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JIROの独断的日記
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2003年08月04日(月) ロッシーニ風人生もいいかな。昨日は「ウィリアムテル」初演の日。

 ロッシーニは18世紀後半から、19世紀の半ばまで生きた人で、時代としてはベートーベンと重なる部分が多いのだけれども、ベートーベンの波乱と苦悩に満ちた生涯と比べると、ロッシーニのそれはいかにも、ラテン的、イタリア的でノーテンキなものである。

 作った音楽の方向性が全然ベートーベンとは違うけれども、ロッシーニも間違いなく天才的な作曲家だった。作曲は殆ど独学なのに、16歳で初めてのオペラを書いて、それから生涯に書いたオペラは、なんと39曲。数が多ければよいというものではもちろん無いのだけれども、オペラなんていうのはまず普通の人間は一生かかっても一つも書けないのだから、やはりただものではない。

 39曲の最後に書いたのが有名な「ウィリアムテル」で、これが初演されたのが、174年前の8月3日だった。このとき、ロッシーニはわずか38歳だったのだが、以後、音楽界からさっさと引退してしまうのである。結局、76歳で生涯を閉じたので、生涯の半分はご隠居さんだったということになる。

 「勤勉な」現代の日本人からすれば、まあなんたる怠惰な・・・ということになってしまうのであろうか。私はこういうのんびりした一生があってもいいと思うなあ。というか、そういう風になれるものなら、なりたかったな。
 
 さて、音楽だが、歌劇「ウィリアムテル」全曲が演奏される事は最早滅多に無く、専ら序曲がポピュラーコンサートなどで演奏される。「クラシック音楽入門用曲」の代表みたいに扱われているけれども、演奏は大変難しい。冒頭のチェロ五重奏のチェロは緊張する。

 第2部の嵐の場面では、トロンボーンが難しい。半音階的に上がっていて、いきなり、2オクターブぐらい下がる。

 第3部の嵐の後の静けさでは、コールアングレ(オーボエの音域の低い楽器)のオブリガード(対旋律)を吹くフルートが、オクターブジャンプの連続で、下の音がかすれないように、神経をすり減らす。

 フィナーレ、スイス軍の行進。頭のトランペット(私が吹くところ)はまあ、普通の音域だし、二人だから、さほど緊張しない。けれども、弦楽器は細かい動きが続いて、特にファースト・ヴァイオリンは、皆で合わせるのが大変(プロならどうってことないでしょうけどね)。聴くと弾くとじゃ、大違いなのさ。


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