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JIROの独断的日記
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2009年08月04日(火) 【音楽】ロッシーニ、歌劇「ウィリアム・テル」序曲特集、なんて出来そうにないでしょ?出来るんです。

◆180年前、1829年8月3日にロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」が初演されました。

ロッシーニの最後のオペラ、「ウィリアム・テル」の序曲を聴いて楽しくない人がいるでしょうか。

と書いてしまいました。勿論いるでしょう。それは、一向に構いません(いつも書いているように、好みですから)。

また、所謂「クラシック通」と呼ばれる人は、死んでも「ウィリアム・テル序曲が好きだ」とは

言わないでしょうが、私は全然恥ずかしく無く宣言しますが、約40年前にこの曲を聴いて以来、何百回、何千回聴いたか分かりませんが、

いまだに大好きです。


この曲はオペラの序曲としては、大変珍しい形式で、4部構成になっています。

1部「夜明け」5人のチェロとコントラバス、そして、ティンパニだけで演奏されます。

2部「嵐」ポツリ、ポツリと雨が降ってきたと思ったら、たちまち雷鳴が轟く嵐になります。私はこの部分のトロンボーンの動きがとても好きです。

3部「静寂」嵐の後の静けさ。オーボエ属のコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)とフルートが活躍します。主旋律を吹くのはコール・アングレですが、

オブリガート(副旋律)のフルートは音の跳躍が頻出して、なかなか大変です。

4部「スイス軍の行進」トランペットのファンファーレ。ギャロップ風の弾むようなリズム。全オーケストラによる高揚。炸裂するパーカッション。

細かい動きを弾き切るヴァイオリンの見事さ。「血湧き肉躍る」とはこの部分の為に或る言葉ではないでしょうか。

最初にオーケストラ。次に、リストによるピアノ独奏版、ゴットシャルクという作曲家が編曲した、ピアノ連弾(終曲だけ)、

オルガン独奏版、と色々載せます。



いつも書いていますが、全部をお聴きになる「必要」は全くありません。

出来ればオーケストラだけはお聴き頂きたいのですが・・・。


◆アバド=ベルリン・フィル。いつか分かりませんが、恒例「ヴァルトビューネ」(夏の屋外コンサート)に於ける演奏。

アバドの楽しそうな表情が音楽の喜びを一層大きくしてくれます。

2つのファイルにわかれます。パート1は、1部「夜明け」と2部「嵐」ですが、ちょうど2部の「嵐」が始まるところ、

再生開始後、3分12秒付近で本当に、会場で雨が降り出し、聴衆が傘を差します。

それに気付いた、アバドが、一瞬ニヤッとするところが、面白いです。全くの偶然ですね。


Rossini - William Tell overture (Part 1)Berliner Philharmoniker. Claudio Abbado







ちょうど3部の「静寂」からPart2になります。

「スイス軍の行進」、最初のトランペットとホルンのファンファーレが終わった、ちょうど良いところで、

聴衆の誰かが「待ってました」とばかりに歓声を上げます。それを聴いた、アバドがニコリと笑い、オーケストラも笑ってます。

その風景を見ているだけで幸せになります。



Rossini - William Tell overture (Part 2)Berliner Philharmoniker. Claudio Abbado







最後の音が鳴り終わった後のアバドの笑顔。聴衆の嬉しそうな歓声。誰も「ウィリアム・テル序曲」が好きで恥ずかしいなどと

バカなことは、微塵も考えていません。

この曲は楽しい名曲なのです。


◆リスト編曲による、ピアノ版、ウィリアム・テル序曲

リストは色々なオーケストラ曲をピアノ用に編曲していますが、こんなの、初めて聴きました。

Daniel Riveraというピアニストです。

なお、動画は無く、音声だけのファイルです。二つのファイルに分かれます。


Rossini Liszt Ouverture Guglielmo Tell 1/2 Daniel Rivera







Rossini Liszt Ouverture Guglielmo Tell 2/2 Daniel Rivera







ピアノでは当然色彩感はオーケストラに敵いませんが、リストは上手く編曲したと思います。

演奏が非常に難しいことは聴いているだけで、明らかです。


◆ピアノ連弾版(「スイス軍の行進」のみ)

これも初めて聴きました。編曲したのは、どうやら、ゴットシャルクという作曲家のようです。

演奏は、Scott Brothersという、兄弟で連弾で活動している人ですが、やはり知りませんでした。


William Tell Overture Finale (Rossini - Gottschalk)Scott Brothers Duo







連弾にしたら1人当たりの負担は軽くなり、易しくなるかと思いきや、

2人で弾くのだから、ということで、編曲者はより多くの(1人では弾けなかった)音を弾かせようとするから、

結局、エラく難しそうです。


◆オルガン独奏版(全曲)

パイプオルガンで「ウィリアム・テル序曲」を弾いている画像を見つけました。

驚きましたね。凡人の私はオルガン→宗教曲のイメージがありますから、「ウィリアム・テル序曲」など、

オルガンに最も似つかわしくない音楽だと思いましたが、実際に上手い人が弾くと、ウーン、なかなか迫力ですね。

何しろ、オルガンですから音量がすごいですね。音色の変化を付けられます(細かい説明は省きますがストップという「装置」があります)。

音量の変化も勿論可能です。足鍵盤がありますので、低音が充実します。

まあ、聴いて下さい。全曲ですので、2つのファイルに分かれます。


Jelani Eddington-William Tell Overture-Wurlitzer Organ (I)







Jelani Eddington-William Tell Overture-Wurlitzer Organ (II)







如何でしたでしょうか。

これを書いては実も蓋もないのですが、やはりオーケストラを凌ぐことはなかなか出来ませんね。

一つは、終曲のリズム。「ギャロップ風」と前述しましたが、あの

タカ・タッタカ・タッタカ・タタタ

は弦楽器が弓を弾ませてこそ、出るリズム、アーティキュレーションで、鍵盤ではどんなに頑張っても、

あそこまで歯切れ良く聞こえ無いのですね。そこに決定的な違いがあるように思いました。


180年も前に作られた曲が、今なお、世界の人々、ロッシーニが想像すらしなかったであろう、東洋の島国の人間を

喜ばせている。彼も喜んでくれているのではないでしょうか。

いつか、あの世に逝った時に、バッハとかモーツァルト、ベートーヴェンは何か近寄りがたいけれども、

ロッシーニには(彼もまた、紛れもなく大天才なのですが)、挨拶したい気がします。
いやー、私はあなたの書いた音楽をどれ程繰り返し聞いたか分かりません。あなたのおかげで音楽の楽しさを知りました。

喜んでくれると思うのですけどね。ダメかしら?

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