外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2006年01月22日(日) 「明日、食品関連株が暴落、東証システムは大丈夫か」などよりも、本質的な問題がある。

◆コメント:東証もつくづくツイていませんな。

 

 東証は、先週、システムダウンを恐れ、自ら全銘柄の取引を停止したところ、非難囂々で、

 私は「何でも東証の責任にするのは正しくない。」と書いた。

 しかし、与党の追及がうるさく、従って与謝野金融相も何らかの対応を東証に求めざるを得なくなり、

 東証は突貫工事で、この土日で、一日に処理可能な取引約定件数を先週まで400万件だったのを、500万件に引き上げた。

 本日、テストした限りにおいてはシステムは正常に稼働するとのことだが、

 何せ、ライブドアだけでも大変な件数になる(やたらと株式分割したから、口数が多いのだ)のに、

 この週末、BSE問題が発覚した。

 当然、明日は朝一番から食品関連株が暴落するだろう。暴落は知ったことではないが、

 東証の処理能力が、早くも不足することが十分に予想される。


◆コメント:どこまで増やして良いか分からない。こういう設備投資は民間企業に任せて良いのか?
 

 小泉純一郎内閣総理大臣のバカの一つ覚え、「官から民へ」の言葉どおり、

 東証は民営化された、株式会社だから、無尽蔵に設備投資するわけにはいかない。

 これは、「何でも東証の責任にするのは正しくない。」の繰り返しになるので、ここでは、省く。


◆コメント:もっと本質的な問題は、ライブドアのような「違法な株」は他にはないのか?ということだ。

 

 実は、これは、国会会議録で、民主党の岩國哲人衆議院議員の質問を読んだ、受け売りである。

 国会会議録検索システムで、

 平成17年2月7日、衆議院、予算委員会、発言者=岩國哲人と入力すれば、簡単に検索できる。


◆資料:2005年2月7日衆議院予算委員会会議録より抜粋

 以下、昨年2月7日衆議院予算委員会会議録の抜粋。

【引用開始】

○岩國委員 総務大臣、厚生大臣、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。

 次に、西武鉄道の株式の問題について質問させていただきます。

 西武鉄道の株式取引について、違反状態で長年取引が継続されておったということは大変残念なことであります。

 こうした点について、金融庁としては、いつから違反状態が発生し、

 その結果として不測な損害をこうむった投資家は、投資金額はどれぐらいなのか、

 徹底的にこれは調査すべきじゃありませんか。

 きょうも、この瞬間も、違反状態にある株式が東京証券取引所で取引されているんじゃありませんか。

 そういう疑惑の中で、取引所の中で取引されているものには違反状態にあるものはないんだという潔白宣言がいつできるのか。

 どうぞお答えください。



○伊藤国務大臣 委員が御指摘をされた事例も含めまして、昨年の秋以来、不適切な事例が続いております。

 私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、

 適切なディスクロージャーが極めて重要であると考えておりまして、こうした観点から、

 国民のディスクロージャー制度に対する信頼を確保していくために、その対応策を昨年の十一月、

 そして十二月に公表をさせていただいたところでございます。

 その中の対応策の一つ一つを強力に進めていくことが重要だというふうに考えておりまして、

 今、その違反状況を是正していくことが重要だというお話がございました。この対応策の中でも、

 開示企業すべてに対して、有価証券報告書の正確性、これを自主的に点検をしていただきたい

 その要請をさせていただいて、すべての開示企業から報告をいただいたところでございます。

 その報告の内容を私どもとして精査をして、

 そして適切なディスクロージャーをさらに進めていくための対応策というものを

 さらに進めていきたいと考えているところでございます。

○岩國委員 私がお伺いしているのは、潔白宣言がいつまでにできるというめどは全くないのかどうかということ

 もう一度お答えください。

○伊藤国務大臣 今、答弁をさせていただきましたように、昨年の十一月、そして十二月に公表させていただいたこの対応策、

 その一つ一つを強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。

 先ほど来お話をさせていただいているように、まず開示企業の自主的な点検

 これを要請させていただいたところでございますし、

 また、各取引所においても、その上場のあり方について、

 これを見直していただくことを要請させていただいて、

 その要請を踏まえて見直しについて実施をされているところでございます。

 そうしたさまざまな施策というものを展開しながら、委員から見ても、そして投資家から見ても、

 日本の証券市場の信頼性というものは間違いないものである、

 そういうふうに信頼性というものを確保できるために、

 私どもとしても一生懸命努力を続けてまいりたいと考えております。

○岩國委員 私の質問に二度も答えていただけなかったということは、

 要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、

 しばらくの間、疑惑の、違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。


【引用終わり】


◆コメント:これ以後も金融庁からは何の発表もない。 

 

 上の伊藤金融相(当時)の答弁を読むとあきれるが、西武鉄道の粉飾決算があったので、

 全ての上場企業に、自分の会社の決算書を「自主点検していただいている」と答えている。



 決算が赤字なのを黒字だと偽る「粉飾決算」をしている会社が、

 金融庁の「自主点検の要請」に応じて、馬鹿正直に「すいません。嘘をついていました。」と答える訳がない。

 因みにこの答弁の2か月後、カネボウの粉飾決算と、

 粉飾決算に中央青山監査法人という、日本有数の会計監査の会社がグルになっていたことが明らかになった。

 東証一部ですら、この有様なのだから、

 東証マザーズなどというベンチャー企業用の株式市場に上場している新興企業は、

 もっと懐疑的に点検するのが監督官庁の義務なのに、それに関しては、政治家も役人もマスコミも誰も言及せず、放置していた。

 このことの方が、大きな問題である。



 岩國議員の質問の最後は、

 

「私の質問に二度も答えていただけなかったということは、

 要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、しばらくの間、疑惑の、

 違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。」



 と、結ばれているが、まさにその通りかも知れないのである。

 つまり一瞬にして紙屑になるかも知れない株式が、合法の株として証券取引所に上場し、

 売買されている可能性が大いにあるという状況こそが、とんでもない問題である。



 これは、当然、監督官庁である金融庁の責任。

 金融庁は内閣府の外局。

 つまり言うまでもなく行政府である内閣の責任であり、

 内閣を代表する内閣総理大臣の責任であることは、議論の余地のない事実である。


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