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JIROの独断的日記
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2005年04月28日(木) 「今度は、中国が謝罪する番だ」(ウォールストリートジャーナル 4月25日付 社説

◆コメント:中国に「謝れ」、と云ったのは、このWSJが初めてです。

 

 先日来、私は繰り返し、「海外のインテリはちゃんと分かっている」のである、と書いた。

 中国が歴史的事実を歪曲し、独裁政治を行い、日本のことを責められたものではない、ということは、ワシントンポストもイギリスのタイムズも、フィナンシャルタイムズも、皆、分かっている。

 しかし、今日翻訳した社説は今までで、一番強烈だ。

ウォールストリートジャーナルは、いわばアメリカの日経だが、ここまで親日的なコラムはあまり読んだ覚えがない。

 「日本は、心から謝った。中国は、いつまでも過去の出来事を政治的目的に利用しようとしている」、とその狡猾さを見抜いている。

 また、私が4月17日の日記に書いたのと同じように、「外交関係に関するウィーン条約」に言及し、中国はこれに違反している。日本に対して謝罪するべきだと述べている。

ウィーン条約にまで触れた論説は初めてだ。

というわけで、客観的に見て、正しい主張がなされている。大変、小気味良い。


◆【翻訳】「中国が謝罪する番だ(4月25日、ウォールストリートジャーナル社説)」

 日本が戦時中の蛮行に関して、(中国に)謝罪を拒み続けている、という「伝説」は、いい加減終わりにするべきである。

4月22日、小泉純一郎内閣総理大臣が、アジア=アフリカ会議で行った謝罪は、特筆に値するほど、心のこもったものであった。



 「日本は、アジア諸国に対する植民地支配と侵攻により、各国国民、とりわけアジア諸国の一般市民に、甚大なる損害と苦痛をもたらしました」と彼は、ジャカルタのアジア=アフリカ会議において、各国の指導者たちに向かって云った。「日本は、この歴史的事実を、人道主義的観点に基づき、真正面から受け止め、深く反省するものであります。」



 このような、深い自責の念の表明は、特段新しいものではない。ここ数週間、中国の大都市で反日デモを行っている連中は、日本は謝罪したことが無い、と不満をあらわにしているが、それは、間違いで、日本の歴代の指導者は過去において、幾度も彼らの祖先の行為に関して謝罪している。

 小泉首相が22日に行った演説の中でも、「心からの自責の念」という表現は、10年前、村山首相が行ったスピーチから取ってきたものである。



 小泉首相は、国際会議の場において、よく知られた表現を繰り返すことにより、最近の反日デモの所為で、戦後の日本の指導者が、半世紀以上も前の出来事を償う為に、如何に多くのことをしてきたかを忘れてしまっている人々に、それを思い出させる役割を果たした。

 シンガポール政府が、小泉スピーチの前の週には、日本の文部科学省が、南京大虐殺を軽く扱った歴史教科書を認可したことに対して、懸念を表明していたが、22日の小泉スピーチに関しては迅速に、これを歓迎する、との声明を発表したのも、十分頷ける。



 これと対照的に、中国は日本の総理大臣の謝罪を受け入れようとしなかった。

 これは、最近の中国における反日デモは、日本が歴史教科書を本当に書き換えたら、却って困ると考える中国政府によって、扇情されたものではないか、という長年の疑念を裏付けることになった。 胡錦濤国家主席は、小泉首相との二者会談で、小泉首相の謝罪を一応は受け入れるが、自責の念を本当に感じるならば、行動が伴わなければならない、と、非常に尊大な態度で告げた。



 これは、おかしい。胡錦濤氏の言葉は、日本が「既に行動した」ことを無視するものだ。

 一例をとるならば、日本から中国に対しての低金利の政府開発援助がある。これは実質的には、日本の非公式の戦後賠償であると見なされている。

 中国の、めざましい経済発展は、過去25年間にわたり、日本が何と290億ドル(3兆円)もの援助を行ったからこそ実現できた。中国は、日本からの政府開発援助を世界で2番目に多く受け取っている国なのである。

 また、胡錦濤氏は、22日、小泉首相の謝罪と同じ日に、日本の国会議員80名が、戦犯が合祀されている靖国神社に参拝したことに憤りを表していたが、胡主席は、今年参拝した国会議員の数は昨年の同時期に比べて大幅に減っていることを知っていて、わざと言及しなかった。



 要約するならば、日本は、最近の日中関係悪化を改善するために、多くの努力を実行しているが、これに対して、北京政府は全く非協力的であり、両国関係を更に悪化させるべく行動しているように見える。

 これは、中国共産党の指導者達が、歴史上の出来事に対する不満を、まだまだ、彼らの政治的目的の為に使おうと考えていることの、何よりの証左である。例えば、胡錦濤主席は土曜日の小泉首相との会談で、台湾問題を持ち出したが、これは十分予想されたことであった。胡主席は、日中関係の緊張を緩和するためには、日本が台湾問題を「正しく」扱うことが不可欠の条件だ、といってのけた。



 つまり、最近、中国が勝手に制定した「反国家分裂法」(3月14日、全人代で採択)に対する国際社会の風当たりは強いのだが、中国政府は日本に対して、米国側に立つなと牽制することにより、国際社会での失地回復をねらっているのである。中国の究極の目標は、台湾問題の平和的解決ではなかったのか?



 そしてまた、中国政府はここ数週間の反日デモで、自国民の暴徒達が日本大使館や領事館にものを投げつけるという過ちを犯したことに関して、露ほどの反省の色も見せない。

 外交関係に関するウィーン条約は、外交使節団の接受国は、在外公館を特別の注意をもって保護しなければならない、と定めているが、中国政府は明らかにこの条約に違反している。

 小泉首相は半世紀以上も前の出来事に対して、率直に謝罪した。

 次は、中国がほんの数週間前の「歴史的事実」に関して、日本に謝罪をする番だ。


2004年04月28日(水) 自衛隊派遣の政府方針を支持しないのが「反日分子」ならば、国民の半分ぐらいは反日分子ですな。
2003年04月28日(月) 「有名人」であることだけで候補者を当選させてしまう人々。

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