外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2003年03月09日(日) 誰かを批判しているばかりでは、景気は良くならない。

 テレビでの討論を聞いていると、評論家というのは気楽な商売だな、とつくづく思う。「このままでは、株価が8000円を割れてしまう。株価下落を引き起こしているのは大手銀行株が売られつづけているからだ。銀行株がなぜ売られるかといえば、公的資金を注入されて、経営者が責任をとらされるのを恐れるあまり、無理な増資を行うからだ。それは、金融庁が銀行を締め付けすぎたからだ。」というような論旨であった。同じ人物は以前、金融庁の銀行に対する監督が甘い、と言っていたのである。

 評論家とかコメンテーターとか呼ばれる連中は、銀行はけしからん、金融庁はなっていない、というばかりである。自分からは、現在の日本が抜け出せないでいるデフレを克服するために、具体的に何をどうするべきか、という提案はできないくせに。いたずらに世間の不安を煽り立てている。

 英語で"Words are cheap."(言葉は無料だ)という。何かを言うだけなら誰でも出来る。という意味だ。日本語では「言うは易し、行うは難し」という。正にその典型といえよう。

 デフレが続くと、企業収益が悪化して、企業はコストを減らすために従業員の給料を減らしたり、リストラと称して従業員を解雇する。サラリーマンは給料が減り、またいつクビになるか分からないという不安から、消費を差し控える。このために、モノが売れずに供給過剰となり、ますます物価が下がる。すなわちデフレがさらに続く、という結果になる。今の日本が正にそういう状態だ。

 私自身は、とにかく雇用不安がある限り、個人消費は増えないのだから、とにかく税金を雇用創出に投入するのが第一だとおもう。しかし、私ごときが考える事は役人たちだってすでにとっくに考えているに違いない。

 日銀やら、財務省には天下の秀才が集まっているはずなのに、誰も有効な対策を提案しない。それは何故か言うと、これだけデフレが続いた状況は世界史的にも前例が無いので自信を持って政策を提案する事ができないのである。それから、前例がないだけではなく、うっかりヘンな事を提案して、効果が上がらず、責任を問われるのが嫌なのである。責任を取らされるというのは役人が最も嫌うところだからだ。

 役人の世界にはびこる、悪しき習慣、「減点主義」を改めるべきだ。小泉内閣総理大臣は、「何か日本の景気を良くするためにアイデアがある奴は、まとめて、持ってこい。責任は俺が取る。」と言って欲しい。まだまだ、日本人の能力は生かしきっていない、と思う。


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