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JIROの独断的日記
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2010年03月15日(月) 【日本語】音読して、録音して、自分の日本語を聞いた方がいいですよ。

◆新聞記事でも何でもよいから、音読し、録音した自分の声を聴いてご覧なさい。

久しぶりに「言葉」について。

どうしてかというと、たまたまあるテレビドラマを見ていて、あるタレント(役者とは言い難い)の台詞が

余りにも聞きづらいのが気になったのがきっかけである。

タレントの固有名詞を挙げると、人気のある人物で(特に女性に)、下手をすると暗殺される可能性があるので

それは、書かない。


彼が演ずる役は、暗い過去を背負って苦労して、性格がやや屈折している、という設定だから、

あまりにも、明るく元気いっぱい、ではおかしい。それは分かる。常に暗い雰囲気を漂わせなければならぬ。

しかし、だからといって「芝居」であるから観客(テレビドラマなら視聴者)に台詞が届かなくては、話にならぬ。


この役者(ということにしましょう)は、常に、口の中でモゴモゴと発音するので、何を言っているのか

「客」であるこちらが、相当注意をしていないと、分からない。これは、駄目だ。

一度、舞台でしごかれると良いのである。


その好例は、好き嫌いは別として(私も特に「ファン」ではないのだが)、堤真一という役者さんである。

この人はどんな役でもこなしてしまう。芝居(演技)そのものが上手いので感心するのだが、

そのことに付いて書き出すと本題から逸れる(本日のテーマは話し言葉の明瞭さ、である)。

彼の経歴を見て驚いた。関西出身なのだが、彼が芝居で話す標準語のアクセント、イントネーションは

東京人の私が聴いても、完璧であるばかりではなく、実に聞き取りやすいのだ。


一番すさまじいのは、ややマニアックな領域に入り恐縮だが、2003年、9-12月期、フジテレビ系列の「月九」

(月曜日の夜九時枠に放送されるドラマ)、司法修習生を取りあげた「ビキナー」というドラマである。

これは台本がものすごく良くできていて、書きたいことは色々あるのだが、これも本題ではないから省く。

この中で、堤真一と同僚の司法修習生松雪泰子が、早口で口喧嘩をするシーンがある。

ストーリーは分からないだろうが、音声だけ聴いて頂きたい。


2003年テレビドラマ「ビギナー」第3話の一部


「ビギナー」第3話の一部



どういう場面かはさておき、次第に両者が怒り出してかなりの早口になっても、セリフは明瞭に聞き取れる。

役者のみならず、アナウンサー、通訳者などの「パブリック・スピーカー」は、意識的に明瞭な発音をこころがける。

我々一般人が目の前の相手と話すときは、距離が近い上に、何に関して話しているか互いに分かっているので、

実は、驚くほど不明瞭な発音をしている。国立国語研究所のサイトに、

全国方言談話データベース「日本のふるさとことば集成」という音声データベースがある。

本来方言研究のためのものだが、一般人がどのような発音をしているか、このなかから一般人の会話を聴いて頂く。

日本のふるさとことば集成 第6巻 [東京都台東区] サンプルの右上「再生」をクリック。


余りに短いので、神奈川県も。

日本のふるさとことば集成 第6巻 [神奈川県小田原市] サンプル


千葉県。

日本のふるさとことば集成 第5巻 [千葉県長生郡長生村] サンプル


埼玉県。

日本のふるさとことば集成 第5巻 [埼玉県児玉郡上里町] サンプル


栃木県

日本のふるさとことば集成 第4巻 [栃木県日光市] サンプル


もっと聴いて頂くと、更に分かる。話がどうしても逸れてしまうが、同じ関東でもこれだけ言葉が違うのである。

本来国語学者、言語学、音声学の研究用CDで、原本には数十分ずつ会話が収録されている。

話者が年配の方の所為もあるが、かなり発音が不明瞭になる。


逆に言うと、さきほどお聴かせした、劇中の役者の台詞が、

「明瞭に聞こえるように、意識的に訓練され」た成果であることが、よく分かる。


◆新聞の音読か、NHKニュース(ネットでいつでも聴ける)の「シャドーイング」が有効である。

日常の会話では、役者やアナウンサーほどの訓練を、我々は必要としないが、

自分は、自分の言いたいことが一番分かっている(当たり前だ)が、

他人の耳にどのように聞こえているか、録音して確認してみることも、ときには肝要である。

人間は不精に出来ている上、日本語は特に、殆ど口を大きく開くことなく話せてしまうので、

自分では気が付かないウチに、相手を苛立たせている可能性がある。

これを直すのは簡単で、新聞のコラム(余録・春秋・天声人語など)か社説か記事を、

一日5分から10分音読するか、或いはNHKのラジオニュースはネットで聴けるので、

どれでもよいから、アナウンサーが原稿を読むのを聞きながら、すぐ後に続いて自分でも同じ事を発音する。

英語で「シャドーイング」などという。英語でやるのは無論大変だが、元々通訳者が同時通訳の基礎訓練として

実行していたのを最近は、一般の「英会話」学習者が応用使用としている参考書が目立つ。

まあ、それはいい。今日は日本語の話である。

新聞を音読したり、NHKラジオニュースをヘッドフォンで聞きながら発音し、自分の声を録音・再生してみると、

これが、アナウンサーと同じ日本語か?と思うほど、口の中だけでモゴモゴと話している筈である。

アナウンサーは商売だから上手いのは当たり前で、同じレベルに達する必要は無いが、

意識することにより、だいぶ、話し言葉が変化する。

意外と大事なことで、就職のために会社で面接を受けるときなど、私は面接をする側に回ったことが

あるので分かるけれども、同じ程度の知的レベルでも、不明瞭な発音をする学生の印象は、相対的に低くなる。

既に社会で活躍している方も、話し言葉が明瞭になると、周囲の人々の印象が変わる。

母国語といえども、他人に分かり易く話すためには、練習が必要なのである。

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