スカーレットの心のつぶやき
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2005年05月20日(金) あの頃 その1

私が拒食症を発症したのは19歳の時だった。

あれからもう30年以上の月日が経った。

長く暗いトンネルの中に随分居たように思う。

入退院の繰り返しが14年続いた。

そして、娘を出産して治ったかのように思えたけれど

今も時にあの頃に戻りそうな私が居る。

あの頃のことをこうして書く事によって

今の私を自分自身で支えることが出来るかもしれない。

記憶は風化しつつあるけれど、

少しずつあの頃の私のことを

客観的に見てみたい。

あの頃の私は本当のことが見えなかったのだと思う。

毎日考えることは、今日は何を食べようか・・

何を食べてその後吐いて、その後何をしようか・・

そんなことしか頭になかった。

食べることは体のためではなく

私の心の不安を一時的に解消させるために過ぎなかった。

決して食べたかったのではない。

食べることを嫌悪していた私が

何故あんなにも食べることにしか

心を集中できなかったのか・・・

あの頃の私は、

美味しいものを美味しいと感じられない、

満腹感も感じられない、

食べるという行為がとてもいやらしい行為だと感じていた。

恥ずかしいことだと感じていた。

出来るなら一生何も食べないで居られたら

こんなに幸せなことはないと思っていた。

朝から晩まで何一つ口にせず

大学生活を送っていた。

でも、楽しいはずはなかった。

友人達が学食で楽しげに語らってる時も

側に座っているだけで何も食べなかった。

食べる気もしなかった。

食べないことが幸福だった。

でも、幸福であったはずの

私の心は本当は泣いていた。

淋しかった。

孤独感でいっぱいだった。

食べないと心がとても緊張して

線が段々と細くなっていくのは

体だけではなく

心の線も本当に鋭くなっていった。

毎日鏡を見て、

体重計に乗るたびに

私の顔も細くなり

体重も段々と減少していったのだが、

毎日何gずつでも減っていくことに

私は喜びを感じていた。

どこまで痩せ続けることが出来るのか?

自虐的は挑戦だったように思う。

(つづく)


スカーレット