スカーレットの心のつぶやき
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今さっき、朝食に無花果を2個ヨーグルトの中に入れて食べた。
柔らかくて、手で持って薄皮を剥ぎ中を見ると 小さな粒粒がいっぱい。
つい嬉しくなってヨーグルトと一緒に口に入れた。 何とも言えない舌触り、この感触が懐かしい。
昔、私が生まれた家の裏庭に大きな一本の無花果の木があった。
無花果にも色々な種類があるのだろうが、私の家の無花果は他の家の無花果よりも小ぶりな割りに味は格別だった気がする。
私にとって夏の果物の思い出はこの無花果だ。
今思うと清潔ではないが、木に手を伸ばして無花果の実を採り、洗わないで皮を手でむいて食べていた。
一度に何個も食べていたように思う。
母から「無花果は腹薬だ」と聞いていたので、いくら食べても食べ過ぎてお腹を壊すことはないだろうと勝手に思っていた。
無花果の木にはよく「ブイブイ」が寄ってきていた。
「ブイブイ」の本当の名前は何だろう?
姿はあまり良いものではない。
ゴキブリに似た色や大きさだ。
この「ブイブイ」を無花果の木で見つけるとそれを捕ってつかまえて家に入った。
そして首の辺りに糸を巻き付けて長く伸ばし、その端を手に持って家の中で飛ばして遊んだ。
今思うとなんて惨いことをしたんだろう?と思うのだが、当時の私にはそんな思いは全くなかった。
寧ろ家の中じゅうを飛び回る「ブイブイ」が面白くて楽しくて仕方なかった。
子供と言うものは時として、考えられないような惨いことを平気ですることがある。
母に聞いたのだが、母は大昔子どもの頃蛙を捕まえてお尻から空気を入れて 蛙のお腹が大きく脹らむのを楽しんでいたという。
当時は今のようなストローはなかったと思うので、きっとそこらの竹の木か何か、中に空気が通るような枝を取ってストローも代わりをしていたのではないかと思う。
私は母の話を聞いたときに本当に可哀想な気がした。
「何でそんなことを?」と思った。
しかし、私が「ブイブイ」のことを娘に話すと私が母に言ったと同じ言葉が返ってきた。
娘は「ブイブイ」を飛ばして遊んでいた私が惨いことをしていたと思ったようだ。
私が小さい頃は今と全く違って娯楽もなく、夏休みの思い出と言えば、 この「ブイブイ飛ばし」と裏の川でのいかだ遊びくらいしかなかった。
あの頃に今の子どもたちのような娯楽があれば 私だって「ブイブイ飛ばし」などしていなかったと思う。
朝食に無花果を食べながらこうして昔、私の小さかった頃を思い出し、 夏の思い出に浸れたことは嬉しかった。
やはり私にとって無花果は郷愁を誘う食べ物だと思える。
スカーレット
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