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JIROの独断的日記
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2005年05月10日(火) ◆JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ 心理学的考察

◆JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ 2005年05月11日00時12分 (朝日新聞)

 

 JR宝塚線(福知山線)の脱線事故後、JR西日本の乗務員を狙った悪質な嫌がらせ行為が相次いでいる。

 同社が8日までに確認できただけでも、120件に上る。

 事故当日のボウリング大会開催など一連の「不適切な行為」(同社)の発覚直後には、女性運転士がホームでけられてけがをする傷害事件も発生。レール上に石などが置かれる事件も多発しており、同社の3労組は10日、安全運転に協力を求める異例の共同声明を出した。

 同社によると、120件の内訳は暴行・傷害2件、職務妨害18件、乗務員が「暴言」と感じた行為100件。

 脱線事故が起きた4月25日午後9時すぎ、大阪駅の神戸線ホームで乗務予定の電車を待っていた20代の男性運転士に向けて中身が入った清涼飲料水の缶が投げつけられた。運転士にけがはなかった。

 天王寺車掌区の社員らが事故当日にボウリング大会を開いていたことが発覚した後の今月6日午前9時半ごろには、同じ神戸線のホームで乗務を終えて電車を見送っていた20代の女性運転士が背後から足首をけられて軽傷を負った。本人から被害届を受けた大阪府警が傷害容疑で捜査している。

 無言の抗議が運転士にとっては大きなプレッシャーになっている行為も続発。事故から2日後の4月27日、大津駅に入った電車の運転席後ろのガラスに「命」と書かれた紙がはられているのを運転士が発見。同日、大阪駅に着いた別の電車にも同じ字が書かれた紙が逆さにはりつけられているのが見つかった。

 乗客に「人殺し」と言われるなど、乗務員が暴言と感じた行為も後を絶たないほか、レール上に石や自転車などが置かれる列車往来危険容疑事件も今月8日までに計23件起きているという。

 こうした行為に対し、同社は「乗務員が動揺して運転に支障が出るおそれがある」と判断。9日、社員のメンタルケアを専門にした電話相談窓口を設けた。

10日夕、帰宅ラッシュで混雑する大阪駅で乗務を交代した男性運転士は「事故前よりも緊張し、肩が凝るようになった。平常心を保つように努めています」と話した。

 一方、同社最大労組のJR西労組など3労組のまとめでは、7日現在の嫌がらせ行為は180件を超えた。

 4月27日には、京都電車区の20代の女性運転士が事故の救出状況を報じた新聞を突きつけられたり、運転中に別の乗客から「JRは人殺しだ」と言われたりした。

 女性運転士は精神的苦痛を訴えて4日間の休暇を取り、復帰した今も内勤をしているという。

 このほか、「運転する様子をビデオ撮影された」「速度計の表示を大声で読み上げられた」と、事故前なら気にならなかった乗客の行為に過敏になっている運転士もいるという。

 3労組の幹部の一人は「批判は甘んじて受けるが、乗客の生命をおびやかすことにつながる行為は許されない」と話している。


◆コメント:これは、自我防衛機構の「投影」ではなかろうか?
 

 つい2日前に取り上げた問題であるが、問題が解決していない以上、別のアプローチで論ずるしかない。

 「投影」に関して説明する前に一言書いておきたい。

 朝日新聞は、よくもいけしゃあしゃあと、こんな記事を書けるものだ。

 お前らの所為で、又、事故が起きるかも知れないんだぞ。このマッチポンプ野郎。

 何が、「(JR)社員のメンタルケア」だ。

 社員のメンタルヘルスに危害を加えている元凶がお前らだぞ、朝日。他のブンヤ(新聞記者の蔑称)ども。



 それにしても、何故、これほどまでに、世の中の人々はJRを攻撃するのか?

 無論、4月25日に起きた事故は取り返しが付かないものである。

 無くなった方々のご冥福を祈る。


◆大勢の死も一人の死もその重みは完全に同一である。

 

 一度に107人が、何十年に一度しか起きないような事故で亡くなったこと自体は確かに大惨事であるが、突然、人が事故で亡くなる、ということならば、毎日のように、日本のどこかで交通事故で人が死んでいる訳である。

 その場合、無くなった方が一人だとしても、本人にとっても遺された家族にとっても、これは悲惨な出来事である。他に人が沢山無くなっていようがいまいが、人一人の死の重みは完全に同一である。

 何を言いたいかというと、大事故で無くなった方はお気の毒であることは云うまでもないが、大事故で大勢無くなったからといって、一人一人の死の悲劇性が、交通事故で無くなった一人よりも、大きいわけではない、ということだ。


◆私も悲惨な記憶がある。

 

 他人事(ひとごと)だから、そんな冷たいことが云えるのだ、と仰るかも知れぬが、それは、違う。私も間接的に、ひどい目に遭ったことがある。



 随分昔のことだ。

 私の親戚の者が日本のある場所で、高速道路を走行していた。

 すると、突然、前を走っていたトラックが荷崩れを起こし、大きな石(漬け物石ぐらいの大きさ)が、すぐ後ろを走っていた、私の親戚の車のフロントガラスを直撃した。そしてそのままフロントグラスを貫通し、運転していた親戚の顔面を直撃したのである。

 奇跡的に、車は横転せず、ガードレールをこすりながら止まったが、その車には運転していた者の妻子が同乗していたのである。

 目の前で、父親の頭が滅茶苦茶につぶれるのを見てしまったのだ。

 警察や救急隊が駆けつけたとき、一家の主を失った子供と妻は、一時的に、発狂しかけていたらしく、意味もなく、高速道路をとぼとぼと歩いているところを保護されたという。


 私の身内には医師が多いが、大きな石をまともに頭部にくらった遺体は、医師ですら青ざめるほどの悲惨な損傷を受けていたので、子供だった私たちは、見ない方が良い、といわれた。たしか、大人ですら、見ない方が良い、と云われていた。だから、葬儀でも最後まで見ることが出来なかった。

 荷崩れを起こしたトラックとその運転士は捕まらなかった。遺族は誰にも文句を言えなかったのであるが、偉かった。「運が悪かったと諦めるしか、仕方がない」と云い、恨みがましいことは云わなかった。断っておくが、多額の保険金が入ったのではない。云っても仕方がないことを云わなかっただけである。

 それに比べれば、今度の遺族は、JRの社長は謝りに来る。慰謝料も出る。マスコミが取り上げる。突然の不幸に同時に襲われた人が大勢いる。尤も、マスコミはない方が良いかもしれないが、とりあえず怒りを発散できるでしょ?

 考えようによってはまだ、良い方なのです。

 私達一族郎党は、誰にも文句を言えなかったのですよ。仕方が無い。遺族が言うとおり、運が悪かった、と諦めるしかない。

 いくら、積荷を落としたトラックが憎いといっても、他のトラックの運転手に暴力を振るって良い訳がないのだ。

 ましてや、事故で身内や友人を失った訳でも何でもない奴が、事故とは直接関係の無い、女性運転士に恐怖のあまり乗務が不可能になるほどの暴行を働くことなど許されるわけがない。


◆精神分析でいうところの「投影」。

 

 前置きが長くなったが、要するに、何故多くのひとが、自分とは直接関係がない事故なのに、JR西日本に対して嫌がらせをするかという問題であるが、これは、フロイトが始めた精神分析でいうところの、「投影」という心理作用ではないかという気がする。

 人間は、受け入れがたい事実に直面したときに、自我が崩壊するのを防ぐために、無意識のうちに自我を守る心の仕組みを持っていて、これを「防衛機制」と言う。

 あらゆる防衛機制の基本となるのが「抑圧」で、要するに、自分が持っている資質や感情で、自分が好ましくないと思っているものを、無意識下に押し込めることである。

 「投影」とは、自分が持っている好ましくない感情を認めたく無いが為に、これを他人が持っている感情だ、と無意識のうちに誤魔化し、その他人を攻撃することにより、自分の感情を否定しようとする行為である。


◆つまり、自分も現場から勤務に向かった運転士や、ボーリングに行ったJR職員と同じなのだ。

 

 同じなのだ、と断定するのは正確ではない。

 JR西日本の職員に対して嫌がらせをする人々は、「自分が同じ局面に立たされたら、やはり、現場で救助作業に加わらずに、職場へ向かったであろうし、宴会があったら、皆と一緒に酒を飲んでしまっただろう」ということが分かっているのだ。
 分かっているが如何にも不謹慎であり、自分がそういう人間であるとは、簡単に認めたくない。

 このようなとき、自分が直視したくない、自分の好ましくない性格・資質・感情を否定するために、他人に押しつけるのである。

 これが「投影」である。

 今回、投影の対象となったのが、JR職員だった、ということではないだろうか。


◆人間の心の動きのパターンを知っていれば、ある程度、自己制御できる。
 

こいつは、臨床心理士でも、精神科医でもないのに、何を偉そうに言いやがる、と思う方もおられよう。

 しかし、ここで書いたようなことは、ちょっと百科事典で調べれば分かることで、私が知っていたからといっても自慢にも何にもならない。

 私が言いたいのは、人間には、自我が崩壊するのを防ぐための「防衛機制」という無意識下で生ずる心の動きがある、ということを、たとえ素人でも知ると知らないでは、大違いであるということだ。

 知っていれば、自らの心を完全にとはいかないが、ある程度、制御(コントロール)出来るはずなのだ。

 JR西日本の職員に暴力を働いている人たちが、それを知らないことだけは、間違いがない。 


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