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JIROの独断的日記
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2003年05月07日(水) 何故、小泉首相は何もしないのか?

 最も近いところでは、4月23日の党首討論で、民主党の菅直人代表に「首相になるにあたって掲げた公約で実行したのはただひとつ。公用車を低公害車に替えたことだけ。」と辛らつに批判された通り、今の内閣総理大臣は本当に何もしない。

 何故、これほどまでに、無為無策で平気な顔をしていられるのか、新聞を眺めていたらわかった。マスコミ各社には首相の番記者がいて、毎日朝から晩まで首相が何をしたか記録している。どの新聞にも「首相動静」という欄がある。例えば、今日(5月7日)は次のように書かれている。
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「首相動静(5月7日)

 午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
 午前9時37分、公邸発。同50分、官邸着。同51分、執務室へ。
 午前10時9分、執務室を出て、同10分、官邸発。同15分、皇居着。勲一等親授式に出席。
 午前10時50分、皇居発、同55分、官邸着、同56分、執務室へ。
 午前11時54分、執務室を出て、同55分から同57分まで、大会議室前で報道各社のインタビュー。「与党3党のプロジェクトチームが株価対策をまとめるが」に「あしたは経済財政諮問会議。それを受けて状況を見ながら…」。同58分、首相会議室へ。上野公成官房副長官が同席。午後0時20分、首相会議室から執務室へ。
 午後1時46分、執務室を出て、同47分、官邸発。同53分、皇居着。勲二等伝達式に出席。
 午後2時24分、皇居発。同30分、官邸着。同31分、執務室へ。
 午後3時10分から同20分まで、安倍晋三官房副長官。同43分から同4時8分まで、竹中平蔵金融・経済財政担当相。
 午後4時34分、執務室を出て、同35分、特別応接室へ。同36分から同50分まで、地方分権改革推進会議の西室泰三議長、水口弘一議長代理。同51分、特別応接室を出て、同52分、執務室へ。
 午後5時19分から同35分まで、自民党の大村秀章、塩崎恭久、下地幹郎各衆院議員。安倍官房副長官が同席。同36分から同59分まで、亀井善之農水相、竹中美晴農水審議官。
 午後6時から同24分まで、公明党の神崎武法代表、北側一雄政調会長ら。
 午後6時25分から同45分まで、日韓経済協会会長の瀬戸雄三アサヒビール相談役。
 午後7時2分、執務室を出て、同4分から同8分まで、特別応接室で報道各社のインタビュー。
 「6月に中東を訪問する考えは」に「6月じゃなくてね、サミットを前にアメリカを訪問して(ブッシュ大統領と)会談するでしょ。その後エジプトとサウジに行くことを検討している」。
 同9分、官邸発。同15分、東京・丸の内のパレスホテル着。同ホテル内で経済評論家の田中直毅氏、海老沢勝二NHK会長、豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長らと会食。
 午後8時54分、同ホテル発。同9時8分、公邸着。「会食では参考になる話は聞けたか」に「いろいろ参考になったよ」。「たとえば」に「うん。(新型肺炎の)SARS」。(了)」
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 つまり、首相というのは、自分で仕事を見つけなくても、一日が埋まってしまうのである。閣僚、議員と会う。官房長官・官房副長官、各省庁の役人が報告にくる。セレモニーに出席する。財界やマスコミのお偉方と会食をする。それらが、分刻みで決められている。

 だから、小泉君本人は「非常に一生懸命に仕事をしている」つもりなのだろう。毎日の雑事に終われていると、構造改革の進捗状況は?これから何をすべきか?というような面倒臭い事を考えなくてすむ。忙しくバタバタを動き回っていると、自分は首相なのだ、という「感覚」だけは得られるであろう。

 そして、内閣総理大臣として本当にやらなければならないこと、公約として掲げた数々の政策は眼中になくなってしまうのであろう。

 この人に国を変えようという、真の情熱があるとは思えないが、首相を勤める限り、何もしないでは済まされない。マスコミも国民ももっとこの人物にプレッシャ―をかけなければ、だめだ。「貴方は、何にもしていないのですよ」ということをマスコミは紙面や画面で繰り返し訴え、国民は、皆、PCから首相官邸にメールを送ろう。

「貴方は一体何をボヤボヤしているのですか?」と。


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