外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2008年01月25日(金) 「<巨額損失>仏銀大手、トレーダーの不正取引で7600億円」←どれぐらいものすごい大事件か。

◆記事:<巨額損失>仏銀大手、トレーダーの不正取引で7600億円(1月24日22時49分配信 毎日新聞)

【ダボス(スイス)藤好陽太郎】フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラルは24日、

男性トレーダーの不正取引で49億ユーロ(約7600億円)に上る巨額損失が発生したと発表した。

1人のトレーダーの不正による被害額としては、世界で前例のない規模。同行の株主の弁護人は同日、パリ検察に詐欺、背任などで告発の手続きに入った。

中央銀行のフランス銀行も調査に乗り出した。

不正をしたのは欧州株指数の先物を扱うトレーダー、ジェローム・ケルビエル氏(31)。

昨年から今年初めにかけ、権限を大幅に越えて不正な取引をし、巨額の損失を抱えた。

取引内容は特殊なものではないが、管理部門で取引手順を熟知していたことを悪用し、損失を架空取引で隠そうとしたという。

不正は19日に発覚し、同行はケルビエル氏を解雇した。

これとは別に同行は米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で新たに20億5000万ユーロ(約3200億円)の損失が出たことも明らかにした。

損失を穴埋めするため、同行はモルガン・スタンレー証券などを引受先に55億ユーロの緊急増資を行う。

同行取締役会は、ブトン会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任申し出を否決した。

金融界では英投資銀行ベアリングズが95年、トレーダーの株式先物取引の失敗で約1400億円の損失を出したことが発覚し、破綻(はたん)した。

日本でも同年、大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店で嘱託行員が債券売買の失敗で約1100億円の損失を出したことがわかり、

組織ぐるみで報告を遅らせたとして米国から撤退を命じられた。


◆コメント:思わずめまいがしました。

ソシエテ・ジェネラルってのは、日本なら東京三菱とか三井住友のような超有名な由緒ある銀行です。フランスの国家銀行みたいなものなんですよ。

一人のトレーダーが7600億円の損失を出したということが私には、どうしても信じられません(理由は後述)。

7600億円とは、東京三菱や三井住友の1年間の利益(経常利益)に匹敵する金額です。

ソシエテ・ジェネラルってのは、一体どういうリスク管理体制を敷いているのだ。と不思議でなりません。


トレーダーとかディーラー(同じです)というとカッコイイけど、この商売は博打打ちと同じ資質の持ち主が向いているのです。

株式指数の先物のディーラーだということだから、要するに上がるか、下がるか。丁半バクチなのです。

毎日ニュースで為替や株式市場の水準を伝えるときに、例えば(例えば、ですよ)「アメリカの金融不安がやや和らいだことを好感して」

などといっていますが、あれは銀行や証券会社のディーラーに電話でインタビューしたのをそのまま受け売りしているのです。

そして、実際のディーラーは売り買いするとき、論理に基づいて取引してなんかいません。勘です。本当にバクチなのです。

テレビや新聞から「何故あがっているのですか?」と訊かれるときに、「何となく」じゃ、納得してくれないので、後付けで理由を考えているだけで、

あれは、全部口から出任せのデタラメです。それがディーラーという人種です。

それでも、儲かっているうちはいい。逆に動き出したときが、怖いのです。

損したら取り返そうとして、倍を仕掛ける→また損をする→更に大きな金額でディールをして取り返そうとする。

放っておいたらそういう行動に出る。まさにバクチでしょう。だから、彼らにそうさせないような仕組み、管理システムがあるのです。



国際的な業務を行う銀行のリスク管理体制というのはBIS(国際決済銀行)のバーゼル銀行監督委員会というところで決めている。

どれほど、五月蠅いか、金融庁のバーゼル銀行監督委員会というページを見て下さい。

これら全てがディーラーに関係することではありません。金融機関のリスク管理といっても色々種類があるからです。

この中だと、例えば、平成12年9月7日 「バーゼル委員会が外為取引における決済リスクに関する指針を公表」などは、関係ありますね。

どうして五月蠅いかというと、一つの銀行の問題ではないからです。ソシエテ・ジェネラルをフランス政府は潰さないだろうけど、

潰れてもおかしくないぐらいの損失だから、ソシエテに資金を貸していた内外(フランスから見て)の銀行が資金を取り戻せなくなる。

その銀行もどこからか資金を短期金融市場で借りている。ソシエテの返済をアテにしていたら、回収できないので、自分の銀行の資金繰りがつかなくなる。

ということで、世界的に金融システムがパニックに陥るからです。

それにしても、ソシエテは何をしていたのかな。ディーラーがどういう取引をして、今の持ち高がいくらかということは、

ミドルオフィスという部署がリアルタイムで把握してい無ければいけないのです。勿論そういうシステムを構築するのです。

一人のディーラーが持てるポジションの極度は決まっていて、それを超えそうになったらただちにアラートが発せられる、

または、そのディーラーが取引出来なくする。と日本の金融機関ですらそれぐらいやってます。

やっていないと、金融庁の検査が入ったときに厳重注意か、業務停止命令が出るのですよ。

ちょっと嫌味を言いたいのは、欧米の金融界の人々は日本のリスク管理システムが遅れていると、散々いっていました。

それなのに、ソシエテ・ジェネラルのこのザマはなんですか?

この事件では、ディーラー本人は勿論ですが、所属部署の部長、担当役員、いや、それどころか頭取ぐらいまで首が飛んでも仕方がない。

監督官庁(日本で言えば金融庁)の検査官の統括責任者も更迭です。それぐらいの超・大不祥事なのです。

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