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JIROの独断的日記
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2006年08月06日(日) 「銀行強盗:警官が拳銃発砲、ナイフの男に当たる 横浜」 命を賭して任務を遂行している警察官もいる、という事実。

◆記事1:銀行強盗:警官が拳銃発砲、ナイフの男に当たる 横浜

10日午後1時10分ごろ、横浜市磯子区中浜町の横浜銀行磯子支店(橋本智暢支店長)に男が押し入り、「拳銃、ナイフ、爆発物を持っている。金を出せ」と書いたメモを橋本支店長に渡し、男性警備員をいすに座らせ両手をロープで縛った。男は非常通報で駆けつけた磯子署地域課の男性警部補(46)にナイフを向けたため、警部補が「ナイフを捨てろ。捨てないと撃つ」と警告。捨てなかったため、約2メートルの距離から拳銃で2発発砲した。弾は男の首などに当たった。男は強盗未遂容疑で現行犯逮捕後、病院に搬送されたが、命に別条はないという。縛られた警備員や店内の客ら約35人にけがはなかった。

 調べでは、男は自称韓国籍で「ブンコウイチ、40歳」と名乗っているという。カウンター内で橋本支店長から現金約1000万円を受け取っていた。

縛られた男性警備員の近くにペットボトルなどを粘着テープで束ねた物体が置かれていたが、鑑定の結果、爆発物ではないことが判明。現金も現場に残されたままで被害はなかった。

同署は男の回復を待って強盗容疑に切り替え、動機を追及する。

拳銃使用について磯子署の佐藤正義副署長は「容疑者が警察官に向かってきた際に警告の上で発砲しており、適正と判断している」と話した。

(毎日新聞) - 8月10日21時57分更新


◆記事2:拳銃発砲 警官が刃物男に…双方負傷 東京・葛飾の路上

4日午前10時40分ごろ、東京都葛飾区新小岩1の路上で、包丁を持った男を警視庁葛飾署地域課の巡査部長(46)と同課の巡査長(26)が取り押さえようとしたところ、男が切りつけてきた。

巡査部長は男に向け拳銃を3発発射。巡査長も1発発射した。男は左肩と両足に計3発銃弾を受けた。巡査部長も男に左腕を切られ、2人とも重傷。

同署は殺人未遂と銃刀法違反などの容疑で男を現行犯逮捕した。男は現場近くに住む無職、二階堂豊容疑者(32)。病院で治療を受けており、回復を待って取り調べる。

調べでは、二階堂容疑者は上半身裸で、文化包丁(刃渡り16・5センチ)と果物ナイフ(同11センチ)を振り回していた。

当時、巡査部長らはパトカーで付近を巡回中。「夫が包丁を持って飛び出した」との110番で現場に急行したという。

現場はJR総武線新小岩駅近くの商店街の一角。

目撃した小学5年男児(10)は「警察官が、男に『包丁を落としなさい』と言ったが、男は警察官の肩を切った。警察官は『放せ』と言いながら男の足に撃った。

男が逃げると、警察官は『追え』と若い警察官に指示していた」と話した。

同署の熊本勇署長は拳銃使用について「現時点では適正な職務執行と考えているが、さらに現場の状況を確認したい」とのコメントを出した。

(毎日新聞) - 8月5日17時13分更新


◆コメント:警官が発砲するというのは、相当な決意が要るのですよ。

警察官の武器使用が許される状況、に関しては、警察官職務執行法という法律で、かなり厳密に定められております(第7条)。

しかし、これだけだと、警察官が発砲できる状況がかなり限られ、その結果、警察官の殉職が増加しました。

そこで、警察の元締め、国家公安委員会の「国家公安委員会規則」第七号、警察官等けん銃使用及び取扱い規範を改正しました。

リンク先を見ると分かりますが、第二章 使用等(第四条―第十条)で、かなり具体的に書かれています。

一口に「武器の使用」と言いますが、ここでは、
(あらかじめけん銃を取り出しておくことができる場合)、

(けん銃を構えることができる場合) 、

(威かく射撃等をすることができる場合)、

(相手に向けてけん銃を撃つことができる場合) 、

それぞれ厳密に規定されている。
そして、一発でも発砲したら、直ちに上司(所轄ならば署長でしょうね)に「報告」しなければならない。これが、如何にも面倒臭いのです。


  1. 使用の日時及び場所

  2. 使用者の所属、官職及び氏名

  3. 危害の内容及び程度

  4. 使用の理由及び状況

  5. 事案に対する処置

  6. その他参考事項(使用したけん銃の名称、型式、口径、銃身長及び番号を含む。)


を報告書にまとめなければなりません。


◆それでも、敢えて発砲したのだから、余程切迫した状況だったのでしょう。

単なる「三面記事」として読むと実感が湧きませんが、今日の銀行強盗の場合、犯人を撃つか撃たないか瞬時に判断を下すのは大変だったと思います。

自分がその警察官だったならば、と想像してみると、分かるのではないでしょうか。

犯人を撃たないで、銀行の警備員が犯人に刺し殺されたら、マスコミの袋だたきに遭う。

発砲したらしたで、「本当に発砲する必要があったのか」という奴が必ず現れる。世間は勝手なものです。



記事2の事件も、同様に、自分が警官でその場にいたなら、と考えてご覧なさい。

果物ナイフと包丁を振り回す犯人に向って行くのですよ。文字通り命懸けですよ。

しかも、いきなり発砲せずに、まず、「包丁を捨てろ」と警告したのに、犯人は警官を切った。それで、やむを得ず発砲したのです。

自分は傷を負いながら、なお、部下に「犯人を追え」と指示していたのです。立派だと思います。


◆日本人の減点主義、褒め下手。

日本人は警官(に限りません)が、不祥事を起こしたときには、鬼の首を取ったが如く糾弾する。

それなのに、記事1,2のように、命を賭して任務を遂行した人の事は、全く褒めません。これは不公平ではないかと思います。

これが、警官の仕事だから、やるのが当然で、褒めることはない、というのでしょう。

私は、もしも、自分がその場の警官だったら、刃物を振り回す犯人に、向っていけるか、自信がありません。

警官の不祥事を批判するのなら、忠実に使命を果たした警察官は評価するべきだと思うのです。

大人と言えども、褒められてうれしくないわけがないのです。どうも日本人はその辺が下手だとおもいます。

減点ばかりで、あたかも、他人を褒めると損をする(そんなはずがあるわけはないのだが)と考えているかのようです。

他人の仕事を尊敬し、素直に称讃するのは大切なことだと思います。


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