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JIROの独断的日記
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2006年11月13日(月) 1989年11月13日、島根医大で日本初の生体肝移植が行われたのです。

◆昨年も書いたが、何度でも書く。

17年前のことである。

島根医大が昭和40年代の心臓移植(これは、脳死移植だが、本当に脳死だったのか、など、大問題になった)の失敗以来、
ずっとタブーとされてきた移植を、「初めて」行ったのである。

臓器も違うし「生体」肝移植だが、とにかく、それまでは異常なほど「移植」に対して、日本の医学界は「触らぬ神に祟りなし」だったのだ。

それを、敢えて決断した。

その勇気は、多分、私のような素人の想像を遙かに超えるものだったに違いない。



この過程を知るためには、やはり、決断―生体肝移植の軌跡を読むしかない。

新刊は無いが、リンク先を見れば分かるとおり、古本(マーケットプレイス)に70円から並んでいる。

そのページにある書評は私が書いたものだ。

この手術に関して私が書いたものの中では、比較的マシな方なので、ここにも載せる。


◆「決断―生体肝移植の軌跡」日本で最初に生体肝移植をしたのは島根医大だ

日本で最初の生体肝移植を行ったのは、他ならぬ島根医大だ。

昭和40年代、北海道の大学病院が心臓移植手術に失敗して、執刀医が殺人罪の容疑までかけられてから、

30年以上も日本の医学界では「移植」はタブーだった。

本書は、題名「決断」の文字通り、永年の禁忌を打破して、移植手術を行う「決断」を下すまでの葛藤と、

術後の合併症と医師団との壮絶な闘いの記録からなる。

いずれも、貴重な記録だが、特に、手術を決める、当時の永末助教授の覚悟が並大抵ではなかったことが良く分かる。

「我々は肝移植を標榜している。赤ん坊は死にかけている。家族は結果は問わないから、手術をしてくれと言う。これでこの手術を断るなら、明日から肝移植の研究など止めよう」

と、病院スタッフに語りかける場面はご本人の控えめな文体からも、ものすごい迫力が伝わってくる。

永末医師は、この手術に失敗したら大学を追われることを覚悟して、その時には故郷の福岡で開業すればよいと思った、と本書では書いているが、

NHKの「プロジェクトX」に出演したとき、本当は、「医師も辞めなければならないかも知れない、

そのときは私は英語が得意だから、塾で英語の先生をすれば、食べられるだろうと思った」といった。

ここまで立派な先生がいたのか、と感激する。

杉本裕也ちゃんは残念ながら無くなったが、ご両親はそれでも、永末医師らスタッフに感謝していたことからも、医師の誠意が良く分かる。

島根医大の様子を見てから、京都大学や信州大学が次々に生体肝移植を行い、成功した。

京大が書いた岩波新書の「生体肝移植」の方が本書よりも有名になってしまった。

だが、「初めにやること」ほど大変なものはない。

永末医師の「決断」がなければ、今でも日本では生体肝移植は行われていなかったかも知れない。

本書は医療を語る書物の金字塔と言っても過言ではない。


◆「洪庵のたいまつ」にある「洪庵の訓戒」そのものなのだ。

あまり付け加えることはないのだが、ひとつだけ。

私はこの手術よりずっと後、一昨日話題になった、「二十一世紀に生きる君たちへ」と同じ本に載っている「洪庵のたいまつ」を読んだのだが、

その一節を目にして「あっ!」と思った。この箇所である。

洪庵は、自分自身と弟子たちへのいましめとして、十二か条よりなる訓かいを書いた。その第一条の意味は次のようで、まことにきびしい。

医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。ただただ自分をすてよ。そして人を救うことだけを考えよ。

お分かりの通り、永末先生たちがなさったことは、まさにこのままではないか。

洪庵が知ったら、さぞや喜ぶことであろう。

立派な人々がいるものだ。


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2005年11月13日(日) 16年前の今日(11月13日)日本で初めての生体肝移植が行われました。
2004年11月13日(土) <イラク派遣>陸自第4次隊の第1陣200人が出発←国家非常事態宣言が出ている、大規模戦闘中の国にね。
2003年11月13日(木) <イラク>イタリア軍警察の駐屯地前で爆発 20人死亡 ビンラディンが名指しした国が次々と狙われている。日本も含まれている。
2002年11月13日(水) 本日の、テレビドラマ「サイコ・ドクター」における情報は概ね正しい。

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