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JIROの独断的日記
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2004年10月22日(金) 義務教育費削減へ決意強調=三位一体「政局の話ではない」−小泉首相 今より義務教育がひどくなったら、国が滅びる。

◆記事1:義務教育費削減へ決意強調=三位一体「政局の話ではない」−小泉首相

 

小泉純一郎首相は22日夜、国・地方税財政の三位一体改革で、義務教育費の国庫負担金の削減に森喜朗前首相らが強く反対していることに関し、「みんな反対、反対と言う。郵政(民営化)と似てきた。しかし、やらざるを得ない」と述べ、あくまで地方6団体の補助金削減案に沿って改革案をまとめる決意を強調した。首相官邸で記者団に答えた。 (時事通信) - 10月22日23時1分更新


◆記事2:<義務教育費>国庫負担廃止論にノーベル賞学者ら異議

 

 ノーベル賞学者4人を含む日本の科学・学術界の重鎮22人が21日、義務教育費の国庫負担廃止論に異議を唱え、「日本の将来を憂える緊急メッセージ」を細田博之官房長官らに提出した。野依良治・理化学研究所理事長、小柴昌俊・東京大名誉教授、有馬朗人・元東京大学長の3氏が首相官邸と文部科学省を訪ね、手渡した。(毎日新聞) - 10月21日23時14分更新


◆コメント:冗談じゃないよ。小泉さん。義務教育がこれ以上ひどくなったら・・・。

 

 小泉首相は、自分が大統領だと思っているのではないだろうか?

 何だかんだいって支持率が落ちないのを自分の実力と勘違いしているようだが、視聴率の高い番組に下らない番組が多いように、支持率が高いことが首相の政治的行動の正しさを証明するものではない。

 日本は議員内閣制を採用しており、首相は議会で選出される。そして憲法第65条を見て頂きたい。

 第65条 行政権は内閣に属する。

 つまり、まず、首相は議会で選ばれた。したがって、議会で過半数を占める政党の合意に反する政策を勝手に行っては、いけない。

 それは、間接的ながら、主権者たる国民をないがしろにすることになるからである。

 さらに、憲法65条を読めば、独裁制は禁じられていることが明らかである。アメリカでは、行政権は大統領に属するのだ。それで私は、「首相は、自らを大統領と勘違いしているのではないか」と書いたのである。

 また、そのような、形式的な問題だけではない。


◆子供がいると分かるのだが、義務教育の質はどんどん低下している。

 

今の、義務教育のレベルというのは、本当にひどい。

 授業中に子供が席を立って走り回っていたり、勝手に教室から出ていってしまったりする。中学になっても分数の足し算ができない。ローマ字が書けない。ひどいのになると九九を覚えていない。悪夢である。

 今、TBSで「金八先生」を放送していて、中学3年にもなって、授業中に騒ぐ生徒はあまりに幼稚で、ドラマのための脚色だろう、と、その年頃の子供がいない方は思うだろうが、あれは、実情にかなり近い。

 親のしつけも悪いのだろうが、息子が小学生の頃、何度も授業参観などを見に行った時の経験から云わせてもらうと、教師のレベルも唖然とするほど、低い。教師と云うよりも、まず、社会人の基礎が出来ていない。自分がまだ、子供なのだ。

 私が、息子を私立中学に入れたのは、公立中学校などへ行ったら、本当のバカになってしまいかねない、と思ったからである。何度も見学に行って、教師の教え方、授業中の生徒の様子が、公立とは比べものにならないぐらい、良かったからなのだ。

 何故、私立中学には、良い教師が集まるかと云えば、大きな要因は、給料が良いからである。

 カネが全てとは、云いたくはないが、給料が良い職場に、優秀な人材が集まるのは、我々の住む資本主義・市場経済の世界では、当然のことである。

 したがって、義務教育費を削減することにより、公立小中学校の教師の給料が下がれば、教育の荒廃は、地球温暖化と同じぐらい、元に戻すことが不可能になるだろう。


◆人間が日本の最大の資源だったのではないのか。

 

何の資源もなく、食料すら他国からの輸入なしでは、暮らせない我が国は、その代わり、世界有数の質の高い労働力を有している。学歴のことではない。学歴には無関係に日本人の仕事は、実に優秀だ。これが、日本が世界第2位の経済大国になった最も大きな理由であることは、論を待たない。

 その基礎を作るのが、教育である。

 小泉さんは「(教育費削減を)やらざるを得ない」とだけ云う。またもや、いつものように、何故、今、義務教育費を減らさなければならないのか、全く合理的な説明が出来ない。頭の悪い総理大臣だ。


◆アメリカ史上最高の知日派、故・ライシャワー教授が遺した言葉。

 

故・ライシャワーハーバード大学教授は、日本で生まれ育ち、途中でアメリカに帰るが、専門は日本史であり、勿論、完璧な日本語を話し、日本人よりも日本のことをよく知っていた。ライシャワー博士のような人がいなくなったのが、アメリカが日本を公然とナメ出した、大きな要因だと思われる。

 ライシャワー教授が晩年に著した名著、ザ・ジャパニーズ―日本人の中で、教授は、日本語が如何に複雑な言語か、について詳説している。特に、漢字、ひらがな、カタカナが混然となり、漢字に至っては、


 

「例えば「生」という字の発音は12種類あるが、そのいずれにするかを決定するのは、主として、文脈、前後関係から判断するしかない。このような、恐るべき表記法を持つ言語にもかかわらず、高い識字率(低い文盲率)を実現しているのは、日本人の教育に掛ける情熱の証しとして、賞賛されて良い」

 

と書いておられる。

 高い教育への情熱と、その重要性の認識が、小泉内閣総理大臣には、欠けているのは間違いがない。それだけでも、為政者として、失格だと、私は思う。


2003年10月22日(水) <科学技術予算>ニュートリノ研究は最低評価 総合科学技術会議←実利をもたらさなくても大切な研究なのだ。
2002年10月22日(火) 「・・・だから、清の墓は小日向の養源寺にある。」

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