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JIROの独断的日記
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2007年11月11日(日) 「インフルエンザ流行、10月の患者、過去10年で最多」なのに「タミフル服用後転落飛び降り29人に。新たに2人」と報じるマスコミ

◆記事1:インフルエンザの流行早そう 10月の患者、過去10年で最多(東京新聞 2007年11月9日 12時09分)

10月下旬に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1施設当たり0・2人と、

この時期としては過去10年で最多だったことが国立感染症研究所のまとめで9日分かった。

東京、神奈川など首都圏で報告が急増。今シーズンの全国流行の立ち上がりは早い可能性がある。

感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「首都圏で患者が増えると、他の地域にも感染を広げる恐れがあり要注意だ」と指摘。

感染研は、定点当たりの報告数が1・0人を超えると、全国的な流行開始と判断している。

流行開始は例年、12月中−下旬だが、昨シーズンは1月中旬と過去10年で2番目の遅さだった。

先月22−28日の1週間に全国約4600の内科、小児科から報告された患者数は931人で、定点当たり0・20人。

過去10年の同時期は0・00−0・09人で今年は特に多い。


◆記事2:「タミフルは大流行封じ込めの重要な薬」国連対策調整官(2007年11月9日19時5分 読売新聞)

来日中の国連インフルエンザ対策上級調整官のデビッド・ナバロ氏(58)が9日、報道各社の取材に応じた。

服用者の異常行動が社会問題化しているインフルエンザ治療薬「タミフル」について、

ナバロ氏は「因果関係に言及するには検証材料が足りないが、早期封じ込めには重要な薬」と述べた。

大流行が懸念される新型インフルエンザについては、

「数か国で鳥インフルエンザの流行が続く限り、新型インフルエンザ大流行の危険性も続く」と警告。

「日本を含めて多くの国が行動計画を整備したが、大流行が発生した時の経済的・社会的な影響を検討していない点が気になる」と指摘した。

ナバロ氏は日本の国際的な役割に関し、「各国への財政・技術支援も手厚く、国際社会で引き続きリーダーシップを発揮してほしい」と述べた。


◆記事3:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表 厚労省(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、

結果がまだ出ていないため、こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。


◆記事4:転落飛び降り29人に=新たに2人、タミフル服用後−厚労省 (11月11日18時2分配信 時事通信)

異常行動や突然死との関連が指摘されているインフルエンザ治療薬「タミフル」服用後、

新たに2人の転落・飛び降り事例が報告され、2001年の販売開始以降の同事例は計29人に上ったと、

厚生労働省が11日の薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会に報告した。

いずれも同省が10代への使用中止とした緊急安全性情報を出した3月より前の事例。2人にけがはなかった。


◆コメント:記事1〜3のまとめと記事4の不可解。

私の結論を先に書くならば、時事通信が書いた記事4は、徒に国民の不安を醸成するだけで、意味がない。

ということである。

記事1〜3をまとめ、私のコメントを最後に付け加えると次のようになる。


  • 今年はインフルエンザの流行が早そうである。

  • インフルエンザ治療薬「タミフル」が、インフルエンザの大流行防止に重要な薬であることは、WHO(世界保健機関)のインフルエンザ対策上級調整官がはっきりと認めている。

  • タミフルと異常行動との因果関係については、10月に厚労省が中間報告で「関連が認められない」と発表したばかりである。

  • それにも関わらず、記事4で分かるとおり、厚労省は、「タミフル服用後の異常行動が2人増えた」ことを、薬事・食品衛生審議会に報告した、と時事通信は報じるのみで、タミフル服用と異常行動の因果関係が証明されていないことを伝えないのは、報道として適切ではない。


◆「転落飛び降り29人」という数字は意味を成さない。日本では少なくとも年間300万人がタミフルを服用している。

全ては相対的である。

日本のメディアが「タミフル使用後の異常行動」を報じるときに共通するのは、

「飛び降りたのは合計何人になった」

と、分子・分母のうち分子しか見せないことである。分母、すなわち総服用者数を伝えなければ、確率が出ない。

WHO疫学週報という定期刊行物がある。神戸大学感染・疫学情報センターで、

WHO疫学週報トピックスとして邦訳して下さっている。

2005年4月29日版をタミフルの一般名、「オセルタミビル」で検索すると、

次の一文にたどり着く。

北半球の2003−2004 インフルエンザシーズンの間、オセルタミビルの一人当たりの使用が世界で最も多かったのは日本である。

(約600 万人の治療、人口の5%の治療に相当)

「2003−2004 インフルエンザシーズン」がいつから、いつまでなのか分からないので、最も長く2年間と考えると、1年あたり300万人になる。

多分、実際は2003−2004 インフルエンザシーズンとは、2003年秋〜2004年春だろうから、本当に服用した人数はもっと多いだろう。

タミフルが使われ始めたのは2001年である。記事4の時事通信によると、「転落飛び降り」は2001年から2007年3月までで29件。

1年に平均すれば5人である。

仮に、タミフルと異常行動に因果関係が存在するとしても、飛び降り転落が起きる確率は300万分の5。

60万分の1。0.00017%である。


◆インフルエンザは感染症なのだから、きちんと治さないと社会の迷惑だ。

日本、特に都会では可能性は低いが鳥インフルエンザに人間が感染したときの致死率は高い。インドネシアでは、既に90万人以上も死んでいる。

鳥インフルエンザでなくても、インフルエンザは感染症(伝染病)、しかも飛沫感染するのだから、

周囲にも迷惑をかける。インフルエンザをきちんと治さないで、学校や職場に行くのは、社会にとって迷惑なのだ。

最後は、各人の判断に委ねられる。

私は、面倒くさいしカネもかかるが、予防接種を受け、それでも運悪くインフルエンザに罹ったら、

さっさとタミフルを飲んでしまう。医者に聞いたら大抵1日か2日、タミフルを飲むと、治ってしまうそうだ。

但し、タミフルに限らず、どんな薬でも効くか効かないか、効いた場合でも、効果の程度に個人差があるのは言うまでもない。

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