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■ おれ、おれおれ詐欺に遭遇。
「つよしだけど」
それがことの発端で、私は午前中の、まだ寝ていたい時間にその電話(家の)で起こされたのだった。
「つよしだよ〜」
電話口の向こうの「つよし」さんはどうやら、気持ち悪いくらいの芝居口調で、自分の名前らしきそれを言うのであった。
「どちらにおかけですか?」
私は普通にそう答えた。 だって、午前中の、(と言っても、普通の人は起きている時間ではあるのだが、)そんな時間に私にそんな電話をかけてくるであろう人間にこころ当たりはない。
「つよしだよ〜〜」
一層やばめな声で言うそいつに私は、起こされた怒りと、どうやらそれは間違い電話だから、大迷惑だという思いにかられている。
「だから、どちらにおかけですか?」
仕方がないので、再びそう言う。
と、
「藤井つよしだよ〜」
という力ないんだか、力あるんだか、なんだかかんだかの声。
「どちらにおかけですか!」
まだ眠い私はそう答える。
「ふ・じ・い・つ・よ・し・だよ〜」
相手はまだそんな事をのたまうので。
「あの、誰ですか、切りますね。」
ときった。
……。ことの顛末はそれでおしまいだった。 しかし、私は電話を切ってきがついた。
「これって、おれおれ詐欺じゃないのか」
いい加減、おれおれ詐欺も有名になってしまったので、それのグレードアップ版が登場したわけだ。つまり私が創造するに。
高校の名簿、中学の名簿とかをもとにして、電話をかける。大体、そこには、その人間の名前が載っている。今、大体普通に言えば(私らの場合、普通ではないから)結婚もして、実家も出てっていう年の人間だから、実家にその名前でかけた場合、普通、定年を迎えた両親は、普段息子や娘なんかからは連絡がないだろうし、「おれ」じゃなくて「名前」だったら、また違うかもしれないし、信じやすいかもしれない。
そして
「お金がいる、どうしても」
と「名前」でせがまれれば、「おれおれ」は知っていて警戒していたとしても、まさか「名前」でくるとは思っていないから払ってしまう。
ということなのだろう。
だが、
私は「つよし」じゃなくて「ごう」なんだなー。
そりゃ、漢字で書けば「剛」だけど。
あさはかなりし、犯人さん…と哂ってみて、しかし…
これからは、読みがいろいろある名前はやめた方がいいんじゃないか。
そして、そうわかってから思った事。 とりあえず、なんで私は両親のふりをして、その電話に応対できなかったのか。←そうしたら、話のネタもいっぱい増えたのに。あああ。悔やまれる。
そして、どうして自分と偽って電話をしてきた人間と「おれおれ」談義に花を咲かせられなかったのか。(と言って、俺より俺の事を知っていられても、それはそれでこまるのだが)そんな経験めったにないし、っていうか、ないし。あああ。悔やまれる。
でも多分、私が誘拐されたり、借金まみれ(その兆候だけは往々にしてある)になっても、あんな芝居がかった声はださんな。間違いない。
でも、こんな手法、まだテレビでも言っていませんので、これを見た方、是非ご両親に試してみては?…あ、違う、気をつけてと、お伝えください。そして、万が一、ドッペルゲンガーじゃない自分と鉢合わせしてしまったら、眠がってないで、やり込めてやってください。
あ〜も一回掛かってこないかなー。
相手としては、これほど面倒くさい相手もいないんだろうが。
ごう
2003年11月21日(金)
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