スカーレットの心のつぶやき
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友人が私に言ってくれた。
「楽しかったことだけ覚えておいたら良い」
「全部、忘れる必要はない」と。
そして、今の私は、
あの人との楽しかったことだけを
時々ふと思い出して懐かしんでいる。
でも、記憶というものは残酷なものだ。
あれほど、楽しかった2人の思い出を
いくら思い出そうとしても、
前に比べると鮮明に思い出すことができないのだ。
「ああ〜こんなときにあの人はあんなことを言ってたな・・」
「私がこの言葉を言ったら、絶対にこういう風に答えるだろうな・・」と
思うことはいっぱいあるのに、
まるで現実に起きたとは思えないくらい、
私の記憶の中で遠いものになろうとしている。
悲しいことや
辛かったことが、
こうして記憶の中から消えていくことは良い。
でも、楽しかった思い出が
消えていくことがとても淋しい気がする。
時は待ってはくれないのと同じように、
人の記憶の消滅も待ってはくれないのだろうか。
人は忘れることが出来るから生きていけるのだと思う。
これは本当のことだと思う。
いつまでも経験した苦い思いや痛い思いを覚えていたら、
生きることに恐怖感を覚えるであろうし、
消極的な生き方しかできなくなるだろう。
外傷性ストレス障害(PTSD)という病気があるように、
人にとっての心のショックはいつまでも後をひく。
だからこそ、
忘れるということが出来るのが有り難いのだと思う。
でも、今までの人生の中で
楽しかった思い出は消え去って欲しくないと思う。
二度と起きることのない、
あの2人の思い出を、いつまでも心の中に留めておきたい。
未来も過去もない、
今が一番大事だということはわかっている。
でも、時には記憶というバスに乗って、
あの頃の景色の中に帰りたいと思うことがある。
思い出はその人にとって宝物だと思う。
そして、その宝物が大事だと思える人は
きっとそのまま心の中で温め続けることができるのだと思う。
私も二度と帰らないあの人との思い出を、
心のよりどころとしておくだけだはなく、
私自身の生きてきた足跡として留めておきたいと思う。
忘れたくない・・・
忘れるのはあまりにも淋しい・・
スカーレット
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