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JIROの独断的日記
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2009年04月29日(水) 「<新型インフル>1歳11カ月の幼児死亡 米で初の死者」←1例では、何とも言えない。鳥インフルも引き続き警戒すべし。

◆記事1:<新型インフル>1歳11カ月の幼児死亡 米で初の死者(4月29日19時54分配信 毎日新聞)

米疾病対策センター(CDC)は29日、テキサス州で新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染によって

1歳11カ月の幼児が死亡したことを明らかにした。米国で死者が確認されたのは初めて。またメキシコ以外の国で初の死者となった。

ロイター通信によると、幼児はメキシコ人で治療のため渡米していたという。

米国では他にまだ入院患者がいる一方、ニューヨーク市内で2次、3次感染が起こっている可能性も指摘されている。

CDC当局者は「感染封じ込めは極めて困難。状況がさらに悪化することに備えなければならない」と話した。


記事2:<新型インフル>ウイルスは弱毒性 田代WHO委員(4月29日21時20分配信 毎日新聞)

【ジュネーブ澤田克己】感染が広がる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)への

警戒レベル引き上げを討議した世界保健機関(WHO)緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所

インフルエンザウイルス研究センター長は28日、記者会見し、今回のウイルスは「弱毒性」との見解を示した。

強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ「それほど大きな被害は出ない」とみられ、

「全く同じ対策を機械的に取るのは妥当でない」と述べた。

田代氏は毒性について「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」としたうえで、

遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。

被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、

約200万人が死亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。

数千万人規模の死者が想定される強毒性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。

致死率などについては、疫学的調査が終わっていないため「実際の数字は分からない」と説明。

そのうえで、メキシコで感染が疑われる患者が1000人を超える一方、

同国以外は数十人規模であることから「割合からすれば(他の国で多くの)重症者が出なくても当たり前かもしれない」と述べた。

対策についてはH5N1型に比べ「健康被害や社会的影響は大きく異なる。全く同じ対策を機械的に取ることは必ずしも妥当ではない。

フレキシブル(柔軟)に考えていく必要がある」と述べた。

日本の対策については「少しナーバスになり過ぎているところがあるかもしれないが、

後手後手になって大きな被害が出るよりは、やり過ぎの方がいいかもしれない」とした。

また、「風邪というような判断で特別な検査に至らない状況がある」と発見の遅れに憂慮を示した。

また同氏は、新型インフルエンザウイルスは、北米型とユーラシア型の豚インフルエンザウイルスに、

人と鳥のインフルエンザウイルスを加えた4種類の遺伝子が混合したものと説明。

「H5N1型による大流行のリスクが減ったわけではない」と、警戒を怠ることは危険だと警告した。


記事3:インドネシア豚から鳥インフル、体内で変化「新型」の恐れ(4月29日3時5分配信 読売新聞)

インドネシアの豚が高い確率で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を持っていることが、

神戸大感染症センターの調査でわかった。

H5N1型は、アジアを中心に鳥から人への感染例が相次ぎ、250人以上が死亡しているウイルス。

豚の体内で変化し、人から人へ感染する能力を獲得すると、今回の豚インフルエンザを上回る大きな被害を人類に及ぼす危険がある。

同大は、インドネシアの4州で402頭の豚を調査。1割を超える52頭の豚からH5N1型を検出した。

豚は、鳥と人のウイルスにも感染するのが特徴。世界保健機関(WHO)は、

H5N1型が豚の体内で変化するパターンを、人から人へ大流行する新型インフルエンザ出現の有力な筋書きとして警戒している。

実際に、52頭の豚から検出されたH5N1型ウイルスを詳しく調べると、人への感染力を一部獲得したタイプが1株見つかった。

理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センターの永井美之センター長は

「驚くべき結果だ。新型インフルエンザが感染力を獲得する過程を見ているのかもしれない。注視する必要がある」と指摘している。


◆コメント:米国の初の死者、といっても1歳11ヶ月の1例だけでは何とも言えない。

マスコミ関係者にお願いしたいが、もう少し落ちついて。徒に世間の不安を煽らないように

(かといって、過度に楽観的でも困るのだが)。

メキシコ以外で初の死者が出たが、1歳11ヶ月の幼児である。H1N1型ウイルスの免疫を持っていなかっただろうし、

インフルエンザで、幼児が死亡することは、「新型」でなくとも、今までにも起きていることだ。

死んだ子供は可哀想だが、報道機関は、

米国で初の死者

ということだけで、騒ぎすぎである。もうすこし米国内の感染者の経過を観察する必要がある。

例えば、健康な若者の感染者がバタバタ死ぬようなら、H1N1型が変異を起こしているかも知れないので

深刻だが、とにかく、事態の推移を落ちついて見守ることが肝要である。


死者云々とは別に、今回の豚インフルのウイルスは記事2で田代WHO委員が述べているとおり、

日本で毎年流行するAソ連型と同じ、H1N1型であるから、そのまま変異を起こさなければ、

日本人は大抵免疫を持っているのだから、さほど騒ぐことはない。


◆田代委員がいうとおり、H5N1型(強毒性。鳥インフルエンザウイルス)から新型ウイルスが出現する可能性に注意。

前回の記事にも書いたが、重複を厭わず、あえてもう一度書く。

豚インフルは、確かに世界中に広まっていて、WHOは「フェーズ4」を発し、米国で初の死者が出たが、

変異しなければ弱毒性のH1N1型である。

これが流行したからといって、強毒性鳥インフルエンザウイルスH5N1型が消滅したわけではない。

豚インフルと並行して、強毒性H5N1型が新型インフルに変異する可能性が残っている。この方が怖い。

記事3の内容は相当深刻である。インドネシアには「鳥インフルエンザウイルスに感染した豚」が

相当数発見された、というのである。一部のウイルス株は人間に感染する能力を獲得しているという。

メキシコの豚インフルは弱毒性だから、過度に神経質になる必要はないけれども、インドネシアでは、

豚経由で鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性がある。そしてそれがヒトーヒト感染する新型ウイルスに

変異したら、非常に怖い。現在のH5N1型ですら、インドネシアでの致死率は約6割と非常に高い。

さらにこれが変異した場合は、誰も免疫を持っていない強毒性ウイルスだから、

現在の豚インフルのように、世界で感染者が増えてはいるが、死者はメキシコにおいてだけ非常に高く、

(米国の死亡例も1例出たが)その他の国の感染者ではさほど重篤な症状にならない、という、比較的

「のんびりとした」状態とは全く異なる、今度こそ本当の「パンデミック」に発展するだろう。

外務省は、外務省海外安全ホームページで、初めて「感染症危険情報」

を発し、メキシコに関しては、

不要不急の渡航は延期してください

と勧告しているが(渡航情報は法令上の強制力を持たない)、本当は、

インドネシアに関しても同様の「危険情報」を発するべきではないかと思う。

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