スカーレットの心のつぶやき
つぶやき 目次|過去|未来
今年も我が家の庭に可憐なすずらんが咲き始めた。
このすずらんを見るたびに十一年前のことを思い出す。
その頃幼稚園に通っていた娘は
口中にヘルペスが出来て日赤病院に入院した。
娘にとって初めての入院だった。
二十四時間ぶっ通しの点滴と
食べられない辛さで精神的にも不安だったに違いない。
私もずっと病院へ泊り込んでいたので疲れを感じるときもあった。
そんなある日、
突然すずらんを手にしたスチュワーデスのお姉さんが
部屋の中に入ってきた。
そして、「早く元気になって退院してね」
という優しい言葉と共に
娘に可愛い小さなすずらんを手渡してくれた。
新聞社の取材があり、
翌日の新聞に娘の写真入りの記事が載った。
娘はその記事を恥ずかしそうに見ていたのを覚えている。
間もなく娘は退院し、もらったすずらんを庭に植えた。
その一輪のすずらんは段々と増えて
今では庭中いっぱい咲くようになった。
あの時幼稚園生だった娘も今年の春から高校生になり
毎日元気で通学している。
あれからもう十一年になる。
今朝、庭に出て可愛いすずらんを見ていると
あのときのことがとても懐かしく思い出された。
スカーレット
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