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JIROの独断的日記
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2004年11月15日(月) 「<イラク武装勢力>「全土に戦闘拡大する」と声明」←だから、ファルージャ総攻撃はダメだと云ったでしょう

◆記事:<イラク武装勢力>「全土に戦闘拡大する」と声明

 

【カイロ小倉孝保】米軍とイラク軍によるイラク中部ファルージャの武装勢力制圧作戦に対し、ヨルダン人イスラム過激派、ザルカウィ容疑者が率いる「イラクの聖戦アルカイダ組織」など複数の組織が「イラク全土に戦闘を拡大する」と主張していることが13日、明らかになった。ロイター通信が声明ビデオを入手し、報じた。

 米・イラク軍がファルージャ制圧作戦に総力を挙げる一方、武装勢力の攻撃は各地に飛び火している。イラク暫定政府のアラウィ首相は13日、治安部隊を北部モスルに派遣したことを明らかにした。暫定政府は同日、治安対策の一環としてバグダッド国際空港の閉鎖措置を無期限に延長した。

 ビデオはイラクの聖戦アルカイダ組織のほか、イスラム軍、1920年革命旅団など11組織による共同声明で、覆面姿3人の男が並び「ファルージャのイスラム共闘に対する犯罪と大量虐殺に対抗し、イラク全土で戦闘を繰り広げる」と宣言。電気や水道、病院関係以外の暫定政府職員に対し「勤務を続ければ標的にする」と警告した。

 ファルージャでは14日も米・イラク軍による制圧作戦が続けられ、武装勢力の抵抗がなお続いている模様だ。米海兵隊の部隊に従軍している米CNNの記者は、武装勢力のトンネル網にレーザー誘導弾が投下され、兵士が家屋を一軒ずつ捜索していると伝えた。AP通信によると、米海兵隊司令官は同日、作戦開始から武装勢力1200人以上を殺害したと語った。米軍によると米兵の死者は31人になった。

 また、ロイター通信によると、イラク赤新月社は13日、救援物資を積んだトラックなど7台で同市西郊外の病院に到着した。しかし、米軍は治安上の理由から市中心部への救援物資の搬送を許可しておらず、孤立した住民の安否が気遣われている。(毎日新聞) - 11月15日0時58分更新


◆コメント:余計に泥沼化してしまったではないか。

 

私は、先週、11月12日の日記で、「イラク国内でアメリカに敵意を持ち、武器が手に入るのであれば、米軍に反撃したい、と考えているイラク人はイラク全土に存在するはずで、いくら、いわゆるスンニートライアングルに反米勢力が多いと云ったって、ファルージャだけを攻撃しても意味がない。」と書いた。

これは、ちょっと本意と違うことを書いてしまった。この文章だと、「ファルージャだけを攻撃しても意味が無く、全土を攻撃するべきだ」という風に読めてしまうが、それは、私の云わんとするところではない。

 今や、イラク全体が反米ムードになっている、一カ所を総攻撃したら、他の場所のイラク人が怒って、さらに収拾がつかなくなるということを述べようとしたのである。

 米国から見れば、「反米武装勢力」が「テロリスト」だが、イラク人から見れば、大量破壊兵器など持っていないのに、持っているだろうとイラクに因縁をつけて、勝手に侵攻してきて、女性や子供を含む10万人ものイラク人を殺害したアメリカ人こそ「テロリスト」であろう。

 Everything is relative.(全ては相対的である)という良い言葉が英語の決まり文句にあるのに、米英両国は全然分かっていない。 ファルージャでの戦闘による市民の被害者数が明らかにならないのは、激しい戦闘が続いていて、あまりに危ないので、各国のマスコミがファルージャの内部を詳しく取材できないからであろう。

 さらに、アメリカ軍は、今回の攻撃により、イラク武装勢力を捕虜にしたといっている。どうせ、また、アブグレイブ刑務所で行われたような、捕虜への拷問や虐待が行われるだろう。


◆武力で人を支配しようというのは・・・ダメなのだと云うことが、人間はどうしても分からないのですね。

 

フランスの生理学者、クロードベルナールの有名な

 


「科学は進歩するが、人間は変わらない。」



 

という言葉がある。名言集・格言集のたぐいの本とかWebサイトには大抵載っているのではないだろうか。

 残念ながら、全く見事な洞察という他はない。

 武力、つまり物理的な力により相手を傷つけて、こちらの云うことに従うようにさせようというのは、ギリシャ・ローマは勿論、人類が誕生した直後から行われてきたことだろう。


 

 いや、これは、本来、人間というよりも、動物の行動である。

 力で勝負して、勝った方がボスになる。高崎山のサルと同じではないか。むしろ、人間の方が、相手を殺す道具を次々と考え出す点では始末が悪い。

 イスラム世界には、部族間の抗争で「血の報復」、という考え方があると聞く。やられたら、必ず復讐するということだ。アメリカは少しはイスラム文化のことを研究しているのだろうか?勿論、学者はいるだろうが、今のアメリカ中枢部の人間というのは、本当に単細胞だ。ファルージャを叩いた所為で、イラク全土が武装蜂起する可能性がある。


◆核兵器が用いられる可能性がある(IAEA エルバラダイ事務局長)

 

11月8日、丁度1週間前から、シドニーで「核拡散防止に関する国際会議」というのが開かれていた。

 日本のマスコミはあまり詳しく報じなかったが、BBCの記事を読んでいたら、ぞっとした。

 IAEA(国際原子力機構)のエルバラダイ事務局長(昨年、3月上旬、イラク戦争が始まる前に、イラクでの大量破壊兵器の査察には、まだ数ヶ月を要する、と言った人。ブッシュはそれを無視して、その約2週間後にイラク戦争を始めた)が、核兵器がテロリストグループの手に渡るかどうかは、時間との競争だ」と言っていたのである。

 なぜ、ぞっとするかというと、他にも同様の予言をしている人がいるからである。

 イスラエルによる、執拗で残虐な攻撃(10歳の女の子の身体に20発の銃弾を撃ちこんだ話は10月17日の日記に記した)で、パレスチナ自治区の住民は最早全面降伏か、全滅するか、という瀬戸際にまで追い込まれている。

 イスラエルの行為に正当性はなく、これを放任しているアメリカも同罪だ。イスラエルとアメリカに対する、パレスチナ人、ひいてはアラブ人たちの恨みは、日本人の想像を絶するものがあるのだ。

 昨年、駐レバノン大使の天木直人氏が、勇敢に、小泉首相に対して「イラク戦争を支持するべきではない。」「イラクに自衛隊を送るべきではない」という意見を直訴したところ、外務省から殆ど無理矢理、退職させられた、という歴史的事実がある、

 その後、その経緯を含むさらば外務省!―私は小泉首相と売国官僚を許さないの他、何冊もの本を出していて、blogも殆ど毎日更新している。

 その天木直人氏のblogに、彼がレバノンにいた頃、パレスチナ難民の10代の少年が、天木さんに、「もしも、私達が核兵器を手に入れることが出来たならば、躊躇無く、イスラエルや、アメリカに対してそれを使う」と言ったという。その目が完全に落ち着いた、覚悟を決めた目だったという。

 つまり、下手をすればですね、核兵器が、広島・長崎以降、2度と使われないように、皆が頑張ってきた核兵器が、使われるかも知れない、という恐ろしい状況なのである。そうなったら、もう、お互い完全に狂うからね。戦争になると、人間、残虐性が増すでしょう?日本人も攻撃の対象になるよ。

 私が10日の日記で小泉首相は簡単に「ファルージャ攻撃を成功させなくては」などと、言ってはならないと書いたのは、人道上、問題だ、という理由が中心だったが、同時に、アラブ諸国を敵に回すような発言、行動を、これ以上軽率にするべきではない、ということを言いたかったのです。


2003年11月15日(土) 「イラク派遣、日本は期待できない…米国防副長官」←期待するほうが間違っているんだよ。バカ。
2002年11月15日(金) 絶望。日本経済はもはや手遅れ。

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