カ月。自殺の危険を抱える人への「応急措置」を次々と打ち出してきた。その結果、10年は前年より1285人減った。だが、自殺者を2万人台に減らす目標は未達成だ。自殺防止への取り組みは、まだまだ正念場が続いている。

政府は、昨年2月、「いのちを守る自殺対策緊急プラン」として総合的な対策を打ち出し、9月には専門チーム「自殺対策タスクフォース」を設置した。具体的取り組みとして、心の健康相談へのハローワークの協力(厚生労働省)、中小企業経営者向け相談拡充(経済産業省)、多重債務者向けの相談窓口の強化(金融庁、消費者庁)、人権相談の推進(法務省)など、関係省庁にできる施策を総動員させた。

政府の施策は重要だが、各自治体の取り組み強化も必要だ。自殺率が高かった秋田県では、民間、行政、大学が連携した「秋田モデル」を展開し、自殺者の減少につなげている。

県内では「沖縄いのちの電話」に寄せられる相談のうち自殺志向と判断できる相談件数が増加している。相談窓口の充実は問題解決の糸口として効果的だが、さらに効果を上げるには、相談を受けるだけではなく、問題解決まで、相談員や専門家がフォローする体制の充実も必要となるだろう。そのためには、秋田県のように民、官、大学さらには弁護士や医師を含めた連携も考えていいだろう。自殺を減らせるかどうかは、その自治体の地域力を映す鏡にもなる。

生きていくことに絶望し自ら命を絶つ。自殺防止には、とりもなおさず絶望しない社会、希望を失わない社会をいかに実現させるかが大きな課題だ。政治の役割は重い。

論旨が明解である。

琉球新報が指摘するとおり、政権交替直前の民主党マニフェストには、本文の最初のセンテンスに、
ひとつひとつの生命を大切にする。他人の幸せを自分の幸せと感じられる社会。それが、私の目指す友愛社会です。

と書かれているが、今の民主党が国民一人一人の生命より、小沢一郎をどうするかに血眼に

なっていることは周知の通りである。


自殺の全てが、国家や社会の責に帰するとは思わないし、自殺者が全くなくなることもないだろうが、

本気で自殺を減らそうとするなら、出来る事はあるはずだが、民主党は何もしていない。


甚だ僭越だが、先日、うつ病に関する基本的な情報をこの日記・ブログに書いたところ、

読者からメールを頂戴した。

私は、医学の素人であるけれども、以前から何度も、うつ病のことを取りあげた。

ベックのうつ病調査表で20以上が出たらメンタルクリニックに早く行った方が良い、

と、なるべく具体的に書いた。メールを下さった方は、以前書いた記事を読み、

メンタルクリニックに行く決心が付き、うつ病の診断を下され、早期治療を受け、

今はもう、治ったとのことであった。このようなことを書いて下さる方は少なく、

誠にありがたい。

私は、自分の自慢話を書きたいのではなく、タカが素人のブログですら少しではあるがお役に立ったことが

あるのだから、国や地方自治体が本気で、うつ病(だけが自殺の原因ではないが、比率は高い)の情報を

啓蒙することにより、遙かに多くの患者さんを救うことができるはずだ、と

言いたいのである。


また、コストがかかるのは承知だが、人身事故が多い鉄道の各駅にホームドアを設置することにより、

物理的に自殺を不可能にすることが可能である。一回、思いとどまれば、自殺願望が消える、或いは

弱まる人も多い。


しばしば、鉄道での自殺は人に迷惑をかける「犯罪だ」と断じる人を見かけるが、

あまりにも心ない意見に思える。

かつて、Googleで「PTSD」を検索すると必ず冒頭に表示された

「PTSDのページ」というサイトがあった。

これは個人のサイトで、自ら幼少期より父親にひどい精神的・肉体的虐待を受けて

PTSDを発症し、今は父親から逃れて結婚し、幸せになった女性が、

同じ思いをしている人の為に、と創ったWebであった。


その方によると、ひどいPTSDでは、自分が意図しなくても、電車が来ると、

自然と、身体が線路に向かってしまいそうになることがあるそうだ。

それを防ぐ為に、電車がホームに近づいたら、なるべくホームの椅子に座り、

膝に重い荷物をおいて、なんとか「線路に飛び込もうとする自分」を意思の力で

コントロールするのに、必死だったという。


このようなことを知らずに、鉄道での飛び込み自殺は、意思が弱いのだ、

と多くの人が思っている。それは無理からぬ事かも知れないが、実際には、

自分で自分を制御出来ずに飛び込んでしまう人がいるはずだ。

それは、ホームドアで防ぐ事ができる。

このようなことを政府に訴えるのは本来、マス・メディアの仕事だ。

何も取りあげないとは何事であるか。

小泉政権時代に日本人はすっかり洗脳され「負け組はとっとと死んで下さい」という

冷たい民族に変化してしまったのだろうか。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。


2010年01月10日(日) 【音楽】ヴァイオリニスト ジェームズ・エイネス氏のすすめ(その3。)
2009年01月10日(土) 米失業率、12月7.2%に悪化=昨年の雇用、63年ぶり大幅減」/「<裁判員制度>実施巡る脅迫状、秋田に続き山形でも発見」
2008年01月10日(木) 「向精神薬:マジンドールにダイエット効果…用法外PR横行」毎日新聞精神医療取材班の報道の問題点。
2007年01月10日(水) 大阪市消防音楽隊署名ご協力感謝。
2005年01月10日(月) 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」 世の中の、事件、問題、争点を忘れないようにさせるのがマスコミの重要な仕事のひとつだ。
2004年01月10日(土) 「報道自粛要請に反論 当然の責務と朝日、毎日」 2社しか抗議しないのか。

JIRO |HomePage

My追加