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JIROの独断的日記
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2004年03月04日(木) 「専門家らは新たなインフルエンザの世界的流行は避けられず、おそらく目前に迫っているであろうと考えている。」(WHO)

●記事:インフルエンザ・ファクト・シート(WHO=世界保健機構)より抜粋

◆絶えず変異するウイルス:二つの因果関係

ヒトにおける季節的流行を定期的に引き起こすものを含めてすべてのA型インフルエンザウイルスは遺伝子的に不安定で、宿主の防御を回避するべく上手に順応する。インフルエンザウイルスは遺伝子複製の際におこるエラーの「校正」と修復の機構を持っていない。修正されないエラーの結果、ウイルスはヒトや動物の中で複製する際にその遺伝子構成が変化し、既存の株は新規の抗原変異株に置換される。インフルエンザAウイルスの抗原性における定常的で永続的で通常は小規模の変化は「抗原連続変異(antigenic drift)」として知られている。

◆H5N1は何故特別に重要なのか

15の鳥インフルエンザウイルスの亜型のうち、H5N1がいくつかの理由により特別に重要である。H5N1は急速に変異し、他の動物種に感染するウイルスから遺伝子を獲得する傾向があると記述されている。H5N1がヒトにおいて重篤な疾病を引き起こす能力は現在2つの事例に対して記述されている。さらに、実験室での研究は、このウイルスからの分離物は高病原性があり、ヒトにおいて重篤な疾病を引き起こしうることを証明している。感染から生き残った鳥は、少なくとも10日間、口腔もしくは糞便でウイルスを排泄し、それにより、生きている鳥市場やおよび渡り鳥によって一層の蔓延を助長する。

◆インフルエンザの世界的流行:回避可能か

歴史的な傾向に基づくと、インフルエンザの世界的流行は、平均的に一世紀に3〜4回あり、その際には新しいウイルスの亜型が出現して容易にヒトからヒトへと感染伝播する。しかしながら、インフルエンザの世界的流行の発生は予測できない。20世紀には、全世界で4千万人から5千万人の死亡者を出した1918-1919年の大規模なインフルエンザの世界的流行に続いて、1957- 1958年の流行、1967-1968年の流行がある。

専門家らは新たなインフルエンザの世界的流行は避けられず、おそらく目前に迫っているであろうと考えている。


●コメント:冗談じゃないよ。日本政府は暢気すぎる。

要するに、今回の騒ぎを引き起こしているインフルエンザウィルスは、人から人へ感染するへと変異する可能性が高いということである。一旦そうなったら、すさまじい勢いで、流行するだろう、と、WHOはいっているのである。

それで、ただの風邪で終わるのならば、よいのだけれども、WHOの報告を読むと、2月8日の時点でベトナムとタイで、あわせて23例のヒトへの感染例が報告されたのだが、そのうち18人は死んでいる。78%。

すべての患者が酸素吸入を必要として、平均7日間の気管内挿管が必要だった。2例が気胸を起こした。呼吸不全を起こした後に、強心薬投与が必要なほどの心臓の機能の低下が3例に見られた。

今のところ、ワクチンが無い、すなわち予防接種が出来ない。鶏に触らないから安全かというと、すでに感染した鶏の糞便に触れた、他の鳥が、ウィルスをばら撒いているのかもしれないので、近所に鶏がいないからといって安心は出来ない。はっきり言ってかなり、ヤバい状況だと思うのだが、日本政府で現在、鳥インフルエンザ対策を担当している農林水産省がこの事態を正しく理解しているのか、非常に疑問である。

衆議院のサイトに審議の様子を動画と音声でいつでも見られる衆議院テレビというサイトがある。本日も農林水産委員会というのが開催されたのだが、その審議の様子をみると、質問をする代議士も、答弁する農林水産大臣も、ヘラヘラしていて、ぜんぜん緊迫感が無い。

役人は、常に後手後手に回るのは周知のとおりだ。本当は鳥インフルエンザ対策緊急タスクフォースを編成して、鳥の処分方法、鶏舎の消毒方法、消毒に従事した人間が、消毒後、どのような段取りを踏めばよいのかなど、大至急、統一的基準を作成して、各地方自治体経由で指示すべきだが、あの、政治家と役人ののんきな様子を見たら、手遅れかもしれない、と思ってしまった。

より詳しくを知りたい方は、国立感染症研究所感染症情報センターのサイトに掲載されている、WHOのレポート(沢山あるが)をお読みになることをお勧めする。


2003年03月04日(火) 芸能界は、気が遠くなるほどいい加減な世界らしい。

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