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JIROの独断的日記
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2008年11月11日(火) 「いささかも間違ってない 田母神前航空幕僚長」←「田母神論文」は「論文」になっていない。

◆記事:「いささかも間違ってない」=制止顧みず、持論展開−顔紅潮させ反論も・前空幕長(11月11日 12:03)

「いささかも間違っていると思わない」。田母神俊雄前航空幕僚長(60)は制止されていたにもかかわらず、

とうとうと持論を展開した。11日の参院外交防衛委員会。文民統制への危機感をあらわにする

野党議員の質問に自説を繰り返し、委員席からは失笑すら漏れた。

同委員会の北沢俊美委員長は冒頭、「参考人の個人的見解を表明する場ではない」と田母神氏にくぎを刺し、

論文を「内閣の方針に反することを公表した驚がくの事態」と強い口調で非難した。

「改正すべきだと思っている」。濃いグレーのスーツにピンク色のネクタイ姿の田母神氏。

参考人席では胸を張り、正面を見据えた。民主党の浅尾慶一郎議員が「憲法は改正した方がいいのか」と尋ねると、

立ち上がり「はい。国を守ることについてこれほど意見が変わるものは直した方がいい」と力を込めた。

「いささかも間違っていると思っていない。日本が正しい方向に行くため、必要と思っている」。

自らの論文の正当性を繰り返し主張。空幕長を更迭された理由を「(論文が)多くの人の目に付き、マスコミに騒がれたと思う

」と説明すると、委員席からは「その程度の認識か」とやじが飛んだ。

民主党の犬塚直史議員が「立法府への挑戦」と指摘すると、反論したそうに右手を何度も挙げた。

発言の機会が来ると「立法府に対して挑戦というのは妥当ではない」と顔色を紅潮させ、

「自衛官にも言論の自由が認められているはずだ」と強調した。

社民党の山内徳信議員から「集団的自衛権を行使し、武器を堂々と使いたいのが本音では」と問われると、

顔色ひとつ変えず「私はそうするべきだと思います」とだけ答え、席に戻った。


◆所感:「田母神論文」は論文の体を成していない。

この問題が表面化してから、大分経つが、面倒くさいので、私は今日まで「田母神論文」を読んでいなかったが、

読まないで所感を書くわけにもいかないので、拝読いたしました。

それでまず、呆れたのは、田母神サン、ムキになっているけど、彼の書いた文章は「論文」なんて代物ではない。

論文の体(てい)を成していないのである。

歴史的事実に関して、新しく発見された事実を書くならば、或いは「新説を展開する」為には、

エビデンス(証拠)が必要である。さらにそのエビデンスの出典・所在を明記しなければならない。

最低限の常識だ。ところが、「田母神論文」はそのような形式的基本も踏まえていない。
本文冒頭から少し抜粋引用する。

日本は侵略国家であったのか 田母神俊雄(防衛省航空幕僚長 空将)

アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により日本国内に駐留している。これをアメリカによる日本侵略とは言わない。

二国間で合意された条約に基づいているからである。我が国は戦前中国大陸や朝鮮半島を侵略したと言われるが、

実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものであることは意外に知られていない。

日本は19世紀の後半以降、朝鮮半島や中国大陸に軍を進めることになるが相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。

現在の中国政府から「日本の侵略」を執拗に追求されるが、

我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである。

これに対し、圧力をかけて条約を無理矢理締結させたのだから条約そのものが無効だという人もいるが、昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない。

(注:太文字は引用者による。)。

これは驚いた。
実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものであること

と書くならば、日本と朝鮮、日本と中国は、いつ、どこで、誰と誰が、何という名称の「条約」を締結したのかを、

明記せねばならない。「意外と知られていない。」と書いてあるだけで、エビデンスが全く表記されていない。

次。
我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである。

日清戦争・日露戦争に勝ったことが、日本に中国大陸に対する権益ををもたらすのか? それが何故「国際法上合法的」なのか。

その国際法上の合理性の根拠が示されていない。話にならん。


「田母神論文」はこの調子で延々と、自らが信ずるところの「歴史的事実」を列挙しているが、

一事が万事、この調子である。こういう書き方をしては、何の説得力もない。

書き手が頑なに信じている「主観的歴史的事実」に基づいているのだ。論文ではなく、作文である。


◆自衛官のみならず、公務員には憲法遵守義務があり、完全な言論の自由はない、ということが分かっていない。

田母神氏は「論文」の中で、日本が集団的自衛権の行使を認められていないことに明らかに反発している。

彼の文章で最も問題なのは、「侵略戦争」云々が政府見解と異なること、ではない。それよりも、

田母神氏が、この憲法を変えるべきだ、という思想を表明したことである。

確かに、日本国憲法には、次の文言がある。

第十九条  思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

田母神氏は、「だから、自衛官とて何をいっても良いのだ。これを制限するのは言論統制だ」と息巻いている。

しかし、憲法改正を口に出すならば、憲法を隅から隅までよく読んでいただきたい。

憲法には、公務員の憲法遵守義務が定められている。
第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

田母神氏は、「論文」の中で「集団的自衛権も行使できない」と記述している。つまり、これを認めるべきだ、

と自衛隊を退職する前から考えていたことになる。だが、日本政府の公式見解は今なお、
集団的自衛権の行使は違憲だ。

となっている。田母神氏は自衛官であった。当然、公務員である。自衛官云々以前に公務員は、憲法を遵守する義務がある。

憲法をよく読めば、日本国民は原則として思想の自由、言論の自由を保障されているが、

公務員は、こと憲法の改正に関して、思想・言論の自由はない、と考えるべきことは明らかである。

特に武力を保持する自衛官が、憲法改正(9条改正)するべきだ、などと発言することはもってのほか。

やろうと思えば、クーデターを起こせるのだから、彼らは憲法改正を論じてはいけないのである。

自衛隊の最高指揮官は文民である内閣総理大臣であり、内閣は集団的自衛権の行使を容認していないのだから、

これに反するような論文を書いてはならない。

その程度の事も分からない人物が航空幕僚長を務めていたことが、問題なのだ。

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