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JIROの独断的日記
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2010年01月10日(日) 【音楽】ヴァイオリニスト ジェームズ・エイネス氏のすすめ(その3。)

◆私は見なかったのですが、1月10日(日)、「題名のない音楽会」にジェームズ・エイネス氏が出演したそうです

私は、ずいぶん前からカナダのヴァイオリン奏者、ジェームズ・エイネス(James Ehnes)という人のことをご紹介してます。

非常に優れた才能と技巧と音楽性を兼ね備えたヴァイオリニストで、とっくに世界的に名を知られていてもおかしくない。

ところが、少なくとも日本では殆ど全くと言って良いほど知られていない。

ごく一部の、ヴァイオリン音楽を特に好む方が御存知なだけです(素人の世界では)。


録音は沢山あるのですが、いずれもカナダ等の、かなり、又は非常にマイナーなレーベルに

録れているので、国内版がなく、輸入盤を抵抗なく買う人じゃないと見つかりにくいということも

あるでしょう。今日「題名のない音楽会」に出たそうで、その様子は分かりませんが、

ジェームズ・エイネス氏の才能に、「お!」と思った方がいらっしゃることを祈って、

本日はジェームズ・エイネス氏の演奏ばかりを取りあげます。


しばしば、書いておりますが、かなりの数のファイルを載せますが、「順番に」「全て」聴いて頂く

必要は、全くありません。適当に、好みに合いそうなものをお好きな順番でお聴き下さい

(勿論、全部お聴き頂ければ大変嬉しいのですが)。


◆私が最初に知ったのは、バッハの無伴奏をたまたま聴いたときです。

バッハが作曲した、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」は3つのソナタと3つのパルティータがあり、

それぞれが、何曲かから構成されてます。ここに載せるのをどれにするか迷います。


ただ、私が一番最初にジェームズ・エイネス氏をたまたま聴いて、非常に見事な演奏に関心したのは、

パルティータ第2番のジーグという曲でして。何度も載せましたが、毎日当サイトには一見さんがいらっしゃいますし、

クラシックは何度も聴くのが当たり前なので、又載せます。

なお、エーネス氏のバッハ無伴奏は、輸入版ですが、タワーレコードで買う方がAmazonより安いです。

ただし、これ以降ご紹介するCD全て、タワーレコードが一番安いとは限りませんので、

Amazon、HMV、タワーレコードを送料を勘案の上(Amazonは1,500円以上送料が無料ですから)、

お買い求めになる(方は)ことをお薦め致します。


J.S.Bach: Six Sonatas and Partitas for Solo Violin / James Ehnes



無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より、「ジーグ」


Violin Partita No. 2 in D minor, BWV 1004 Giga



同じバッハの無伴奏から、ソナタ第1番、一番最初のアダージョ。

ヴァイオリニストが新しい楽器を試したり、何かとにかく弾いてみてくれ、と素人に言われると、

これを弾くことが多いような気がします。いきなり重音から始まります。真面目な音楽です

(はっきりいえば、堅苦しい、ということです。ご承知おき下さい)。


無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV 1001 アダージョ



Violin Sonata No. 1 in G minor, BWV 1001 Adagio



無伴奏からもう一つだけ。


無伴奏ヴァイオリン パルティータ第1番 ロ短調 BWV 1002 第7曲 Tempo di Borea



Partita No. 1 in B minor, BWV 1002 Tempo di Borea



◆バッハのチェンバロ(ピアノ)伴奏付きソナタから1楽章だけ。

バッハ→ヴァイオリン→ソナタというと、上に挙げた無伴奏をまず、連想するのですが、

伴奏付きソナタもバッハは書いているのです。ちょっと無伴奏に隠れて陰が薄いのですけど、

私は好きですね。エーネス氏のCDならば、<ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集第1集>です。

その中から、第1番 ロ短調 BWV 1014の終楽章、アレグロを。


ヴァイオリン・ソナタ第1番 ロ短調 BWV 1014 より第4楽章アレグロ。


Sonata No. 1 for Violin and Harpsichord in B minor, BWV 1014 Allegro



無伴奏よりも大分、聴いていて、楽ですよね。


◆クライスラー小品集

自らも天才的ヴァイオリニストであった、クライスラーという人は、「これぞ、ヴァイオリン」

というような小品をいくつも作曲しています。後年の、「大」作曲家のソナタなどに比べたら、

1曲の演奏時間は遙かに短いのですが、だからといって、弾くのは簡単かと思うと、とんでもないそうです。

こういう「小品」を小粋にすっきりまとめるのは、プロでも大変だそうです。

なかなか、クライスラーの自作自演盤に匹敵する名演奏、名録音はありませんが、エーネス氏の、

愛の悲しみ/愛の喜び/美しきロスマリン/他 ジェームズ・エーネスはいいですね。

まず、お聴きになれば御存知と思いますが、「美しきロスマリン」です。


クライスラー:「美しきロスマリン」



Schon Rosmarin



こういうのは、バッハのように一定のテンポで生真面目に弾いたら、あたかも芝居におけるセリフの

「棒読み」のようになり、聴き手に何の感興ももたらしません。お聴きのとおり、テンポを適度に変化させる

ルバート(テンポ・ルバート)ということをしますが(種類は違いますけど、ショパンのピアノ曲なども同様です)、

これは、演奏者の趣味、センスがモロに出ます。全くやらないと「棒読み」、やり過ぎると「くどい」。

難しいですね。エーネス氏のセンス、ちょうど良いとおもうのです。適度な遊び。非常に品が良いです。もう1曲。


タルティーニという作曲家による、「コレルリの主題による変奏曲」という作品があります。

全部まともに弾いたら、ものすごく時間がかかるので、クライスラーが編曲して、その「超ダイジェスト版」にしました。

これだけでも、十分見事です。


コレルリの主題による変奏曲



Variations on a theme by Corelli



良い曲でしょ?「コレルリの主題」がそもそもよいのですが、演奏も文句の付けようがありません。


◆ヴィエニアフスキーという作曲家がいます。

ヴァイオリンのショパン、などと云われる作曲家、ヴィエニアフスキーは、自分が天才ヴァイオリンニストですが、

多くのヴァイオリニストの貴重なレパートリーになるような、名曲を沢山作曲しています。

エーネス氏のCDは、Violin Works: Ehnesです。

1曲だけ。「スケルツォ・タランテラ 」という4分半ほどの曲ですが、如何にも難しそう。


スケルツォ・タランテッラ ト短調 Op. 16

Scherzo-tarantelle in G minor, Op. 16



目が回りそうな難しさですね。


◆パガニーニ:24のカプリースから第24番

ヴァイオリンの奇才、自ら超絶技巧の持ち主のパガニーニが無伴奏ヴァイオリンの為に書いた24曲は、そのどれもが、

高度な技術をもとめられますが、一番最後の第24番は、変奏曲形式になっており、主題には多くの作曲家が触発され、

「パガニーニの主題による〜」はラフマニノフをはじめ、色々な作曲家が書いています。

CDはこれです。24のカプリース エーネス(2009)


パガニーニ:24のカプリース Op. 1より第24曲


No. 24 in A minor: Tema quasi presto - 11 Variations - Finale



並の難しさではない、ということは、たとえヴァイオリンに触ったことすら無い人でも、容易に想像出来る、と思います。


◆サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」

「動物の謝肉祭」の「白鳥」は、チェロを習い始めた人なら、いつかはきっと、と思うような名曲ですが、

フランスの作曲家、サン=サーンスはヴァイオリンにも名曲を残してくれました。

これは、とにかく「カッコイイ」んです。お聴きになればわかります。

CDは、<フランス傑作集>サン=サーンス/ショーソン/他作曲家 ジェームズ・エーネスです。


序奏とロンド・カプリッチョーソ イ短調 Op. 28



Introduction and Rondo Capriccioso in A minor, Op. 28



CDでは編集でどうにでもなりますが、エーネス氏、多分生で聴いても、恐ろしいぐらい楽器がよく鳴っている

だろうと思います。何でも弾けますね。この人。


◆これは長いですから、体調が良いときに。バッハ「シャコンヌ」

冒頭にいくつかご紹介した、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。

パルティータ2番の中の1曲である「シャコンヌ」。

ある音楽評論家は「西洋音楽2000年の歴史における、最高傑作だ」、とすら書いていました。

但し、こういう音楽は、こちらにもエネルギーが必要です。

音楽を聴くのは、一見、受動的行為で何もしないので、エネルギーなど関係無いだろうと思われるかも

知れませんが、それは違います。音楽を聴くにはエネルギー(体力)が必要なのです。


それでは、最後に、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番から、「シャコンヌ」です。

全部聴くのに15分以上を要します。


バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1006 シャコンヌ



Partita No 2 in d, BWV 1004: V. Ciaccona


わずか4本の弦しか持たない、一本のヴァイオリンで、

これほど、形而上学的なものを感じさせる音楽が演奏出来るのですね。

そういう曲を書いたバッハは「天才」という言葉だけでは表現出来ない、特別の存在であるように感じます。

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