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JIROの独断的日記
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2008年02月28日(木) 「<イージス艦事故>次官説明、虚偽の疑い強まる」←事故を与党攻撃の手段化しても空しい。

◆記事:<イージス艦事故>次官説明、虚偽の疑い強まる (2月28日21時19分配信 毎日新聞)

海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、石破茂防衛相らが海保に無断で航海長の聴取をしていた問題で、

防衛省の増田好平事務次官は27日の会見で「(事前に了解を得ていたという説明が虚偽だった)可能性は全く排除できるということではない」と述べた。

これまでの説明が虚偽だった疑いが強まった。

一方、石破氏は28日の参院外交防衛委員会で、大臣室での再聴取は自身の意向だったことを明かした。

捜査妨害とも取られかねない大臣室での聴取を防衛相自ら発案したことで、石破氏の責任追及はさらに強まりそうだ。

(以下略。全文キャッシュは、こちらに保存)。


◆コメント:国会では石破防衛相は何を追及されているのか。

事故直後は、イージス艦の不注意であるとか、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突の原因に関する報道、

しかも、事故発生の責任を、よく考えもしないで一方的にイージス艦「だけ」の責任にしようとする報道が目立った。

沈んだ漁船と乗組員はどうやら、お気の毒だが絶望的、と言う自体になったら、マスコミは、防衛省、防衛相の事故発生後の政治的な動きに注目しているのだ。

つまり、海難事故の捜査はまず、海上保安庁が行わなければならない(海上保安庁法第五条)が、

海自はヘリコプターで「あたご」の航海長(事情を一番知っている人)を、海保庁への事前に断りも無く、市ヶ谷の防衛省に連れてきて、

海上幕僚幹部という要するに、海上自衛隊の一番エラい人々が、海保庁よりも先に話しを聴き、さらに石破防衛大臣も航海長から話を訊いたというのである。

これは、海上保安庁の取り調べを受ける前に「ヤバいことはしゃべるな」と指示を出したのではないか、と野党は追及し、

中には、早くも石破防衛大臣辞めろ、と騒ぐ野党の政治家もいるわけである。

特に、最初、「海保庁に断った上で、航海長を海幕に連れてきた」といっていたのがウソだったのがバレたので、

野党は一層意気込んでいる。

自衛隊もこそこそするな、と言いたいが、たまたま起きた海難事故により、与党を攻撃する絶好の「ネタ」が出来たかのように、

喜んでいる(様に見えるんですがね)野党は、不謹慎だし、はしたないのではないか。人が(殆ど確実に)亡くなっているのである。



断っておくが、私は自衛隊のシンパではない。武器だの兵器など、大嫌いだ。

本件とは全く関係ないが、集団的自衛権の行使は違憲だと何度も主張している。

テロ特措法もイラク復興支援特別措置法もそれらにもとづく、海自のインド洋での給油活動や、

空自の輸送機がクウェートから武装兵士を輸送していること。全て、交戦中の同盟国に対する後方支援であり、

日本国憲法第9条が禁止する、集団的自衛権の行使に相当し、違憲だと、何度も書いている。


そしてまた、好き嫌いということでいえば、徴兵制を奨励するような発言すらしたことがある、あの爬虫類のような顔をした、石破という人物の思想には、

全く反対で、虫酸が走る。
しかし、天下国家を考える際に、好きとか嫌いという情緒的価値判断を持ち込むべきではないので、

今回のイージス艦と漁船の衝突事故を出来るだけ客観的に論じている。それだけである。


◆本日発売された週刊文春に、海自OBの元艦長達のホンネ

衝突事故が起きてからテレビも新聞も、とにかく、初めから「自衛隊が悪い」ありき、の報道ばかりだった。

私は、そのような思考は一面的だと書いたココログ

書いたが、私自身は海の素人であるから、それを補強する意見が欲しい、と考えていたところ、今日の週刊文春(156ページ)に

元(自衛艦)艦長たちのホンネ反論、が載っていた。まず、あたごの艦長が東京湾に入ってからも自動操舵にしていたことはとんでもない、といいながら、

かといって、イージス艦だけが悪いという報道にも疑問がある。という。

少し、引用させて頂くと、

「(我々=自衛隊は)漁船は暴走族、砂利船はダンプカー」といって、自分から近づかない様にしている。それでも津軽海峡や関門海峡など、狭い海域は、密集した漁船団の間に入らざるを得ないこともある。」

とか、
「彼ら(漁船)は非常に少ない人数で操業しているので見張りが手薄になっていることが多い。また、私は無灯火の漁船を見つけたこともあります。うちの見張り員が気付いて、数百メートル先にライトを当てて、漁船を確認しました。さらに質(たち)が悪いケースでは、(漁船が)自動操舵にしたまま寝たり、酒を飲んで操縦している事もあるのです。」

など。理屈に基づいた意見では、
「護衛艦にしてみると、避けたくても避けられないケースがある。私はイージス艦に乗っていましたが、七千トンを超える巨艦ですから、今回のように十ノット(時速18キロ)で進んでいた場合、停止するのに、後進全速をかけても350メートルから400メートルは進む。最低でも一分はかかります。テレビはイージス艦が右旋回すれば良かったと、簡単に言いますが、これも、舵を切ってから効き始めるまで十秒から十五秒かかる。その間は、惰力で200メートルぐらい直進し、それからやっと曲がることになるのです。漁船の場合は50メートルもあれば旋回することは十分可能。」

ごもっとも。必ずしも、自衛隊を庇おうというよりも、純粋に客観的な意見であると思う。

私は、事故の直後から、こういう意見・体験談も併せて取材・報道して、事故の当事者双方の責任の可能性を追求するべきだ、といっている。

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それでは、今日はこの辺で。

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