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JIROの独断的日記
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2004年11月08日(月) アメリカがファルージャを攻撃することの正当性の根拠は何か。

◆記事1:ファルージャ西部に突入 米軍、交通遮断し空爆

 

 【バグダッド8日共同】AP通信によると、イラク駐留米軍は8日未明、中部ファルージャの西部にある同市の主要病院と、ユーフラテス川に架かる2本の橋に部隊を突入させ占拠した。武装勢力掃討のための大規模なファルージャ制圧作戦を始めた可能性もある。

 ファルージャは米イラク両国部隊が包囲し、同市南部では断続的に砲撃も実施している。郊外の住民によると、同市北部一帯でも7日夜、激しい空爆や砲撃音が絶え間なく聞こえた。米軍はイラク暫定政府が7日発表した非常事態宣言に基づき、交通を遮断して町を孤立させた。

 米軍が占拠した病院の院長は「米軍の病院支配は正しくない。抵抗勢力への医療支援を止めようとしている。彼らは病院が誰のものでもないということが分かっていない」と批判した。(共同通信) - 11月8日12時27分更新


◆記事2:イラク政府、60日間の非常事態宣言…治安悪化で

 

 【カイロ=岡本道郎】イラク暫定政府は7日、北部クルド地域を除くイラク全土を対象に、初の非常事態宣言を発令した。期間は60日間。

 中部ファルージャの武装勢力壊滅を目指した米・イラク軍の大規模軍事作戦開始が迫る中、不測事態の防止を図るとともに、武装勢力側が最近、イスラム教スンニ派三角地帯やバグダッド周辺など各地で攻勢に出、6、7の両日だけで50人以上の死者が出るなど治安状況が極めて深刻な事態に陥っていることに対応したものと見られる。(読売新聞) - 11月8日1時39分更新

 非常事態宣言は、また、暫定政府として、強権発動によってでも来年1月の国民議会選挙を予定通り実施するとの不退転の決意を、内外に強く示したものと言える。


◆記事3:サマワも厳戒態勢=テロ活発化懸念、検問強化−陸自新たな不安材料・非常事態宣言

 

 【サマワ8日時事】イラク暫定政府がクルド人自治区を除くイラク全土に非常事態宣言を出した7日、陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワでは外部武装勢力の侵入を防ぐために、警察と国家保安隊が協力して検問の強化を始めた。サマワ市内はイラク警察が、サマワと外部を結ぶ郊外の道路は国家保安隊が受け持ち、厳戒態勢を敷いた。

 現地治安当局は、米軍が中部ファルージャで大規模制圧作戦に踏み切った場合、反発するイスラム教スンニ派や旧政権残党の武装勢力が、暫定政権が支持されているサマワで、多数派のシーア派や自衛隊など多国籍軍へのテロを活発化させることを懸念。陸自派遣部隊も新たな治安の不安材料を抱えた形で、これまで以上に宿営地への砲撃や移動中の警備強化を強いられる。 (時事通信) - 11月8日7時0分更新


◆記事4:サマワ、非戦闘地域との認識に変わりない=首相


 

 [東京 8日 ロイター] 小泉首相は、イラク暫定政府が非常事態宣言を発令したことを受けて、陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワの治安情勢について、非戦闘地域であるとの認識に変わりない、と述べた。 首相官邸で記者団に対して述べた。 非常事態宣言を受けたイラクの治安情勢について小泉首相は、「(来年)1月の選挙を実現させようというイラク政府と、それをなんとか妨害したいテロリストのせめぎ合いだろう」との認識を示した。


◆コメント:米軍の武力行使は、明白な違法行為なのに、これを止めることができない国際社会。

 

 第2次大戦後、国連が組織されて、国連憲章が制定されたことにより、戦争放棄を謳った憲法第9条を持つ日本だけではなく、全ての国(厳密には国連加盟国)が武力行使を行うことは、原則として禁止されている。

 武力行使の違法性が阻却されるのは、他国の侵略を受けて、個別的自衛権を発動する場合(個人になぞらえれば、正当防衛)、そして、国連安全保障理事会が法的な手続きにのっとり、紛争地域への多国籍軍の派遣を決定した場合、の2つしかない。

 昨年3月20日に米国がイラクに対して戦争を始めた時には、この2つのうち、どちらにも該当していなかった。大量破壊兵器の有無は関係がない。結果的には大量破壊兵器はイラクで見つからなかったわけだが、たとえ、当時、イラクが大量破壊兵器を持っていたとしても、それが自動的に、国連の決議も経ずに、アメリカによる単独行動を許すものではなかった。 これは、私の主観的な解釈ではない。客観的、論理的思考から必然的に導かれる結論である。

 以下は、私の主観である。アメリカの責任は、一言に集約させるならば、イラクに侵略して世界を混乱させていること、世界に暴力を行使しやすい「ムード」を創ってしまったこと(世界中でテロが増えているという意味だ)である。その罪は言葉で言い表せないぐらい重大である。それが全く分かっていないジョージ・ブッシュがあと4年も大統領を続けるのかと思うと、暗澹たる気持ちにならざるを得ない。

 私の第一の所感は以上であるが、まだ云いたいことがある。

 今回、ファールジャに潜伏する「反米武装勢力」が「悪」で、それを殲滅しようとする米軍が「善」という構図になっているが、それがそもそもの認識の誤りだ。

過去、この日記で幾度と無く書いたが、先に「大量破壊兵器がある」と言いがかりをつけてイラクに侵略したのはアメリカ合衆国ではないのか?そんなことをされれば、侵略された側から「反米勢力」が生ずるのは当然だろう。それをまた、アメリカが殺してしまおうとしているのを世界は指をくわえて見ているだけか?繰り返すが、最初の侵略者はアメリカであり、その侵略にはなんら正当性がなかったのであるから、今回のファルージャ攻撃にも、何ら正当性が認められない。

イラク暫定政権のアラウィ首相が許可を出したなんて、馬鹿なことを理由にして貰っては困る。今の暫定政権が、米国の操り人形であることぐらい、世界中が知っている。

 国際社会、具体的には国連安保理は何もしないのか。開催すらしないのか。開催して、米国に対して武力行使停止を求める決議をするのが、本来有るべき姿だが、アメリカが拒否権を発動することはほぼ100%明らかだから、無駄だから、開催しない、ということでは、安保理の存在意義がない。あの常任理事国の拒否権というのは、廃止した方が良い。国連に加盟する150を超える国の殆どが賛成していても、常任理事国が1国でも拒否権を発動すれば、どうしようもないというのは、明らかに、人間の自然な道義感に反している。


◆コメント:「非戦闘地域」か「戦闘地域」かというレトリックの問題ではない。

 

 自衛隊のイラクでの活動地域は「非戦闘地域」に限られているから、小泉首相は躍起になってサマワは非戦闘地域である、という。これには、役人の入れ知恵が有って、「戦闘」とは主権を持つ「国家」又は「国家に準ずる主体」同士の継続的な交戦状態を意味する、というのである。

 しかし、今はそういう言葉遊びをしている場合ではないのではないか。イラク暫定政権が国家非常事態を発動して、アメリカとこれに抵抗する反武装勢力が、ベトナム戦争以来の悲惨な市街戦を始めようとしている。
 そういう場所に、日本の防衛のために組織された自衛隊がいることは、間違っている。

 イラク人は、謂わば、全員反米勢力だと思う。たまたま、今は、スンニー派で、武器を持って、ファルージャにいる勢力だけを「反米武装勢力」と呼んでいるが、一般のイラク人も、いい加減、アメリカ人や外国の軍隊がいることに腹を立てて、気が立っている。日本人が標的になりうることは、先日殺された、香田氏が教えてくれたばかりではないか。

 彼らは、死ぬ気で突っ込んでくる。日本の自衛隊は法律上、こちらからは攻撃できないのだ。自爆テロがつっこんできたら、まず、つっこませておいて、こちらに被害が出てからではなければ、武器を使用して応戦できない。また、日本の自衛隊は実戦経験などないのだから、どのようなパニックに陥るかもわからない。そんな危険な状態なところで、人道支援活動も無いだろう。撤収するべきである。


2003年11月08日(土) 「小泉改革宣言」は、かなり国民を愚弄している。各論点検。
2002年11月08日(金) しし座流星群19日未明ピーク。天文学の話題は壮大で、なかなか良い

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