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JIROの独断的日記
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2009年01月06日(火) 「定額給付金、首相が辞退呼びかけ方針転換」←国会議員の歳費130万円、ボーナス635万、文書通信交通滞在費月100万円

記事:「使ってほしいな」定額給付金、首相が辞退呼びかけ方針転換(1月6日21時1分配信 読売新聞)

麻生首相は6日夜、2008年度第2次補正予算案に盛り込まれた定額給付金について、

「個人に来るものを政府や党がもらえとかもらうなとかいう種類のものか」と述べ、

給付金の受け取りは個人の判断に委ねるべきだとの考えを示した。

政府は給付金の受け取り辞退に関し、「年間所得1800万円が下限」という目安を示したが、

受給辞退を呼びかけるかどうかは市区町村の判断に委ねている。

首相の発言は、高額所得者への受給辞退の呼びかけは適切ではないとの考えを示したもので、

従来の政府方針を修正するものだ。

首相自身もこれまでは受給辞退の考えを示していたが、6日は「その時になって考えたい」と述べ、受け取る可能性を示唆した。

首相は、給付金の狙いについて「消費刺激という点に意義がある。ぜひ皆さん方には使ってほしいなと思っている」と述べた。

これに先立ち、自民党の細田幹事長は同日の政府・与党連絡会議で、「景気対策なので国会議員も辞退するのでなく、もらって使うべきだ」と主張。

鳩山総務相も総務省内で記者団に「全閣僚、全国会議員、国民全体がみんなニコニコ受け取ったらいい」と語った。

一方、民主党の鳩山幹事長は「首相は高額所得者がもらうことは『さもしいことだ』としていたが、一転した。論理も矜持(きょうじ)もない」と批判した。


◆コメント:首相、幹事長、総務相。口を開く前に、もう少し考えなさいよ。

昨日の日記・ブログで、民主党は定額給付金に反対するなら、雇用対策の具体案を示せ、と書いた。

その点について、私の考えに変化は無いけれども、今日の発言に限って評価するならば、

鳩山兄弟の兄貴、即ち民主党の鳩山由紀夫の発言が正しい。


問題点の一つ目は、麻生太郎内閣総理大臣の思想の一貫性の欠如である。

定額給付金を口にし始めた当初、麻生首相は給付金は全世帯に配る、といっていた。

しかし、定額給付金は、「生活支援」と位置づけられていたのである。このため、党内から批判が出た。

一番最初にはっきり発言したのは、与謝野馨経済財政担当相で、

「生活支援>と銘打っている以上、支援を必要としない高額所得者にまで支給するのは論理的におかしい」

と言ったが、これは筋が通っている。そうしたら、麻生首相は言うことが変わってきて、一番最初に「さもしい」という形容詞を用いたのは、

12月6日、長崎の諫早で行った演説において、であるが、記録として残っているのは、2008年12月15日の参院決算委員会の会議録である。

民主党の神本美恵子議員の質疑に対する答弁に現れる。その部分を抜粋する。
神本美恵子君: 総理が記者会見で、定額給付金二兆円、雇用対策一兆円、年金の三分の一から二分の一への引上げについて、何兆円はここから出すというようなことを次々とおっしゃっておりますけれども、定額給付金のあの所得制限をどうするかというぶれに見られますように、総理の発言がぶれるということについて、国民の皆さんは、その財源はどこから出てきて本当にどうしたいのか、どうするつもりなのかということに、次々と埋蔵金からどうも出るらしい、何兆円、何兆円ということに対して、うさんくささと言っては言い過ぎでしょうか、そういう、このことが政治不信を招いているというふうに私自身も肌で感じております。いろんな方にお聞きしますと、大体どれだけストックがあって、どれだけ、どこから出せるの、次々と言っているけれどもというふうなことを申し上げておきたいと思います。

それで、麻生首相が十二月六日に長崎の諫早で演説をされた中で、この定額給付金について、貧しい人には全世帯に渡すが、私はそんな金をもらいたくないと言う人はもらわなきゃいいと、年収が一億円あってもさもしく一万二千円が欲しいと言う人もいるかもしれない、私この発言の真意は何だろうかというふうに本当に耳を疑いました。この給付金として、政府が国民の皆さんからお預かりした税金の一部を今回の緊急対策で定額給付金として配ろうという、そのお金をもらう、給付を受けることをさもしいという言い方は何ですか。これは私は、たらたら飲んで食べて寝ているだけの人の分という発言とぴっときたんですけれども、受け取ることはさもしいことなんですか、総理。

内閣総理大臣(麻生太郎君):この話は最初から、定額減税という話で最初出たように記憶しますけれども、定額減税でやった場合は、いわゆる定額の、税金も納めていないところには金が届かないことになるのではないか、したがって全家庭に行くようにすべきではないか、これが最初に私が申し上げたことだと思います。全くそれからぶれていないと思うんですが、それが最初から申し上げた言葉ですよ。それが最初に申し上げた言葉です。是非ここだけは御記憶ください。

その上で、我々としては、多くのフロー、キャッシュフローが入ってくる方々で、一億円もある方でもらう方、五百万だけれどもおれは要らぬと言う方と、これは人間いろいろではないかと。したがって、多額の金を今もらっている方でも一万二千円をちょうだいと言う方を私はさもしいと申し上げたんであって、これはみんなで困っているときにみんなで困っている人にせめて一万二千円なりなんなりということから発想した話ですから、一億も収入のある方はもらわないのが普通だと、私はそう思っております。したがって、そこのところの、これは人間の矜持の問題なのかもしれませんけれども。

(注:色太文字は引用者による。)

この発言から20日あまりしか経ていないというのに、記事によれば、首相の発言は趣旨が180度転換している。

同じ問題に関して、内閣総理大臣の発言が一貫しない、ということは、信頼性に疑問が生じる。


もう一つの問題点は、細田幹事長、鳩山総務相の発言で、彼らは、何と国会議員も定額給付金を(鳩山総務相の表現によれば)、
「ニコニコ受け取ったらいい」

と考えていることである。景気対策なのだから個人消費が増えた方がいいのは当たり前だが、前述のとおり、定額給付金の本質は、

「生活支援」、つまり、所得が減って困っている一般国民に少しでも消費の機会を与えようということである。


国会議員は歳費として、一人当り毎月130万1000円を給付され、さらに、年3回に分けて支給される期末手当、つまりボーナスが、

年間635万4480円。更に、文書通信交通滞在費という、よく分からない勘定で月100万円(年間1200万円) 支給されている。

その他も含めると、国会議員には、一人一人に年間3429万480円が支払われている。言うまでもなくこれらは、我々が収めた税金により賄われている。

税金を納めている我々は不況下で所得が減って困っているが、国会議員の歳費は、この不況下においても減らない。

政治には色々カネが要るといっても、国会議員に「生活支援」が必要とは、到底認められない。

景気を刺激するために消費するなら、今のままでも十分消費できるだろう。

にも関わらず、議員まで「ニコニコして受け取れば良い」とは、納税者に失礼だろう。

呆れて物が言えない。

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