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JIROの独断的日記
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2006年07月25日(火) 「バッハとヴィヴァルディが同じ命日(7月28日)」だとは知らなかった。お薦めCD2枚。

◆年表を見ていると思いがけない偶然に気づくことがあります。

今年の2月4日の日記に、ハイフェッツとクライスラー(バイオリニスト)の誕生日が同じ2月2日、2月3日はメンデルスゾーンの誕生日、とは気が付かなかった。

という文章を書きました。

意外とこの類のことがあるものです。1年は365日又は366日しかないので、当たり前ではないかと言われれば其れまでですが、そういってしまうと実も蓋もない

(話が逸れます。先日の日本語講座の続きじゃないけど、こういう場合「実も蓋もない」というべきところで、

「元も子もない」という人がかなりいますが、意味が全然違います。)



昨日(7月28日)音楽年表を見ていて、たまたま気が付いたのですがバロックの巨匠2人、

ヨハン・セバスチャン・バッハ(J.S.バッハ:1685〜1750)とアントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)は、ほぼ同時代を生きた人で、

もちろんバッハはドイツでヴィヴァルディはイタリア(ヴェネツィア生まれですが、亡くなったのはウィーンなんだってさ。)の人ですが、

二人とも7月28日が命日なのでした。


◆作曲家のエネルギー。

バッハは享年65歳、ヴィヴァルディは享年63歳。当時としては長命ですね。

やはり生命力が強いのですね(夭逝した作曲家はどう説明するのだ?と訊かれると困るんだけどね)。

作曲なんてデスクワークで体力は関係ないと思ったら大間違いで、人類史上(というと大げさですが)、

パソコンで楽譜を入力できるようになったのは、言うまでもなく、「つい、さっき」であって、

歴史に名を残す偉大な作品は、作曲家が、全部一音一音、五線譜を音符と休符、その他の記号で埋めていったのです。

楽譜を売っている店に行く機会があって、オーケストラ・スコア(ポケットスコアと呼ばれるB6版のものです)のコーナーがあったら、

ちょっと見てみると分かりますが、バッハやヴィヴァルディの頃の「オーケストラ」は、

後年の、例えば、ベルリオーズ、マーラー、ブルックナーの時代から見れば、実に「小さい」(楽器の種類、パート(声部)の数が少ない)のです。

それでもあれだけの音符その他を一つずつ書くのは大変ですよ。嘘だと思ったら、何でもいいからスコアを買って、一ページ書き写してみると良いです。

どんなに大変か良く分かります。

その上に、バッハは生涯で千曲以上書いているんです。

カンタータなんてのは、ライプツィッヒの宮廷楽長時代、毎週日曜日に礼拝があって、その度に新しい曲を書いていたんですから、すさまじい。200曲以上書いているのです。



また、これは音楽とは関係ありませんが、バッハは生涯で二人の妻との間に何と20人の子どもを作りました。

そのうち13人は早くに亡くなりました。

13人の子どもの死を看取ってなおかつずーっと作曲していた精神力(?)も常人ではない。



ヴィヴァルディは何と言っても協奏曲ですけど、500曲から600曲も書いている(あまりにも有名な「四季」はその中の一作品です)。

その他に協奏曲ほどではないけど、オペラも50曲近く、その他に色々な楽器(自分がバイオリン弾きですからバイオリンが多いですけど、

チェロとか、フルートとリュート(大雑把に言うとギターの前身みたいなもんです)の為のソナタが70曲、その他諸々。

ヴィヴァルディは喘息の持病があったというけど、それでもとにかく書いてしまうのですから、結局生命力がすごいんですよ。


◆お薦めCD1枚目

ウンチクを傾け出すとキリがないので、本題に入ります。

バッハですけど、先日バイオリン協奏曲をお薦めしたばかりなので、私としては珍しく合唱とオーケストラの曲「カンタータ」

(毎週一曲書いていたんです。それが200曲以上もあるのです)の中で最も有名な、つまり、美しいので有名な、

「主よ、人の望みの喜びよ」と、その他の作曲家の曲も含むCDをお薦めします。

これは、ナクソスだから何と1,000円しませんが、疲れたときに非常に慰められます。



細かい話で恐縮ですが、「主よ、人の望みの喜びよ」(←これ、文字で見ると簡単ですけど、声に出すと言いにくいですよ。

10回続けて言えたら、アナウンサーの素質があるかも知れません)は、カンタータ147番という全部で10曲から構成される一作品の中の一曲なんです。

くどいようですが、バッハはそういうのを毎週一曲のペースで書いていたのです。



「主よ、人の望みの喜びよ」はあまりにも美しいので、ピアノ曲やオーケストラ曲などいろいろな形態に編曲されていますが、

やっぱりね。コーラスが入った原曲が一番いいです。


◆お薦めCD2枚目

ヴィヴァルディにいきます。ヴィヴァルディと言えば「四季」ですね。

CDが発明されてからは、やたら大編成でダイナミックレンジ(ピアニッシモからフォルティッシモまでの音量の幅です)が広い、

マーラー、ブルックナーなどが好んで聴かれるようになりました。

それがCDの特徴の一つでアナログ・レコードの時代は、弱い音に合わせると強い音が割れる。

強い音に合わせると、弱い音が不明瞭になるという難しさが録音する人にも、再生装置を作る人にもあったのですね。



しかし、CDが出来る前は、日本人が買うクラシック(正確にはバロックです)レコードで毎年売上げ一位は、ずーっと「ヴィヴァルディの『四季』」だったのです。

でもねー。「四季」はですねー。わたしゃ、ちょっとこれは、耳にタコが出来たので、今回はパスします。



ヴィヴァルディは外にも色々な楽器(四季はバイオリン協奏曲です)、チェロ、リコーダー、ファゴット、オーボエなどの為にも協奏曲を書いています。

今回聴いていただきたいのは、このCDです。特に最初の「二つのトランペットの為の協奏曲」です。

ピアノなどの人に聴かせると、2つのソロ・トランペットパートを「こんなの、簡単じゃない?」というんですけどね。

あのね。違うの。

この当時のトランペットには、今の楽器のように3本のバルブはついていなかったのです。

単なる、真鍮で出来た「管」にマウスピース(吹き口)を付けただけ。自然倍音を利用して、息のスピードの調整だけで音程をコントロールしていたのです。

その意味では、現在の「進化した」ラッパを吹くより遙かに難しい。



バッハの「ブランデンブルク協奏曲第2番」でもトランペットが活躍しますけど、あれなんか、今のラッパでも難しい。

細かい装飾音とか、トリルが沢山出てくる。それを息と口だけでやっていたのです。

ヴィヴァルディもバッハもそういう曲を書いたのは、「それを吹けるトランペット奏者がいた」ことを前提としているわけです。

天才的な名人がいたのでしょう。



さて、ラッパの話が長くなりましたが、その他、このCDには、オーボエ、チェロ、ヴァイオリン、そしてマンドリン協奏曲が入っているのです。

私は、大変失礼ながら、「マンドリン」というと「古賀政男メロディー」なんかを常にトレモロで弾く「あの楽器」という先入観、

はっきり言って偏見をもっていましたが、ヴィヴァルディの曲を聴いてからは、マンドリンを見直しました。

バイオリン協奏曲には、バイオリンを習うと必ず弾く(鈴木メソッドだと第4巻でしたっけ?ついに、第一ポジションから離れて、第3ポジションから弾き初め、初めてのポジション・シフト!)、

イ短調の曲が入っています。これ、好きなんですよ。何だか懐かしい感じがする。

音楽はそういうものだと思います。

N響の鶴我さんだって、エルマン(という昔のバイオリニスト)の「ユーモレスク」を聴くとホッとする、などと書いておられる。

好きなものは好きなのですよね。

これもナクソスだから、1,000円しない。お薦めです。

これらのCDを聴くと、ベルリンフィル、ウィーンフィルばかりがオーケストラではないし、有名ではなくても上手い演奏家がいる、

ということが良く分かります。当たり前なんですけどね。それも収穫でした。


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