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JIROの独断的日記
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2008年02月01日(金) 「米雇用、1万7000人減・1月、4年5カ月ぶりマイナス」←アメリカが景気後退局面に陥った可能性が高い。

◆記事:米雇用、1万7000人減・1月、4年5カ月ぶりマイナス (NIKKEI NET 2月2日 午前0時31分)

【ワシントン=小竹洋之】米労働省が1日発表した1月の雇用統計(季節調整済み)によると、非農業部門の雇用者数は前月に比べて1万7000人減った。

前月の改定値である8万2000人増から急減速し、2003年8月以来、4年5カ月ぶりの減少に転じた。

信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が響き、雇用の悪化が鮮明になった。

米国が01年以来の景気後退局面に突入するとの懸念が強まりそうだ。


◆コメント:アメリカがリセッション(景気後退)に陥れば、必ず日本経済に影響を及ぼします。

アメリカの雇用統計は毎月第一金曜日の東部時間午前8時30分に発表されます。世界中が注目する指標です。

何故、「非農業部門」雇用者数(non-farm payroll payrollとは給料の支払い帳簿のこと)が注目されるのでしょう。

農業部門の従事者は景気の良し悪しに関わらずほぼ変わらないのに対して、他の産業部門では、景気が悪くなるとすぐに従業員をレイオフ(layoff)、

「一時解雇」とか「一時帰休」と訳されますけれども、要するに人減らしをするので、景気の実態をすぐに反映するのです。

アメリカの雇用統計の発表がある日は、債券、為替、金利、それぞれの先物のディーラーは東京でもロンドンでも見ています。

まだ冬時間ですから、アメリカ東部時間と日本時間は14時間差。つまり、日本人のディーラーは夜10時半の発表に備えて会社に残るのです。

米国雇用統計の発表がある日に帰るディーラーなど、おりません。それぐらい重要視されている(ロンドン時間では午後2時半ですから、楽ですけどね)。

今日の雇用統計を見て、皆真っ青になったのではないでしょうか。

まさか、ノン・ファーム・ペイロール(非農業部門雇用者数)がいきなり、マイナスになるとは・・・・予想されておりませんでした。

つい、1月25日、前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏がカナダのバンクーバーで講演をしました。そのとき、グリーンスパン氏は

「確率は、約33%としていた1年前から確実に上昇した」

としたうえで
「リセッションの確率は50%、それ以上になっているかもしれないが、まだリセッションには陥っていない」

と述べました。そして、5日後の1月30日、ドイツのウェルト紙のインタビューに答え、やはり、

「米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性は少なくとも50%ある」

と繰り返しています。

リセッションは正式にはアメリカの定義では実質国民総生産(GDP)が2四半期連続して、対前年比でマイナスになったときを指すのです。

だから今日、非農業部門雇用者数が前月比マイナスになった=リセッションと断定するのは気が早すぎるのです。

しかし、私が非常に気にするのはグリーンスパン氏のこういう予想は大変良く当たるからです。

だからこそ、氏は18年間(レーガン大統領の頃から)もの長きに亘ってFRB議長という、金融政策を0.05%間違えてもアメリカ経済、

ひいては国際経済を混乱に陥れかねない大変な重責を任されていたのです。その人が「米国は既にリセッション入り」しているのではないか」

という口ぶりなので、大変恐ろしい。

世界経済が元気なときならいいですけどね。どの地域も景気が悪いでしょう。

日本の車、アメリカで売れないから、ヨーロッパで売れるか、アジアで売れるかっていっても限度があります。

「日本経済が内需主導型になっていないのがいけないのだ」という意見を良く伺いますが、じゃ、どうやって内需を喚起するのですか?

個人所得が増えず、原油が高騰し、様々な商品の価格が引き上げられています。家計の支出が増えるでしょうか?

貴方、今、車買いますか?家を新築しますか?或いはマンションを買いますか?どんどん旅行しますか?

とどめを刺すかのごとく、サブプライムローン問題で株価は下がる、株をやっている人、どんどん含み損が増えますね。

他所の国も似たり寄ったりです。

だから、今日の米国雇用統計は、非常にやばい。世界同時不況の前触れかも知れん。ということです。

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