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JIROの独断的日記
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2004年04月10日(土) 「首相が中東のテレビで人質解放呼びかけ、政府検討」「3万ドル渡して解放 韓国人」(米紙)「劣化ウラン弾で米兵汚染、サマワで」

◆記事1:首相が中東のテレビで人質解放呼びかけ、政府検討

政府は、小泉首相がカタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」などを通じて、イラクで人質になった日本人3人を解放するように武装グループに呼びかけることを検討している。外務省筋が9日、明らかにした。

政府は、事態の打開に向けて、武装グループとの接触を検討しているが、現在は、グループと接触する手段はない。このため、小泉首相や川口外相らがアル・ジャジーラに出演する案が浮上した。ただ、「確信犯のテロ組織が解放の呼びかけに応じるはずがない」(政府筋)との消極論もある。(読売新聞)[4月10日3時8分更新]


◆記事2:11日か10日か 日本人人質の猶予期限

【バグダッド10日共同】期限切れは11日夜か、それとも10日夜か−。イラク日本人人質事件で、犯人の武装グループが設定した人質殺害までの猶予期限をめぐり解釈が分かれており、不透明な点が多い。

武装グループが声明で明らかにしたのは「このビデオテープが放映された後、おまえたちに3日間の猶予を与える」という内容。ビデオがカタールの衛星テレビ、アルジャジーラによって放映されたのは8日午後4時(日本時間同日午後9時)であり、一般的には日本時間で11日午後9時が猶予期限となる。外務省幹部もこの立場だ。

しかし、8日を第1日と算定すると3日目は10日という解釈も成り立つ。日本以外では例えばテロ事件で「3日間の服喪」という場合、テロ発生の日を含めて3日間が対象となることもあるからだ。(共同通信)[4月10日8時43分更新]


◆記事3:3万ドル渡して解放 韓国人、米紙報道


【ニューヨーク9日共同】9日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イラクで一時拘束された韓国人牧師のグループ7人は武装グループに3万ドル(約318万円)を渡した後、解放されたと伝えた。

韓国人牧師の1人は拘束の際、一緒にいたアジア人が人質になった日本人に似ていたと証言している。

武装グループが韓国人牧師らを比較的短時間で解放した理由は、これまで詳しく分からなかったが、同紙は「韓国人牧師らが医学的な技術を披露し、3万ドルを提供すると解放された」と伝えている。(共同通信)[4月9日23時24分更新]


◆コメント:あと1日しかない。1日無いかもしれない。「金をやる」と言ってやった方が早いかもしれない。本当に、人質を救う意志が、日本政府にあるのか?

記事2に書いてあるとおり、デッドラインがはっきりしない。もしかすると今日10日かもしれない。

それにしても、記事1は滑稽だ。小泉首相がテレビで呼びかけて、人質が解放されるの?テロリストってのはそんなに純情なのですかね?

それよりも、こいつら(犯人グループ)はムジャヒディンと「名乗っている」けれども、本当に政治思想的確信犯なのかどうかも、疑わしい。

つまり自衛隊を引き揚げろ、と言っているのは、建前で本当は単なる「物盗り」、金が欲しいだけかも知れぬ。記事3を読んだら、そう思いたくなる。

何故、韓国人も米軍を支援しているのに、韓国人人質は解放されたのか、不思議だったが、この記事で理由が分かった。

だとしたら、とにもかくにも、人質の命を救うためには犯人に100万ドルやると言って見ることだ。テレビを通じて。本当はそんなことをしたら、模倣犯が出るからやりたくないが、今ごろになって、犯人と接触ができていない、などと言っていて、しかも、政府は自衛隊を引き揚げないと言ってしまったのだから、仕方が無い。

その代わり、現地の日本人には総員退去命令を発することだ。

そして、もし、犯人が本当に政治犯だとしたら、事件がおきたその晩に福田官房長官がいきなり「自衛隊を撤収する気は無い」と発言し、その後も小泉首相が数え切れぬほど、「自衛隊を撤収する気はない」と繰り返しているのは、あたかも「人質は殺して構わない」と犯人に告げているようなものであり、愚の骨頂である。

あの発言で犯人がキレて、すでに人質は殺されている可能性すら、否定できない。

私は、後述するとおり自衛隊は撤収するべきであると考えているが、小泉首相はたとえ、その意志がなくても「自衛隊の撤収を検討中だ」と発言するべきだった。人質事件ではできるだけ、時間を稼ぐことを考えねばならないからだ。時間ができるほど、人質を救出できる可能性も高まるのだ。


◆それにしても、日本人はこれほど薄情なのか。

人質事件に関して、世の多くの日本人は、人質にとられた3人に対して、「自己責任で危険な場所へ赴き、人質になったのだから、殺されても仕方が無い」という考え方を表しているのに、驚いた。

確かに危険は覚悟していたであろうが、3人は何も、悪事を働くためにイラクへ行ったのではなく、何か人の役に立てることはないか、という志を持っていたわけで、そのことが非難されるいわれはない。

彼らを非難する多くの人は気が付かないだろうが、本当は「自分にはできない危険なことを断行した人」に対する「引け目」を感じているが、それは自分にとって都合の悪い感情であるため、無意識下に抑圧し、「危険なところへ勝手に行った3人の方が悪く、何もしない自分の方が正しいのだ」という論理で自らを納得させようとしているのであろう。

◆サマワでは自衛隊近くに2日続けて迫撃砲が打ち込まれたが、そういう場所を「非戦闘地域」と呼べるのか。こちらを攻撃してくる連中を支援する理由は一体何なのだ?

私は、今回の人質事件とは無関係に、自衛隊は引き揚げるべきだと考えている。そもそも、自衛隊の派遣は日本国憲法に違反しているからである上に、サマワが非戦闘地域ではなくなっているからである。

情報統制があるのか、日本のマスコミは、大騒ぎしないが、自衛隊の宿営地の至近距離に、7日夜には迫撃砲の砲弾が2発打ち込まれ、翌、8日の夜にも、迫撃砲かロケット砲による砲弾が5発も打ち込まれている。

自衛隊の宿営地は周りに何も無い、砂漠であるから、偶然、これらの砲弾が着弾するということはありえず、明らかに陸上自衛隊が攻撃を受けているのである。イラク復興支援特別措置法が自衛隊の現地での活動する地域は非戦闘地域に限る、と規定している以上、法解釈上必然的に、自衛隊は撤収するべきである。


そもそも、「人道支援活動」の内容は、イラク復興支援特別措置法第3条第2号によれば、

2 人道復興支援活動として実施される業務は、次に掲げるもの(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
 


  • 一 医療

  •  二 被災民の帰還の援助、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布又は被災民の収容施設の設置

  •  三 被災民の生活若しくはイラクの復興を支援する上で必要な施設若しくは設備の復旧若しくは整備又はイラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧

  •  四 行政事務に関する助言又は指導

  •  五 前各号に掲げるもののほか、人道的精神に基づいて被災民を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒


であるが、こちらに向かって迫撃砲やロケット弾を打ち込んでくる人々に対して、ここに掲げられたような支援をする必要は、ない。


◆劣化ウラン弾で米兵汚染、昨年サマワに駐留の4人

【ニューヨーク=河野博子】イラク・サマワで米憲兵隊員としての任務についていたニューヨーク州兵が9日、当地で記者会見し、尿検査で劣化ウランによる放射能汚染がわかり、劣化ウラン弾の健康影響が裏付けられたとして、今後米政府に対し、同地で任務についた兵士全員の尿検査や健康対策などを求めていくことを明らかにした。

オーギュシティン・マトス軍曹(37)らニューヨーク地区の警官や刑務官ら7人は、予備役の州兵としてイラクに派兵され、昨年4月から8月まで憲兵隊442中隊員としてサマワに駐留。負傷するなどして帰国し、首都ワシントンの陸軍病院に入院した。

昨年秋から頭痛、吐き気、血尿、聴力や視力の部分的喪失などの症状を訴え、劣化ウラン弾との関連を調べるよう陸軍病院に求めたが聞き入れられず、このほどカナダ・トロントの専門医療機関による検査を受けた。尿中の放射性同位体の比率を調べる検査の結果、7人のうち4人の数値が、高濃度の劣化ウラン汚染を示したという。

劣化ウラン弾は、核廃棄物の劣化ウランを弾頭に使った爆弾で、がんや白血病などの同弾が原因とみられる深刻な健康被害が指摘されている。日本では、自衛隊のイラク派遣で問題となり、政府は放射能測定器の携行などを約束した。(読売新聞)[4月10日12時39分更新]


◆コメント:これでも、自衛隊はサマワにとどまらなければならないのですか?

劣化ウランによる、自衛隊員の被爆の危険に関して、私は、最も最近では2月20日2月19日の日記に記した。昨年11月にも、それ以前にも、書いた。2月20日の日記を読んで頂くとわかるが、日本政府はこの問題の所在をしりつつ、見て見ぬフリをしているのである。今、この瞬間もサマワに駐留している自衛官は被爆しているのであり、将来の健康に深刻な影響が出る可能性が極めて高いことが、このニュースからも、分かる。

それでも、日本国民は、自衛官はサマワに残れ、と主張するのであろうか?一体この世の誰に、そんな要求をする権利があるのだろうか?

イラクで人質にとられた3人の日本人が無謀で軽率だった、と、多くの人は考えているが、放射能が検出されているのを知っていながら、500人を超える自衛官をサマワに派遣した小泉政権の決定は、軽率どころではない。暴挙、いや、犯罪である。何故、そのことには、国民は黙っているのだろうか?

筋が通らない。


2003年04月10日(木) アメリカに「世界は自分たちの思い通りになる」と思わせてはならない。

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