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JIROの独断的日記
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2010年06月01日(火) 「クールビズの季節、政府も自民も『かりゆし』」←「クールビズ」の無意味さ。

◆記事:クールビズの季節、政府も自民も「かりゆし」(6月1日21時18分配信 読売新聞)

政府の「クールビズ」期間が1日に始まり、鳩山首相や閣僚が沖縄県特有の「かりゆしウエア」を着て閣議に臨んだ。

ただ、米軍普天間飛行場の移設問題が地元の期待を裏切る結果になった直後だけに微妙な空気が漂い、

スーツ姿の“造反者”も出て、足並みの乱れをここでも露呈した。

スーツだったのは、亀井金融相と北沢防衛相。北沢氏はネクタイははずし、閣議後の記者会見で「風邪気味だから」と説明した。

一方、亀井氏は「公務の時はずっと背広を着ている。人と会う時に急に背広に着替えるなんて、着せ替え人形じゃあるまいし」と、

小泉元首相が始めたクールビズ自体を否定した。

「かりゆし」は「めでたい」という意味。前原沖縄相は記者会見で、「『最低でも県外』ができなかった後で、

かりゆしウエアを着て閣議に臨むのはいかがなものかという議論があったのは事実だ」と語った。


◆コメント:私もクールビズを無視している。

閣議のニュースは、一例であり、「かりゆし」云々は、本日の問題の主題ではない。

私の勤め先も、お客さんに直接接することがない本店各部は6月1日から9月30日まで、

クールビズを「可」とする。

という通達が発せられている。今年で3回目か4回目だが、「クールビズを『可』とする」

だから、クールビスは"may"であり、"must"ではない。私の部署はかなりの大所帯で、

周囲を見ると99%は毎年素直に「クールビズ」で会社に来るが、私は一度も実践したことがない。

周りの人達は、わざわざ暑い格好をして物好きな奴と思っているかも知れないが、一向に構わない。

来年も再来年も私は同じことをするだろう。


理由のひとつは、個人的かつ感情的なものである。

14年前に他界した父は30数年、サラリーマンとして働き続けた。

私は子供の頃からずっと、どんなに暑い日でもネクタイを締め、スーツを着て仕事に行く父の姿を見ていた。

無論、クールビズなどという概念が無かったから、それは、あまりにも当たり前のことだった。

そんな父を見て育った私の頭の中には、
勤め人は、真夏のどんなに暑いときでもネクタイを締めて、スーツを着るものだ。

という、甚だ融通の利かない(今の人から見れば古くさいかもしれないが)強固な固定観念がある。

仕事に行くときには、ネクタイを締めて、スーツを着ないと気持ちが「臨戦態勢」にならない。

「暑くても、スーツを着て平然として家を出て、仕事をする。これぞ『勤め人の心意気』」と思っている。


記事によれば、閣僚では亀井金融相だけが、スーツにネクタイだそうで、新聞は、

それは、クールビズを言いだしたのが亀井氏のかつての盟友、今は仇敵の小泉純一郎だからだろう、

と見ているようだ。それもあるかも知れないが、それだけでは無かろう。私と同じような気持があるような

気がする(私が勝手に想像しているだけだ)。


国会議員を辞めてしまったが、元民主党衆議院議員の岩國哲人氏が、やはりクールビスを無視して、

夏の間もスーツにネクタイだったのを思い出す。

東大を卒業してから日興証券に入社し、やがて外資系証券会社に転職し、

最後は、世界有数の証券会社、メリルリンチ本社の上級副社長まで務めた

根っからの「元・務め人」である岩國氏もやはり、仕事をするときにスーツを着ないことに

心理的抵抗があったのだろう、と想像している。

以上は、始めに書いたとおり、クールビズを実践しない、「情緒的」な理由だ。

しかし、理由はそれだけではない。


◆クールビズの本来の目的は、地球温暖化対策ではないのか。

「クールビズ」を提唱し、実行したのは小泉純一郎で、あれも軽い奴だから、

どこまで意識していたか、甚だ疑問であるが、クールビズは、本来、夏の暑い時期、

エアコン使用による電気消費量が、著しく増大する。すると化石燃料を燃やしてタービンを動かす

火力発電所から排出されるCO2が増える。完全に証明されていないが、地球温暖化の最大の原因は、

人間の活動が元で発生するCO2が「温室効果」を持つ為だ、との仮説が殆ど常識となっている。

従って、電力消費量を抑えることが温暖化の進行を抑制することに貢献する。


だから、夏の暑い時期は薄着をしても良いことにして、エアコンの消費電力を減らそう。

これが、クールビズを採用した理由だった筈だ。


だが、実際はどうだ。

「クールビズ」と称する「薄着」を採用しながら、内閣も国会も民間企業も、

エアコンを引き続き使用している。それは、国会の様子を見ても閣議の様子を見ても明らかである。

エアコンを止めたら、みんな、大汗をかいているはずだが、そんな人はいない。

薄着をしても、エアコンの使用を止めるか、使用時間を限定するなど、電力消費を減らさなければ、

何の意味もない。それは官民ともに分かっている筈だ。

単に「クールビズ」という薄着をし、

地球環境に配慮しています。

というポーズを取っているだけだ。何の実質も伴わない。

これが形式主義でなくてなんであろう。



日本の夏は、蒸し暑い。どうせエアコンを止めたら、暑くて何もできないのだから、

ある程度使わざるを得ない。

電気を使用すること自体が温暖化の原因なのではなく、化石燃料を燃やす発電方法が問題なのである。

企業の利権が絡むので、火力発電に代わる方法として、原子力発電ばかりが重視されるが、

安全性に大いに不安がある。つい先ほども美浜原発から放射能漏れ、とのニュースが流れた。
◆記事:美浜原発2号機、燃料集合体から放射能漏れ 管に傷(朝日新聞)(2010年6月2日0時20分)

関西電力は1日、福井県美浜町の美浜原発2号機(50万キロワット)で燃料集合体2体から放射能漏れを確認した、と発表した。

核燃料を入れるジルコニウム合金製の被覆管(長さ4メートル、直径11ミリ、肉厚0.6ミリ)に傷が見つかった。

同県内の原発ではこの2年で、今回を含めて燃料集合体計9体に穴や傷ができるトラブルが起きている。 (以下略)

こういうことが何度も起きるのでは、原子力発電は安全だ、と言われても、

それをそのまま信じろというほうが無理だ。

照明器具やエアコンや、パソコンが二酸化炭素を排出しているのではない。

風力発電、地熱発電、潮汐発電など、所謂クリーンエネルギーで電力需要を満たせれば、

電気を使うこと自体は問題ではない。これらの実用化に注力すべきなのに、

クールビズで「かりゆし」を着て「環境に貢献する」と称する。

バカという他に言葉を知らない。

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