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JIROの独断的日記
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2003年04月23日(水) 米国で評価されている日本人は野球選手ばかりではない。「バッハ・コレギウム・ジャパン 米公演大絶賛を受ける。」

 「バッハ・コレギウム・ジャパン」と言っても、たいていの日本人は知らないだろう。要するに、オーケストラである。但し、バッハやその時代の音楽を、その音楽が書かれた当時の、古いスタイルの楽器(古楽器という)で演奏する事を専門にしている団体である。

 バッハコレギウムジャパン(以下、BCJと記す)を率いる鈴木雅明氏は、バッハ研究家であると同時に、オルガン奏者、指揮者、古楽研究家であり、日本では勿論、海外でも高い評価を受けている音楽家である。

 この、鈴木氏とBCJが4月4日から12日まで、ロサンゼルス、ボストン、ニューヨークなど米国の6都市で、バッハ音楽の最高峰「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」を演奏して、絶賛された。どの演奏会でも、演奏終了後に長いスタンディングオベーションを受けた。

 ニューヨーク・タイムズやロサンゼルス・タイムズ、ワシントン・ポストなどの大新聞には専属の音楽評論家がいて、彼らは、指揮者や作曲家になるのと同じくらい、専門的な音楽の訓練を受けている。従って、通常、演奏会の評価は非常に厳しい。そして、はっきりいって、欧米人にはいまだに「東洋人に西洋音楽がわかるか」という思いが意識の奥底にあるので、日本人演奏家はハンディを負いがちである。

 ところが、今回のBCJの公演に関しては、全ての新聞が殆ど手放しの称賛を惜しまない。例えば、ロサンゼルスタイムズは次のように述べている。

 「今でも音楽を語るときには人種問題が避けて通れない。とりわけ演奏家が作品の中に彼ら自身の文化を通じたユニークな表情を見せてくれたときには。BCJの第一印象は、この日本人演奏家たちの生き生きとした表情から感じられる、桁外れの音楽への愛情と敬意。私はこれまで、これほど透明なトーン、確実な音程による古楽器演奏を聴いたことがない。」

 これほど評価される演奏は本当に少ないのだ。

 野球もいいけれども、こうした文化的な貢献と言うのは世界における日本人のイメージを変える上で、日本人が想像する以上の役割を果たしているということを、多くの日本人に知ってもらいたい。日本のマスコミは、もう少し教養を見せて欲しいものだ。


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