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JIROの独断的日記
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2003年07月25日(金) 「衆院本会議 内閣不信任決議案を否決 」結果は分かりきっているが、野党の言っている事は妥当だと思う。

◆記事:
野党4党が提出した小泉内閣不信任決議案を議題とするため、衆議院本会議が25日午後3時から開かれ、採決の結果、与党の反対多数で否決された。

 決議案の趣旨弁明に立った民主党の菅直人代表は、「この通常国会は、小泉首相の『この程度の公約は大したことない』発言に始まり、『どこが非戦闘地域かなんて、分かるわけない』という、考えられないような無責任発言で終わろうとしている。まさに小泉首相と自公保政権の無責任さのすべてを語っている。大義を欠いたイラク戦争支持やイラク特措法など、日本を誤った道へ導こうとしていることに対し、政権交代によって日本を救い出すべきだ」と表明した。

 菅代表は、不信任の具体的理由として(1)構造改革が全く進んでいない(2)経済の失政(3)政治改革を後退させている(4)党内や自ら任命した閣僚も抑えられない指導力欠如(5)米国に追従し、戦地に自衛隊を送ろうとしている無責任さ−−などを指摘。小泉首相自ら国会を解散し、国民の声を聞くべきだと結んだ。

◆所感:政権交代すれば必ず良くなるかは分からないが、小泉氏は無責任だ。

 野党が不信任決議案で挙げた理由は、いずれも正しいと思うが、特に、イラクへ自衛隊を送ろうとしているのは、本当に無責任だと思う。

 いまでも、イラクのゲリラは生き残っていて、アメリカ兵が殺されている。イラク武装集団は、「アメリカを支持する勢力には、同じ制裁を与える」、つまり、殺すと豪語しており、これは、本気だろう。

 自衛隊が現地で活動するのは非戦闘地域に限られるというが、戦闘地域と非戦闘地域は車道と歩道のようにはっきり分かれているわけではない。とくにゲリラ兵士にとっては、そんな区分は何の意味も為さない。だから、自衛隊も十分に標的になるのである。

 そして、今の日本政府がけしからんのは、イラク戦争においては劣化ウラン弾という、放射能を撒き散らす砲弾が使われたのは、アメリカ自身が認めている(戦争中に、ブルックス准将という米軍人が使ったと明言した)にも関わらず、これを、わざと過小評価していることだ。

 6月27日に川口外相は「米軍は劣化ウラン弾をほんのわずか保有し、その安全性を確信していると述べています」と国会で答弁した。

 小泉首相に至っては、「国際機関などの調査では、人体や環境にほとんど影響がないとの内容がある」と、でたらめというほかはない発言をしている。気は確かか?

 米国は湾岸戦争で劣化ウラン弾を百万個以上も発射した。劣化ウランとは原子力発電や核兵器を作るプロセスでウランを濃縮したあとにできる。残りかす。

 劣化ウラン弾は爆撃によって直接的に人を殺傷するだけではない。爆発したあとに、その周囲に放射能を含んだ粒子をばら蒔く。人の肺に吸い込まれた粒子は、人体を放射能で汚染して、白血病や癌を引き起こす。その結果イラクでは湾岸戦争のあとに、様々な先天的奇形(水頭症、無脳症)を持ったこどもが生まれて、幼くして死んでいった。

 小児癌はその後も増えつづけ、ある病院の統計だけをとっても、95年から2000年までに、242%も増加した。劣化ウラン弾の後遺症としか説明がつかないという。その惨状は日本人カメラマンの記録でも明らかなのである。

 人体に殆ど影響が無い、などというのは、全くのたわごとなのだ。アメリカは湾岸戦争の傷が癒えていないというのに、今回の戦争でまた劣化ウラン弾を用いたのである。こうなると、その残虐性はヒットラーのホロコーストとあまり変わりは無いのではないかと思うのである。

 日本は、「イラク復興支援法」などという偽善的な言葉を用いた法律を作るぐらいならば、始めから,絶対戦争反対、と叫ぶべきだった。ところが、現実にはこの残虐行為を世界で最初に積極的に支持してしまった。

 小泉氏はこの一事だけをとっても取り返しのつかない失策をしでかしているのに、今度は、イラクのゲリラ兵士に狙われ、放射能を被爆するのが明らかな場所に自衛隊を送り込もうというのである。

 私は、どこの政党にも政治的・宗教的団体にも所属していないし、特定政党を支持するものではないが、今日に限っていえば、菅代表が言ったことは、客観的に判断して、正しいと思う。小泉政権がやろうとしている事はとんでもなく、非人道的な、無責任な行為だ。


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