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JIROの独断的日記
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2004年10月13日(水) 「官から民へ」民間にできることは民間に (小泉改革宣言)←では、何故、民間主導で再建を図るというダイエーを国有化するのか?

◆記事1:ダイエー、機構活用を拒否 民間主導で再建探る 臨時取締役会(10月12日)

 

 産業再生機構から支援要請の意思決定を求められていたダイエーは十一日に開催した臨時取締役会で民間投資家の支援による再建を目指すとともに、再生機構が支援に備えて求めている資産査定にも協力する方針を決めた。

UFJ銀行など主力取引銀行には同日中に方針を伝えたが、十二日午後に高木邦夫社長が再生機構の斉藤惇社長に会って同様の報告をする。しかし、主力行側はこれに反発しており、十二日も再生機構活用を求めて説得を続ける構えだ。

 ダイエーは、再生機構活用を拒否しており、機構の資産査定に非協力的だと指摘されていた。十一日の臨時取締役会で再生機構・銀行側に対し、再生機構によるダイエーの資産査定は非公式のものであるとの確認を求める▽再生機構、民間投資家の双方の資産査定作業を同時に進める−などと回答することを決議した。

 高木社長は十一日午後、東京都内の三井住友銀行本店で、UFJ、三井住友、みずほコーポレートの主力三行の担当役員と会談。「再生機構を使わず民間だけでの再生は可能」と主張し、決議内容を説明した。

 しかし、主力行側は「再生機構を活用しなければ、再建に必要な金融支援には応じられない」との考えを改めて示し、再考を促した。法的整理につながる融資の引き揚げなども銀行側で検討されている。このため、ダイエーでは民間投資家の再建計画案についても十八日以降に銀行に説明し協力を求めていく考えだ。


◆記事2:再生機構、ダイエー側に支援撤退の最後通告 (2004/10/13/01:41)

 

 大手スーパー、ダイエーの高木邦夫社長は12日夕、都内のホテルで産業再生機構の斉藤惇社長と会談し、再生機構の資産査定には最大限協力するが、自主再建に向けた民間の資産査定を継続し、再生機構活用の最終判断は先送りすると伝えた。

 これに対し、斉藤社長はダイエーが支援要請を前提としない限り、資産査定は続けられないとして、13日に資産査定の作業を中止してチームを解散し、ダイエー支援から撤退する方針を最後通告した。高木社長とUFJ銀行など主力3行の役員はその後、12日深夜まで、都内で協議を続けたが最終結論は出ず、13日も協議を継続することになった。


◆記事3:ダイエー、再生機構の活用を受諾 (読売新聞) - 10月13日20時12分更新

 

大手スーパー、ダイエーの高木邦夫社長は13日午後6時過ぎ、経済産業省を訪れて中川経産相に面会し、UFJ銀行など主力3行の要請を受け入れて、産業再生機構を活用した経営再建を目指すことを報告した。


 ダイエーはこれまで再生機構の活用に強い難色を示し、11日の取締役会では自主再建を目指す方針を確認していたが、主力3行が再生機構を使わない限り、ダイエーが想定している巨額の債権放棄などの金融支援に応じないとの姿勢を崩さなかったことから、主力行の主張を受け入れ、再生機構を活用することにした。

 会談後、高木社長は記者団に対し「機構活用を応諾と言うことで、ご報告しました」と述べた。

 ダイエーの高木社長は12日夕に再生機構の斉藤惇社長と会談し、再生機構活用の判断を先送りする考えを伝えた。この結果、再生機構はダイエーの資産査定を中止、支援から撤退する方針を決めた。

 その後に行われた主力行との会談で、高木社長は、独自に進めているスポンサー選びなどの自主再建策への協力を求めた。しかし、銀行側は再生機構の活用を前提としない再建策への協力はできないと強硬に主張、ダイエー側が歩み寄る形で再生機構の活用を受け入れた。

 これを受け、ダイエーは一両日中に再生機構に正式に支援要請するとともに、18日に予定されているスポンサー選びの入札中止を決める見通しだ。


◆コメント:小泉改革宣言の一番目に「官から民へ」と書いてあるのですが。

 

 竹中さん、小泉さん、言行不一致ですね。

 小泉改造内閣は郵政民営化実現内閣だそうだ。ひとつの内閣がまるまる、郵政事業の民営化のために存在して良いわけがない。

 その点に目をつぶるとしても、自民党の公式サイトに掲げられている、小泉改革宣言のページ中段にある表をご覧頂きたい。



一. 官から民へ―民間にできることは民間に
二. デフレに勝ち抜く日本へ―景気・雇用・中小企業に重点、新技術・新産業の創出
(以下、略)


 一番最初に、「民間で出来ることは民間に」と書いてありますね。

 郵政民営化もその内容についてはここでは論じないが、その考え方にのっとったものですね?

 それでは、何故、記事2のようなことを産業再生機構社長に云わせておくのでしょうか。 これは、恐喝ですよ。殆ど。無理矢理、ダイエーを国の管理下に置こうとしていることが明らかです。いつから社会主義国になったのですか?日本は。 

 ダイエーという会社は、多額の有利子負債を抱えているが、まず、確認せねばならないのは、 最終決算は黒字だった、という事実です。

 中川経済相が「ぎりぎりまで、民間で努力してそれでも駄目な時に、国が出て行くべきだ」という発言をしたけれども、これは、大変正しい。何故なら、日本は、自由・市場経済を採用しているからです。


 ダイエーの財務指標を見ると、勿論、まだ良好とは言えないけれども、株価を見ると、一目で分かるでしょう。

今年の4月までうなぎのぼりで、一時635円の高値をつけました。これは、自由経済市場において、マーケット参加者がダイエーをそれだけ評価していたことを、なによりも雄弁に物語っているのです。

 ところが、そのあと、株価は一本調子に下がっている。これは竹中金融相が、ダイエーはUFJの不良債権だ、と言い始めたのがきっかけです。このころから産業再生機構のことも、竹中氏は口にしていた。

 折角、ダイエーがリストラして、経営体質を改善して、それを市場が評価しつつあって、さあ、これから、という時に、「官から民へ」がスローガンであるはずの小泉首相の子飼いの部下、竹中平蔵が、自由経済の自然な流れを阻害してしまったのです。


◆再生しかかっていた民間企業を、国家権力が無理矢理国有化して、潰した、ということです。

 

国家は黙ってみていれば、よかったのです。負債が多くても、黒字なんだから。たとえ赤字だとしても、会社というのは、資金繰りがつかない、という最悪の状況、人間にたとえて云うなら、「心肺停止」状態にならなければ、つぶれないわけです。

 ダイエーはそのような状況からはほど遠かった。任せておけば更に業績が好転するかも知れなかった。

 このように、蘇生しかかっていた民間企業を「官」が思い切り叩きつぶそうとして、今日、「官」が勝利を収めました。

 何が「官から民へ」でしょう?
 この後、産業再生機構が買い取った非メインバンクの債権をどのように処理するか、ウォッチしなければなりません。
 産業再生機構が出来る前の話ですが、日本政府は、日本長期信用銀行を国有化して、新生銀行にする時に、7兆円の税金を使い、それを外資ファンドに、なんと、たったの10億円で売却した、という歴史的事実があるのですから。


2003年10月13日(月) イラク戦争に反対してクビになった日本人外交官がいるらしいが、マスコミは事の真偽を伝えようとしない。
2002年10月13日(日) ロンドンに帰りたい

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