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JIROの独断的日記
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2004年09月19日(日) 「米大統領『イラク開戦、国連のお墨付』事務総長に反論」 ブッシュ大統領。字が読めますか?

◆記事:米大統領「イラク開戦、国連のお墨付」事務総長に反論

【ワシントン=秋田浩之】ブッシュ米大統領は16日、昨年春の対イラク開戦について「国連安保理はフセイン(イラク前大統領)が情報を開示し、武装解除しなければ、重大な結果に直面するとの決議を全会一致で採択していた」と語り、開戦は国連の承認も得た行為であるとの主張を展開した。国連のアナン事務総長が開戦は違法だったとの見解を示したことに反論した格好だ。

 遊説先のミネソタ州での発言。開戦に先立ち、国連安保理が武装解除をイラクに求める決議を採択したことを取り上げ、「国際機関が何かを命じるからには、本気でなければならない」と述べた。フセイン旧政権が同決議を順守しなかった以上、国連としてもイラク攻撃を容認すべきだとの姿勢をにじませる発言だ。これに先立ち、アナン事務総長は15日、英BBCのインタビューで「イラク戦争は違法だった」と言明し、イラク攻撃は国連憲章に反するとの見解を示していた。ブッシュ氏の発言は名指しこそ避けているものの、アナン氏の開戦批判に真っ向から反論する意味合いがある。 (12:28)


◆コメント:国連は、本質的に、武力行使、戦争を防ぐ為の機関です。

 

ブッシュは昨年、イラクに対する武力侵攻を開始する前から、「国連は武力行使を承認している」と述べています。

 ブッシュ大統領がいうところの「国連のお墨付き」とは、2002年11月8日に採択された国連安保理決議1441のことを指しているのです。

 インターネットにアクセス出来る人であるならば、誰でも今すぐに国連安保理決議1441の内容を確認することができます。

ここでは、イラクに対して「国連の査察団を今まで受け入れてこなかったことを遺憾」であるとし、即座に、「国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)や国際原子力機関(IAEA)による無条件、無制限の立ち入り」に応じるように求めています。


◆湾岸戦争の前に国連が武力行使を容認したときの決議678と比較すれば、違いは歴然としています。

 

しかし、イラクがそれに応じなかった場合に関しては、「安全保障理事会がイラクに対し、義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと、再三警告してきたことを想起する。」と述べるに留まっています。

 湾岸戦争を開始する前、1990年11月29日の決議678と比べるとよく分かるのですが、このときは、イラクがクウェートに侵攻するという重大な国際法違反を犯していたので、表現が異なります。

このときには、、「クウェート政府と協力する加盟国に、1991年1月15日までに、決議678に従わなければ、その後の決議を遵守し実施するためおよび国際平和と地域の治安を回復するために必要なあらゆる手段の行使を承認する」としています。

 国連が武力行使を容認する場合には、この決議678のような表現が用いられます。デッドライン(期限)を定めて、それまでに、国連決議に従わないならば、「必要なあらゆる手段」の行使を認める、と。

 繰り返しになりますが、国連安保理決議1441の最後は、「安全保障理事会がイラクに対し、義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと、再三警告してきたことを想起する。」という文言です。これは、この決議が、国連に加盟するいずれの国にも、イラクに対する武力行使を容認していない」ことを表しています。但し、禁止するとも書いてありません。


◆世界は平和を希求しているのです

 

武力行使を禁止しているのは国際法、具体的には国連憲章です。

国連憲章が武力行使を認めているのは極めて限定的な意味での自衛権の行使、及び、あらゆる平和的な手段が尽くされたと安保理が判断して、安保理が明示的かつ正当に承認した場合のみ、なのです。これは、国連が武力行使を基本的に違法行為と見なしており、本当にどうしても必要な場合は合法的に組織された、安全保障理事会という国家の集合体である機関の決定を経なければならない。それが国連の目的だからです。



 

だから、ブッシュは、国連は、その本質から云って、なるべく武力行使を避けようとする存在であること、ひいては国際社会全体が望んでいるのは「平和」であるという大前提が全く分かっていないのです。バカです。


2003年09月19日(金) 「<環境危機時計>昨年より10分進む。」 人類存亡の危機なんですよ。

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