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■ 『美ら島』当日パンフレット戯言。
演出の戯言 『誰かの美ら島』
ふとこの稽古場で思うことがある。 どんな道を僕らは歩いてきているのか。足許を失くしたまま生きていやしないだろうか。 便利を手に入れて失ったもの、 気がつけば、便利なもののお陰で、東京都と沖縄の行き来が簡単に出来、連絡も密に取れ、こうして作品創りをすることもできている。でも効率ばかりを追ってやしないだろか? 今更簡単に戻ることのできない道。失くさないと本当に大切なものを見失う僕たち。 せめて、手放したものを思いながら、 失くしながら手にしている便利を思わなくてはいけない。
とある島。戦争、国、社会、政治、 そうゆう大きな歴史ドラマのうねりの一番端っこに、ポツンと、でも、踏ん張って立つオバアがいる。
平良とみさんの代表作。とてもじゃない、原作を観ていたら臆してできなかったかもしれない。 今回、そのカミイの新城カメーさんと出逢えたことが大きい。 普通の俳優にも要求しないことを要求されながら汗と涙と笑いで凛として立つ姿、悪戯っ子のよに振舞う姿、他人の為に奔走する姿、唄い踊る姿、偶に頭を抱えるその姿(笑)、総てそこに在る。 そして 同じくそこに在る姿が信頼に足る、旧友でもある俳優・粟野史浩。 二人の出逢いによって生まれる 全く新しい『美ら島』
上演台本をキャストスタッフ総出で紡ぎながら、『誰か』のこと、『生まれた場所』のこと、そんなことを思ってもらえたら嬉しいと思っている。『美ら島』は観てくださる『誰のもの』でもあるのだから。
どんどんと分断に向かう世界にー
藤井ごう
2019年10月29日(火)
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