スカーレットの心のつぶやき
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2007年03月23日(金) 回覧板

一人暮らしの母のことが気になり、実家に行った時、

ちょうど回覧板が回ってきた。

母は、バインダーに挟まれているお知らせを読み、

日付と名前の欄に丸印をつけた後、

「悪いけど、お隣さんにまわしてきてくれる」と言って

私に回覧板を手渡した。

隣の家は留守だったので、

玄関のドアの前に回覧板を立てかけて帰った。

私が子どもの頃、

回覧板を隣の家に持っていくことが

私のお手伝いの一つになっていた。

母から預かった回覧板を、

落とさないように両手でしっかりと持ち、

大きな下駄をつっかけて

隣の家のおばさんに渡しに行った。

おばさんは、にっこり笑って「有難う、ご苦労さん」と言って、

飴玉を一個私の手に握らせてくれた。

その飴玉を右の手に握りしめ、

ふと空を見上げると、

夕焼けで真っ赤に燃える空が果てしなく広がっていた。

急に胸がいっぱいになり、涙が出てきたことを思い出す。

あれから五十年、時代は変わり、

電話、メールと便利な世の中になった。

でも、回覧板は町内会にとって欠かせないものになっている。

思わず私は「トントントンカラリンと隣組」という歌を口ずさんでいた。


スカーレット