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JIROの独断的日記
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2002年12月14日(土) H2A ロケット4号機打ち上げ成功。関係者・技術者の努力は称えられるべきだ。


我々の生活に、直ちに、直接関係しない(実は将来、日常生活にも大きく影響を及ぼすのだが)こういう出来事は世間の関心を惹きにくい。しかし、今日の話はやがて伝説となるであろう。それまで番組が続いていれば、「プロジェクトX」のテーマにピッタリである。

H2Aの先代はH2ロケットで、98年、99年と2回続けて打ち上げに失敗し、今年の8月29日に現在のH2Aロケットの1号機の打ち上げまで、実に1年9ヶ月の空白があった。日本の宇宙開発が世界から置いていかれてしまう、ぎりぎりの瀬戸際であった。まさに、背水の陣。しかも、1号機の打ち上げは直前に燃料注入でトラブルが相次ぎ、発射が何時間も遅れた。関係者の心労は察するに余りある。

しかし、幸い8月29日の1号機の打ち上げは見事に成功した。その後、2号機、3号機も成功。今日で4回連続成功したのである。99年の失敗のとき、宇宙開発事業団の信用は地に落ちたが、見事に失敗を成功に結びつけた、技術者達の執念は私のような素人の想像を超える世界だ。

世の中にはシニカルな人がいて、「巨額の血税を使っているのだから成功するのが当たり前。誉める必要はない」などというのだろう。言うは易し行うは難し。エンジニアの本当の苦労はエンジニアにしかわからない。

新聞記事にこんな一節があった。

「『エクセレント(素晴らしい)!』『ブラボー!』――。14日、H2Aロケット4号機の打ち上げを見守った海外の協力機関のスタッフから感嘆の声が上がった。フランス国立宇宙研究センター(CNES)のマルク・ピルシェール軌道上システム部長は「ロケットの打ち上げはとても難しいものだが、成功にみなさんのプロ精神を感じた」とたたえた。

いい話だ。人のやる事に文句をつけるのは簡単だが、自分で何かを興すのは、大変な事なのだ。他人の仕事を尊敬する、ということを、ピルシェールさんは良く知っている。


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